俺の事がそこまで好きでもない彼女に、俺と付き合ってもらう為の最後の一押しの言葉を!
俺は彼女の事が好きだけど、そこまで俺の事を好きでなもない彼女に
あと一押しの言葉を彼女にかけたいのだが、、、。
なかなか言葉が浮かばない!
『“どうしても、俺と付き合ってほしんだけど!”』
『・・・うーん? でもね、今は彼氏要らないと言えばそうだし、
めんどくさいっていうのもあるしさ。』
『“頼む! もっと真剣に考えてほしんだ! 俺は絶対に浮気しないし、
未知留だけを好きでいる自信があるんだよ!”』
『“ただモテないだけでしょ!”』
『そうかもしれない! それでも絶対に俺は未知留を大事にするから!』
『“そういう男に限って、女性を大事にしないのよねぇ~”』
『いや? 俺は他の男とは違うよ! 絶対に未知留を大事にする!』
『・・・ふーん、』
『・・・・・・』
『もう、終わり?』
『えぇ!?』
『終わりだったら? 今から用事があるから行くけど、いいかな?』
『“ちょ、ちょっと待って!”』
『・・・何?』
『“今、ここで行ったら? 未知留が後悔するよ。”』
『なんでよ!』
『“俺! 宝くじ3億円当たったんだ!”』
『“嘘ばっかり! そんなに都合よく宝くじが当たる訳ないじゃない!”』
『いや、それが本当なんだよ! 信じてくれよ!』
『で? 宝くじの3億円は私と付き合ったら、どんな風に使ってくれるの?』
『“未知留の為だけに、このお金を使う事を誓うよ!”』
『じゃあ、付き合ってあげてもいいかな。』
『えぇ!? 本当!?』
『“その3億円とやらが、当たってたらの場合だけどね!”』
『勿論! 当たってるって!』
『じゃあー明日から私達、恋人同士だね!』
『あぁ!』
・・・まさか、まさか!?
俺はありもしない事を彼女に言ってしまう!
“当たり前だが、そんな都合よく3億円が宝くじで当た訳がない。”
でも? どうしても俺は彼女と付き合たかったんだ!
彼女も薄々俺が3億円なんて当たってない事は分かっていると思うが、
それでも俺は彼女の前だけでもカッコつけていたい!
だから俺は親や親戚、会社の同僚や後輩、あまり会っていない高校の同級生
など、借りれる相手に片っ端からお金を借りた!
なんとか、かき集めて500万にはなったのだが3億円には程遠い!
こうなったら? 借りれる銀行からお金を借りまくり、なんとか3億円を
手に入れる!
俺はそこまでして、彼女と付き合いたかったのか?
今更後悔もしたが、こうなったら? 俺は彼女の為に何でもしようと思い、
彼女が俺と付き合ってくれると信じて、彼女の為にこの3億円を使う事を
誓った!
『“ねえ、本当に3億円当たったの?”』
『勿論! 今からデートに最高のプランを俺が未知留をエスコートするよ。』
『えぇ!?』
『先ずは、リムジンに乗って! それからドレスを買いに行こう!』
『・・・ちょ、ちょっと待ってよ!』
『さあさあ、リムジンに乗って!』
『・・・ううん、』
ここから最高の俺が用意した彼女と初めてのデートプランを実行する!
彼女は終始、驚きぱなしで俺も嬉しかった。
最後は彼女を夜景に連れて行き、もう一度! 俺は彼女と付き合ってほしい
と告白した!
『“もう一度! 改めて俺と付き合ってほしい!”』
『・・・ご、ごめん、』
『えぇ!?』
『私、やっぱりそんなにお金に興味ないや。』
『えぇ!? ど、どういう事、、、!?』
『“付き合うなら? 普通の男の子がいい!”』
『今更、何言ってんだよ!』
『ごめんね、じゃあバイバイ!』
『・・・・・・』
・・・そ、そんなバカな、
こんなにしてまで、彼女を贅沢三昧のデートプランに誘ったのに、
俺と付き合わないの?
俺だって! ここまで彼女の事が本当に好きだったのか、もう分からない!
もうこうなったらと? “自分を見失っていただけかも。”
でも? 最後に残ったのは、使った500万円と借金だけだった!
残ったお金は直ぐに返せるところに先に返し、銀行は利子があるため
先に返済した!
家族や親戚、会社の同僚や後輩、あまり会っていない高校の同級生には、
少し待ってもらうことにした。
月に1万円づつだが、返済すると伝えた。
しかし? 今になって想えば、“彼女にそこまでの魅力があったのか?”
俺がこんなに大変な目に遭うほど、彼女に価値があったとは思えない!
しかも? “簡単に付き合えそうな女だからと思って俺は彼女に告白し
たのに......。”
それがこんな風にフラれるなんて!
俺は完全にどこまで行っても、ついてないよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。