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回生の檻〜どうしても死ねないデスゲーム〜  作者: 太田コウスケ
第一章『罪の意識』
3/3

第一章3「嘘つきは泥棒の始まり」

「ハァハァ…着きましたね!ブランドフロア!」

インテリメガネは膝に手を置きながら背中が大きく波打ち荒い息を吐く。


「スゲー!PRUEAプルダGUCCUグックLOEWUロエウ…ハイブランドばっかだぜ!」

見るからに貧乏臭そうな男がハイブランドに感動する。象徴的な出っ歯がきらりと光る。


——ショッピングモール5階の休憩ベンチに腰掛ける二つの影が、不審な動きを見せる。

「おい、本当に来たぞ!“爪楊枝”、見てみろよ!」

「ブーブーうるせぇよ、この”豚”野郎!向こうに聞こえるだろ!」

豚と爪楊枝の両極端の2人組がインテリメガネ率いる客プレイヤーを確認した。


豚野郎は徐にトランシーバーを、持ち始めた。

「今5階にあいつらが来たぞ!キヒヒヒ。」

「——ザザッ…了解。どの店に行きそうか分かったら伝えてくれ。美女野獣チーム頼んだぞ。——ザザッ」

「——ザザッ…了解。——ザッ」

美女野獣チームの声が最後、トランシーバーが大人しくなる。


「みなさん!おそらく相手はハイブランドを真っ先に狙うと予想していると思います。なのでみなさんは盗んでるフリをして逃げ回り相手を撹乱してください!!その間に私が陣地までアイテムを持っていきます!!」

(逃げ足なら得意だ!)


「では、まずGUCCUグックから行きましょう!!」

「よっしゃ!絶対に勝つぞぉ〜」

永遠達はGUCCU目掛けて駆けて行く。


「やつら、"GUCCU"に向かってるぞ!キヒヒヒ」

「豚野郎!早く報告しろっ!」


慌ててポケットのトランシーバーを取り出す。

「キヒヒヒ、アイツら"GUCCU"に向かってるぞ!俺らはどうしたらいい?キヒヒヒ」

「ザザッ——こっちからも見えている。お前達はエスカレーター前で待機。美女野獣チームは出口前で待機し、出てきたやつを頼む。——ザッ」

「ザザッ——分かったわ。——ザッ」


「オデ、ナニスル?」

身長2mほどの巨体の男がおぼつかない日本語を発した。その姿はまるで野獣である。


美しい黒い髪、目を奪われるような印象的な目、透き通る肌の女が野獣を蹴る。

「はぁ?ちゃんと聞いてなかったの?私たちは出口で待機!わかった?」

「ワカッタ…ケラナイデ……」

「絶対わかってないだろ…」


見た目と中身が真逆の美女野獣チームは出口が見える位置まで移動する。

隠れながら移動する姿はもはやどっちが盗人か分からない。


永遠達はGUCCUの店内に駆け込んだ。

「スゲェー!!全部ピカピカだぜ!」

貧乏ネズミは宝物を発見したかのように目を輝かせた。


(これを盗む…)

永遠の額は汗ばみ、手は震える。盗むという、日常で禁止されている行為に身体は抵抗しているようだ。


「本当に盗むんですか…?」

「敵は監視カメラを使ってるはずです!だから、盗む”フリ”だけしてください!」

「わ、分かりました!」

永遠の身体は安堵する。非現実的な環境に置かれている身体はまだ現実の感覚を覚えている。


「ではみなさん、おそらく相手チームが外で待機してると思うのでこの店を出たらバラバラに分かれて逃げましょう!なるべく相手を引き付けながら逃げてください!!」


出っ歯の歯が出番だと言わんばかりに光り輝く。

「おっけい!どのくらい相手を引きつければいいんだ?」

「そうですね…別の味方チームが盗める時間を取りたいので味方チームのポイントが入ったら陣地まで帰ってきてください!」


(僕の足がみんなの役に立つ…!)

インテリメガネの作戦に永遠達は二つ返事で同意する。

自身のポイントが増えないことなど頭に無く、ただインテリメガネの作戦が最適だと錯覚する。


「なるべく時間を稼いでくださいね!!さぁ!行きますよ!」

皆は力強く頷き、一斉に店を出る。

最後の1人が店を出たのを確認し、インテリメガネはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「さて…ここからが本番ですよ。」

そう呟くと、誰もいなくなった店内で静かに手を伸ばした——。

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