沓冠
詞書:たまには短歌の技巧の話
涙の夜
月は知らじと
影深さ
白きとぞ見る
君の歌の譜
-----------------------------------------------------------
公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
https://syosetu.com/event/haikutanka2023/
-----------------------------------------------------------
腰抜け16丁拳銃/クロモリ440さまにお贈りした沓冠という技巧の短歌。
「うん。えっと『沓冠』って知ってるかな? この歌のね、頭文字を読んでお尻文字を読むの」とうちのキャラの信也に、随分昔のR18作品で楽しそうに言わせたことがありました。
頭文字に意味を持たせる「かきつばた型折句」歌をいただいたので、反撃です。
歌の途中などに隠しテーマを入れる、「物の名」というのもあります。
例えば、「すももの花」で、
「今いくか 春しなければ うぐひすも ものはながめて 思ふべらなり」
(紀貫之 古今集428)
私のうたの意味のほうは、こんな感じです。
故郷を懐かしがって私が泣いているとしても、夫だと思って見上げる月は知らんぷり。
その月影もクロモリさまのお歌の調子も、闇の無い白く清いものですね。




