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ゾルタさんがガリウス達を連れて行った。ゴミはメイドさんが掃除ずみ。また、待たされている。
「やりすぎたでしょうか?」
鳥さんが聞いてくる。
「いや、助かったよ。こんなところでナイフを出してくるとは思わなかったから、とっさに動けなかったし。」
「よかったです。それと、AIの私が言うのも変ですが。私を家族と言ってくれてありがとうございます。うれしいと思いました。」
「当然だろ。500年以上たってまた会えている俺たちは、家族以上だよ。あれ、言いすぎかな?」
「私を口説いてるのでしょうか?」
「もう、最初の時みたいな口説き面接はコリゴリだ。」
笑いあっていると、オマーさんが部屋に案内しますと入ってきた。
テーブルをはさんだ向こう側のソファーにガリウスと、多分父親だと思われる若く見える貴族風の男が座る。テオはゾルタさんの隣に座る。
鳥さんは危険と思われてるだろうから、部屋に入ってすぐの上着を掛けるスタンド上に止まらせた。
護衛だろう騎士たちは、向かいのソファーの裏に並ぶ。
「こちらが、テオスト=ゴグール君です。こちらがゴスタス=オルタ領主様、そのご子息のガリウス様だ。」
ゾルタさんが双方に教えてくれる。礼儀かと思い、立ち上がって頭を下げる。
「テオスト=ゴグールです。お会いできまして光栄です。」
なにが光栄わからんが、とテオは思うもそう言っておく。
「まあ、座ってくれ。テオスト君、テオ君でいいかな?」
「はい、そちらの方が呼ばれ慣れていますので。」
そう言いながらソファーに腰掛ける。それを見計らってからゾルタさんが話しかける。
「テオ君。君はガリウス君にケガをさせたうえに、鳥さんを売らないと断ったと聞いたが。」
どんな話を聞いたんだ?と一瞬イラっときたが、ゾルタさんの言い方が俺のことを疑ってないことがわかるので、冷静に返す。
「ガリウス様がお怪我をしたのは申し訳なく思います。ただいきなり飛び掛かってきましたので、慌ててかわしてしまいました。ガリウス様はその勢いで頭をぶつけました。」
「そうですか。それは…。」
しょうがないですね、と言いたいのを我慢して、困った顔をゾルタさんがする。
「それでだ、テオ君はその鳥を売ってくれないのかね?」
ゴスタスさんが俺の目を見ながら聞いてくる。迫力ある目つきだ。
「はい。ガリウス様には説明しましたが、この鳥さんは私の家族同様なので、お断りいたします。」
「トリ―!」
鳥さんの相槌。
『やめろ、吹き出したじゃないか!』
「おい!その鳥はしゃべれるだろ!」
ガリウスが喚く。
「これがこの鳥さんの鳴き声ですので…。」
結局、特にお咎めはなかったが、壊したナイフは新品と交換として話を終えた。
その後、領主さん一行は用事がすんだのか屋敷をでていったようだ。
ゾルタさんと少しの話しの後、売上をいただき、街をでた。
それから、テオと鳥さんは村の発展に尽力して2年が過ぎていった。




