令和五年十一月十三日の満月に詠う二十連短歌
今晩も 麦酒片手に 帰り道
ふと見上げれば 金の望月
どれひとつ 供に連れ立つ 帰り道
月と乾杯 供に乾杯
帰り道 五百の麦酒 二本持ち
道には一人 月もお一人
『多すぎだ』 月の小言も 聞こえるが
「内一本は 君の分さ」と
やあ月よ 杯無くて すまないが
缶を片手に 月見で一杯
いつ見ても 月の素顔は同じ顔
重い方だけ 見せると知るも
いつ見ても 君の素顔は 飽きないね
同じ顔でも 幾世霜も
どこかでは 月の模様は 泣く少女
涙を拭けよ 僕がついてる
中華では 月の模様は ガマ蛙
この寒空に 大儀であるぞ
月明かり ほろ酔い気分で もう一本
満月の夜は 明るいものだね
月明かり 輝く為に 街灯
ネオンサインを 消してしまえよ
こんなにも 麗し光る 満月に
酒飲み詠う これも楽しき
さあ今は 朝まで僕の 宝物
高く詠おう 更に語ろう
満月の 兎讃えて 声かける
よくぞ我が身を 神に捧げり
酔い回り 気分良くなり 歌も出る
明日の事は 全部忘れて
酔い回り 瞼も重く なりにけり
あくび一つに 伸びなどしたり
時過ぎて 月も西へと 傾きて
時の経つのも 早いものだね
空に居た アンドロメダも 西の空
お次はオリオン 御者に大犬
満月の 灯りが夜を 柔らかく
照らすその様 なんと麗し
さて麦酒 尽きて今夜は お開きと
床に入りて 明日に備えよ
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