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2-18

夜、VR内データにアウロラやデータベースから色々な武器を使う強者の抜き出して、刀で訓練していると、上空からモスⅡがやってきた。

「?、なんだ?」

テオがつぶやいていると、モスⅡが着陸して扉が開く。

「あれ、このパターンって…。」

ブルネットの髪色をしたメイドが下りてきた。

メイド服を着ているからメイドだろう。戸惑っているとそのメイドが口を開いた。

「初めてお会いいたします。テオ様のお手回りや稽古相手をさせていただきます、フィーと申します。これからよろしくお願いします」

「おい、鳥さん?」

「はい、テオ様。こちらはテオ様の訓練での対戦相手…。」

「違う!おい、鳥さん。ホウレンソウ、って知ってるよな、プログラムされているよな?」

「報告、連絡、相談。上司や仲間内での情報共有のための手段ですね。」

「そう!それ!信頼関係も構築するんだぞ!」

「信頼関係が構築されていると、サプライズもいい関係への調味料と学んでいます。」

「そうだけど、そうだけどさ~。生命をこうポンポン生み出すなよ。」

「いえ、彼女はアンドロイドですので…。」

「受け答えができれば生き物に感じるんだよ、日本人は!」

「ああ、そういう情報がありますね。日本人の特色でしょうか」

「だから、もう、これ以上作ると言うなら、まず相談しろ!いいな、絶対だぞ。フリじゃないからな!」

「ああ、それは作れということになるという、日本人の…。」

「作るな!相談しろ!いいな!」

「わかりました。」

鳥さんの顔を見ても、もちろん鳥だから顔色は分からない。ため息をついてから、フィーに向き直る。

「悪かったな、無視したようで。テオスト=ゴグールだ。これからよろしくお願いな。」

「分かりました。何なりとお申し付けください。」

テオはそれからフィーの性能などに教えてもらった。

剣術はもちろん、合気道などの武術をデータで修得しており、家事やキャンプスキルもあるとのこと。

このメイドはダメ人間製造装置か何かかとテオは思ってしまう。

ちなみになぜメイドなのかと言えば、参考資料はなろう系の小説だそうだ。まあ、テンプレなのかもしれないが。

こう、微妙にテオの好みを当ててきているのはAIらしいといえばいいだろうか。

美人のメイドがドストライクだったか、テオ…。


今後は共に行動するとのことで、後々話を聞いていくことにして、稽古相手になってもらう。

ケルだけだとどうしても獣系の相手しか稽古にならないので、ちょうどいいタイミングではあった。

一番困っていた、柔術や合気道を真っ先にやってみる。

やはり、相手がいると全く違う。

技をかけたりかけられたりすると、両方の立場がわかり、理解が早い。

例えば、手首をつかまれているときに、広げた親指を起点に回転させると相手が腕を離すという基本形も、やられてみると腕が突っ張るから離すほかないと分かる。

面白くなったテオはこの日、覚えた技を色々試すのだった。


稽古を続けていくと、普段の生活で気づいたことがあった。

人の気配に敏感になったのだ。

なんとなく、後ろに人がこちらに向かってくることがわかったり。

なんとなく、横の子供が飛び出してきそうとすることがわかったり。

なんとなく、アウロラがテオと稽古をしようと手ぐすねしているのがわかったり。

これはあまり避けることが出来なかった。

さすがに達人みたいに、『むむ、殺気!』とはならないが。

もしかしたら、鳥さんやフィーがレーダなどで状況を教えてくれるので、そこにピンポイントに様子をうかがうことも訓練になっているかもしれない。

もちろん、ケルほどの感覚はないが。

アレックスのために滞在していたが、空いた時間を有意義に使っているテオとしては、全然無駄にならない期間だった。

そして、もうすぐ春がくる。


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