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2-26

数日が過ぎ、テオはモスⅢで首都に行くことにした。

事前にベニートの手の者が出ているはずで、直接首都で合流するために。

王都はずいぶん栄えていて、石畳まである。ローマの全盛期はこんな感じかと思える街並みだった。

待ち合わせ場所はベニートの王都屋敷であるが、直接モスⅢで乗り込むわけにはいかない。

高高度から周辺地理を確認、近くの森に一気に下降してモスⅢを隠す。

その後は歩いて街の守衛で手続き、特に問題なくベニートの首都屋敷に着いた。

門衛に事情を話すと、1人の男を連れてきた。

「初めまして。あなたがテオストさんですね。私はベニート様の王都内代官、ベストロ=サンボと申します。」

「こんにちは、サンボさん。テオスト=ゴグールと言います。よろしくお願いいたします。」

2人は挨拶をかわし、サンボがテオを招き入れる。

応接室で対面に話し合う。

「議会にはケーログ様も来られる運びになっていたが、議会員の予定でケーログ様が来られる前に招聘となってしまいます。」

「……え?」

「戸惑われることは重々承知してますが、どうかお願いいたします。」

そう言うと、サンボは頭を下げる。

頭を下げられてもテオもこまる。

「私はこの国の民ではありません。その私が行って、話をきいてくれるかどうか…。」

「ベニート様の代官である、私も同行いたします。重ねてお願いいたします!」

「そう言われても…。あれ、そういえば招聘てすぐってこと?」

「はい、明日の午前中になります。」

「そのケーログ様ってなんでこれないの?」

不満で敬語もなくなってくるテオに、変わらず答えるサンボ。

「ケーログ様はその…。中央議会では疎まれているからかと…。」

「そんな理由!?じゃあ、俺が行っても敵対的なんじゃない!?」

「それでも国の大事でございます。話しを聞いてくれると思います。」

「おれ、この国の人間じゃないんだけど…。」

不平不満しかでなかったテオであるが、見知った人たちを思い、サンボと行く事をきめたのだった。


ベニートの屋敷で泊って翌朝、フィーがテオの正装への着替え、勲章をつける手伝いをしていると、玄関前に馬車が用意できたとの伝令があった。

サンボが馬車前で迎えてくれる。

「おはようございます、テオ様。正装、大変お似合いでございます。」

「ああ、おはよう。これは勲章に合わせて作ったから一張羅なんだよ。」

「おお、どおりで威厳を感じられる御姿なのですね。感服いたしました!」

サンボがテオの機嫌悪くならないようにとお世辞が多い。ただそれでも悪い気はしなかった。

テオとフィー、肩に鳥さんを乗せて、馬車に乗り込む。そんなに遠くないようだが、馬車で乗り付けるのが普通とのこと。

馬車はすぐに動ぎだし、10分もしないで議会の着くのだった。


議会控室で待っていると、前の組が終りそうだから議事室前までくるようにと知らせがくる。

フィーはまってもらうとして、鳥さんを方に乗せて出ようとすると、鳥さんもダメとのこと。

鳥さんに後でフィーから外に出してもらうように話して、議事室へむかう。

扉前で待っていると程なく入れと中から声が聞こえた。

衛兵が扉を開け、中にはいる。

コの字型の机に各国の王代理だろうか、9人程座っている。台の上に机があるので、目線はテオより少し高い。

そんなに礼儀はうるさくないらしく、教わった通りの礼をする。

「ジャカン王国、外交特別大使、テオスト=コ゚グールです。皆さまの貴重なお時間をいただき、感謝します。」

『でもあんたらの国のことなんだけどな』と内心で毒を吐くテオ。

「遠路はるばるご苦労。さてジャカン王国の大使殿、この度は我国に報告があると聞いているが?」

机の端っこに座っていた者が聞いてくる。司会兼聞き役といったところだろう。

「事前に聞いているかと思いますが、報告とは、メリカ国がガタンを武力制圧しに来るということです。」

その後、司会役からほどこされたテオはメリカ国の軍船や、おおよよガタンに来航する日程、街に被害ででるだろうと説明した。

一通り説明し、テオは口を閉じる。

「テオ殿、その400人もいない人数でガタンが落ちると言うのか?」

「はい、いくら町の人口が多いといっても女子供に老人もいますので、実際の戦える人数はかなり減るかと。」

「いくらなんでも我が国の民を馬鹿にしているようにしか聞こえないぞ。ガタンには1万人を超える人がいるんだぞ!」

地球の歴史を知っているのであればそれでも危険と分かりそうなものだが、ここではその歴史がない。

「だいたい、その情報はどこから持ってきたのだ?」

中央に座るヒゲ(テオ名づけ)が重ねて問う。

「我が国の機密により、お教えできません。」

結局、説得材料がないため取り合ってもらえそうにない。とは言え、彼ら援軍を待っているのだ。

「少しの人数でも構いません、御国のために軍を動かせないでしょうか?見知った者たちが亡くなるのはしのびないのです。」

静寂が場を占めた。

幾分かして司会役であった者が挙手して立ち上がる。

「では、クーガー公に行ってもらうのはどうでしょうか?

 戦力的に問題ないと思われますが…?」

「……、ああっ、あの暴走老人かっ!」

その言葉で皆が、ああ、と納得したような顔になり、クーガー公を派遣することとして閉幕するのだった。


「いやいや、なんだよ暴走老人って!」


ベニートの屋敷に着き、テオはサンボに事の経緯を話す。

暴走老人一人だけが同行してくれることで決着と話し、気になることを聞く。

「暴走老人って何者なんだ?」

「どう行ったらいいでしょうか?

とりあえず普通に聞く話だと、大魔法使いだそうです。」

「おお!じゃあいいじゃない!

大魔法使いが同行とは心強い!」

少し間をおいてもう一度聞きなおす。

「それで、暴走老人の暴走って何を表してるんだ?」

「ええ…。

噂話程度しか知りませんが。

何でも命令を無視して大魔法をぶっ放すとか…。」

「自爆兵器かよ…。 」

テオの突っ込みも力なかった。


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