みよしのの
詞書:老いた父母
心打つ
電話の向こうの
母の声
故郷寒く
我を待ちをり
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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
https://syosetu.com/event/haikutanka2023/
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参議雅経
「み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣打つなり」
衣打つ:砧打ちのことです。洗濯後ごわごわになった衣服を木の棒で叩いて皺を伸ばしたり柔らかくした由。女性の夜なべの仕事でした。
母が電話で「会いたいねぇ」ともらしました。
心細いのはよくわかっているのですが、帰れるとしても4月。
この冬をどうにかふたりで乗り切ってほしい。
ワガママな娘ということで「我」の文字。
心引き裂かれるのが判っていて選んだ人生。
それを覚悟して嫁に出してくれた両親。
「思う通りの人生を歩め」と父は今も言い続ける。