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新世界 01

2018年5月3日 池袋基地


「ピピピピッピピピピッ!」

けたたましく鳴る目覚まし時計。起こすのは一人の男。

「ん、んぁぁ」

奇妙な声を出しながら音を止める。

そしてまた布団の中に帰って行った。どうやら二度寝するらしい。

しかし、その瞬間

「秋月ぃ!貴様昨日の定例会議行かなかったらしいなぁー!」

勢いよく自室の扉が開かれる。

開けたのは夕雲美礼ゆうぐも みれい一佐。彼の上官だ。

「何ですか、夕雲連隊長…。今日は俺非番ですよ…。」

起こされたのは秋月京あきづき けい三佐。


彼らは日本吸血鬼防衛隊東京師団第2連隊の隊長と副隊長の関係だ。


「非番もなにも知るかーー!!!!お前分かってんの⁉連隊会議だぞ⁉うちの今後を決める会議だぞ⁉」

「そんな重要な会議なら自分が出席してくださいよ。」

怒りの言葉を投げかけてくる夕雲だが、それに秋月は呆れている。


「私だってそうしたかったわ!しかし名古屋に強制召喚だぞ…。しかも会議報告書の提出期限は昨日だし…。」

「今朝帰ってきたんでしたっけ。連隊長殿はお忙しいですな~。」

だんだん弱気になっていく夕雲を横に秋月はのほほんとしている。


「にしても名古屋とはなんかあったんですか?しかも今回のは非公式の訪問だったらしいじゃないですか。名古屋の方だと吸血鬼の活動が活性化してるらしいですしそれ関係ですか?あ、会議の書類は既に提出済みですのでご安心を。」

簡単な身支度をしながら疑問を投げかける。また怒られないように弁明する。

そう、今回の訪問は一般隊員には伏せられている。しかも第二、第六連隊長と師団長、情報局長などという重要人物が参加する程だ。何もないわけがない。


それに夕雲は深刻そうな表情をしながら口を開く。

「りょーかい。吸血鬼の活性化もだがそれ以上に事態は深刻だ。それもわたしたちにとってな。これを見ろ。」

そう言いながら、机に数枚の紙をだす。

「えーっと、先月の名古屋周辺の吸血鬼と血獣の出現地域ですか。と、これは数ですか。まぁ増えてますけど、そんなに重要ですかね?」

そう言うともう一枚かみを出してくる。


「これは…」

「出現地域と数を日別で表したものだ。なにか気づくか?」

ぱっと見何もないがよく見ると違和感に気付く。

「日を追うごとに連中が東に移動している…?」

その地図では日を追うごとに周辺地域より突出した量の出現数が右にずれていっている。

「そうだ、そしてこの方向には」

「東京ですか」

ため息交じりの会話だが同時に緊張感も漂い始める。

明らかに吸血鬼達は東京に向かってきている。

「このままだと四日後には八王子に到達だ」

紫外線に弱い吸血鬼と血獣は夜にしか地表を移動できない。ヘリや車を持ってはいるが大量には持っていない。

そうなると予想できるのはただ一つ。

「このままだと八王子で吸血鬼と東京師団で戦闘ですか。」

「そうなる可能性は高い。そうなると私たち能力者が前線で戦うことになるだろうな。」


能力者。生身で吸血鬼に対抗できる存在。人類八億人の内、能力者は三万人程度。

しかも能力は人によって異なり、中には吸血鬼を倒せない能力も存在する。

能力は様々で火や水を操る能力、事象そのものを操る能力、人智を超越したものもある。


「となると姫路のあいつを呼んだ方がいいんじゃないんですか。」

「おい、あの人一応師団長だぞ。まぁあの人がいたら確実に勝てるだろうけど。だが今回は東京だけでやる。それにうちも日本有数の実力を持った奴らの集まりだ。今回も勝てるさ。」

疲労感を感じさせるしゃべり方だがそんお言葉の裏には自分の所属する師団に誇りを持っているように感じさせる。

そうだ、東京師団は日本に10しかない対吸血鬼の師団の中でもトップ3に入るほどの実力集団。

いつも大阪師団と二位争いしている。一位はどうなのかというと争うまでもなく姫路師団だとわかる。

日本最強、世界でも有数の実力者と呼ばれる姫路師団長をはじめ、

師団長クラスの人材を多数有する最強師団。


「対策はどうするんですか?四日となるとあんまり時間無いですけど。」

「それに関してだが今日師団会議が行われる。それで対策が練られる予定だ。これが失敗すれば東京は壊滅。それだけは避けなければならない。」

非常に危機的状況だ。ではなぜ他師団を頼らないのだろうか。四日でも名古屋、横浜、仙台の各師団は東京に結集して戦線を形成することはできる。

「まぁ会議まで時間はあるし、少し外を歩かないか?」



あれから服を着替え朝食をとり街を取り囲む防壁の上を歩いていた。

ぼさぼさの髪に紺色のジャケット、青いジーパン。旧世界でも見慣れた普段の格好だし、この世界でもメジャーな服装だ。

「いつも適当な恰好だな。この世界でもある程度服はあるしお洒落でもしたらどうだ?お前もそこそこ稼いでるだろ。」

そう呆れているように感じる言葉を投げてくる彼女は黒いロングヘアに赤いスニーカー、ダボっとした黒いパーカーに白いショートパンツ。

それに加えて持ち前の容姿は通りゆく人々を振りむせるほどであった。実際過去にそれ関係でいざこざが起こったこともある。

そんな上司と肩を並べて現在歩いているわけだが…。

(正直、見惚れないわけがないよな~。結構美人だし、性格も良いしな~。)

そんな事を考えつつ

「ファッションにあんまり興味がないんですよ。金もどっちかというと食べ物のほうにかけますし。」

「お前はそうだったな。」

彼女の短い反応のあとはいつも会話が途切れる。いつもそうだ。地上から15メートルの防壁から見える絶景といえる街の風景と静かな風の音。微かに聞こえてくる人々の生活音。生い茂った緑の匂い。

それらすべてが愛おしい。この日常がいつまでも続いてほしい。

この一瞬の平和が静寂が守られるべき存在なのだ。

「何もかもが変わったが変わらないものもあった。」

ふと夕雲が口を開いた。いつもと変わらないはずの口調なのに何かいつもと違う。

曖昧で抽象的だがそう感じる口調だった。

「この存在が私たちの守るべき存在だ。あの人魔交代で私たちはすべてを失ったが、すべてを手に入れるチャンスを手に入れたんだ。これが私たちの世界。新世界だ。」

力強い言葉と共に手を差し伸べてくる。

正直彼女の言葉の真意が今はわからない。

だが今は自分の上官を、憧れの人を信じる。

そう思いながら俺は彼女の手を握った。

前からかなりの期間が空きましたが許してぬ!

といってもこれ書いてるときには見てる人ゼロですけどね!ガハッ!(泣)

というわけで前の話のかなーり前からこの作品は始まります。あの話は実はこの章の次の予定ですからね!

新世界とか旧世界とか人魔交代とか変な廚二単語出てきましたけどまたいつか単語解説作る予定だから許してぬ。

pixveから来た人はこっちまで来てくれてありがとう!こっちだとあっちで投稿しない話とかもあるからまた来てね!

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