2-27
短いので、連続で投稿
そんな次の日。
馬車に揺られ、"暴走老人”の家へとむかう。
議会からはそんなに離れていないようで、従者が言うには、
「あそこに見えるが、クーガー公の屋敷です。」
窓から顔をだしてみると、確かに屋敷と言うほど大きい。
馬車は門の前で止まり、門兵に書類を見せて、一言二言話をする。
門を開けてもらい、馬車な敷地内にはいった。
そのまま正面玄関の前で止まると、
「着きました。」
といって扉を開けてくれる。
玄関前に執事のような人が待っていたので、話しかけようとすると、玄関の大扉がバン!っと開いた。
「おう!お前が俺と一緒に旅するやつだな!俺はレオン=クーガーだ。よろしくな!」
そう言って、案外ガタイのいい老齢で、身なりがいい男が来た。
「初めまして。テオスト=ゴグールです。」
とりあえず、とっさに挨拶をかえすが。
「おう!じゃあ、準備もできているから、行こうか!」
「いや、おれがまだできてないって。」
テオが素で話してしまう。
「なんだ。じゃあ、いつ行けるんだ?夜になったらあぶないだろう!」
「そうですね。じゃあ、もう明日にしましょうか?」
テオとしてはモスⅢを使えばいいのだが、クーガー公と同行だから、馬車で行くしかない。
来るときに用意してなかった、毛布代わりのマントや非常食等、買い集めなければならない。
とは言え、最悪は鳥さんからフィーに話して、モスⅢで運んでおけばいいのだが。
「なんだ、急いでないのか?」
「いえ、急いではいるんですが、まさか今日行けるとは思わなかったので…。」
話しだけまとめると、この“暴走老人”のいう方が正論であろうか。
「わかった、じゃあ明日に来な。」
「分かりました。明日の午前中には来るようにします。よろしくお願いします。」
そんな会話が終ろうとしていると、屋敷内から女性が歩いてこちらに向かって歩いて来た。
「あら、すいません。せっかくここまで来てもらったのに、お茶もお出ししないで。」
上品そうな中年女性が、申し訳なさそうにテオに言う。
「いえ、こちらこそ扉前で話しを済ませてしまって、申し訳ございません。」
テオはそう言って、クーガー公を見る。その目は紹介しろよ!と言っているのだが…。
「あ~。ごめん、あんたは誰だっけ?」
そう言われたその女性は、ひどく驚いた顔をして。だがすぐに、それでいて悲しそうに軽く微笑んで。
「私はあなたの娘です、お父さん。オリーリア=クーガーです。」
『ああ、そうか。この元気な老人は痴呆症なんだ。』
テオが肩の鳥さんに目をやると、『アルツハイマー型認知症のようです』と鳥さんが小声で診察結果を教えた。
その間、レオン=クーガー公がオリーリアをしげしげと見ている。
「ああ、悪い。やはり思い出せない。」
なんだかあまり悪いように感じてない風にレオン公は言うのだが。
「でも、あんたみたいな女性が俺の娘っていうんなら、うれしいなぁ。」
オリーリアは目を見開き、涙を目に浮かべて。でもすぐ笑顔になり、目を細めたから涙が零れ落ちた。
「私も、あなたがお父さんで幸せです。」
ある方の実話が元になってます。
ここ、書きたいところでした。
書き溜め、ここまで…….。




