あけぬれば
詞書:日照不足、昼夜逆転に苦しみて
明けぬれば
往かねばならぬと
知りながら
まんじりともせず
一人寝の床
-----------------------------------------------------------
公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
https://syosetu.com/event/haikutanka2023/
-----------------------------------------------------------
藤原道信朝臣
「明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな」
明けぬれば:夜が明けてしまえば
往かねば:(仕事に)行かなきゃ、往復通う意味で往くの漢字にしました。
百人一首のほうは、朝が来て彼女の元を離れ、また夜になったら逢えるけど去りがたいという意味ですが、独りで寝ている私は、昼夜逆転して眠れず。
そういえば昔、同じ状態になった時に、「ベッドで運動すればよく寝られるよ」とアドバイスくれた友人がいました。笑
相手のいないこの身ぞ悲しきー君が私をおいて逝くからだぞっ!
本歌取りのいいところは、元歌を知っている人が「なほ恨めしき朝ぼらけかな」を想起してくださるので、文字にしなくても、夜明けがつらいと言っているんだなと、感じてもらえることです。