表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/40

17話

みんなで休憩することになり、フードコートの席に座っていると先輩が時刻を確認する。


「あら、ちょうどいいわね!みなさん3時のおやつタイムにしましょう!」


先輩が言うと従業員の方がケーキやアイス、クッキーにジュースなどを、次々と運んできてくれる。


気づけばテーブルいっぱいに並べられていた。


「さぁ、みなさん好きな物を選んでちょうだい!」


先輩がそう言うと、みんなが喜んでいる。


だけど、それ以上に私は喜んでいた。


それはなぜかというと…。



私はケーキが大好きなんです!


他のなによりも大好きなんです!


ご飯よりもケーキを優先するくらいです!


あ、でも太ってはいないので覚えておいてくださいね!


まぁ胸もぺったんこなんですけどね…。


ははっ…。




私は誰に言うわけでもなく、脳内で勝手に盛り上がったり、落ち込んだりした。


それから先輩にお礼を言うと、さっそくケーキをいただくことにする。


他のみんなもアイスなどを選び食べている。


まずはチョコレートケーキをいただく。


んー!おいしい!最初は甘く後からほんのり苦いのがまたおいしい!


次にモンブラン!


栗の風味が最高!


さて、次はどれにしよう…と迷っていると、みんなが私を見ていることに気づいた。


みんなどうしたの?と聞くとそれぞれが言う。


「かずきほんとケーキ好きだよね!かわいいなぁ!」


「かずっちの幸せそうな顔かわいすぎるよ!」


「王子様のかわいいところ、また知れました…!」


「えぇ…そうね…。正直言うと…このまま持ち帰りたいわ!」


私は恥ずかしくなってきて顔を赤くしていると朝日が言う。


「かずき!はい!あーん!」


朝日がチーズケーキを食べさせてくれる。


んー!おいしい!


私があまりのおいしさに、腕と足をバタバタとさせると、なぜか歓声が上がる。


そして、三人もそれぞれ別の種類食べさせてくれた。


その度にバタバタさせていると、やっぱり歓声が上がる。


一周すると、なんだかみんなの息が荒くなってきているのに気づいた。


私はちょっと怖くなってきたので、あとは自分で食べるから大丈夫だよ、と伝えたのだけど…。




「え?かずきなに言ってるの?」


「かずっち冗談はやめてよー!」


「王子様…?どうしてそんなひどいこと言うんですか…?」


「ふふふ…まだこんなにあるのにだめじゃない」


え…あ、あの…えっと…と言葉に出来ないでいると続けてみんなが言う。


「かずきの大好きなケーキだよー!はい、あーん!」


「かずっち、もっと食べようねー!ほら、あーん!」


「ケーキを食べる、王子様かわいいです…あーん…」


「わたくしのも食べるわよね!あーん!」


ひぃっ…。


みんなが怖いよぉ…。


こうして、私はみんなが満足するまでケーキと恐怖を同時に味わうことになるのだった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ