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屋台で麺類を食べる。コンソメみたいな濃い味付けでおいしい。ホテル代と飯代、まだ親への借金だ。今日、お金をもらえれば帳消しにできる。

『ニート脱却だ!』

食事後、ゾルタ商会へいく。オマーさんを見かけて声をかける。

「オマーさん、こんにちは。」

「おお、テオ様。お待ちしてました。お金の用意ができてます。ただ、今はゾルタ様が留守なのです。夕方でもよろしいでしょうか?」

「大丈夫ですよ。ちょうどアネットさんとも話したかったので。先にそっちに行ってきます。」

「そうしてもらうと助かります。では、また後程。」

話しが終わると仕事に戻って行った。忙しようだ。


孤児院につき、いつもの手厚い歓迎を鳥さんに任せて、アネットさんと話す。

「アネットさん、こんにちは!」

「はい、こんにちは、テオ。」

「昨日、ウルタさんところに牛の価格を聞きにいったんですが、ジュリとスミスを固定して手伝いに行かせているようだと思いましたので、聞きに来ました。」

「あら、こちらから言おうと思っていたのに。そうよ、あの子達はテオと鳥さんが好きみたいでね、自分達から行かせてくれっていわれたの。」

うれしいが、責任重大だと自覚する。今日もウルタさんの所に手伝いに行ってるそうで会えなかった。


孤児院をでて、まだ時間があるので市場を歩いてると、ジュリとスミスと目が合った。

「テオさん!」

ジュリがテオに飛び掛かってくる。道のど真ん中で受けとめて勢いを回転でころす。なんだ、映画みたいだとテオは思った。スミスも駆け寄ってくる。

「二人とも、ウルタさんの手伝いは終わったのか?」

「うん!今日は牛糞を集めおわったから。夕方前に小屋に連れて帰る手伝いでまた行くけど。」

「お疲れ様。じゃあ、焼き鳥でも食べるか?」

そうテオが誘うと、二人はついてきたので、5本づつ焼き鳥を買ってあげてベンチに座る。

「手伝いとか、牛にはなれたか?」

「なれた!牛さんかわいいし!牛糞もそんなに臭くなくて。ウルタさんも色々教えてくれるから楽しい。」

ジュリが楽しそうに答える。


「そうか。スミスはどうだ?」

「なれたよ。牛は優しいんだ。最初は大きくて怖かったけど、今は抱き着いて歩けるくらいになった。」

抱き着くのはどうかと思うが。まあ、順調ならよかった。このままこの二人が成長してくれれば、村の畜産は問題ないしな。

「アネットさんから聞いたけど。二人とも、うちの村に来ることになると思うけど、いいのか?」

「テオさんと一緒に行く!。問題ない!」

「僕も牛との仕事がいいから、テオさんの村に行きたいです。」

二人ともいい子、のようだ。

「テオ様、村にきていただいたら、この子たちが飢えさせるようなことは私がさせませんので、ご安心ください。」

鳥さんも情がわいてるようだ。まあ、俺の精神的負担を減らそうとも思ってるようだが。

「鳥さん、よろしくね!」

「鳥さん、ありがとう。」

二人でそろって、鳥さんにお礼を言う。

ウルタさんの所にもどると言う2人と別れて、ゾルタ商会へ向かった。


ゾルタ商店に近づくと、鳥さんが耳元で注意してきた。

「テオ様。商店の中に武器を装備した物が3名ほどいます。誰かの警護のようです。」

「誰かゾルタさんの所に訪ねてきたのかな。」

「いえ、応接室のようなところにいますので、来賓客かと。親子かと思われます。その二人を警護しているようです。」

「まあ、護衛なら。そんな高貴な方と会う用事もないし、気にしなくていいだろう。」

そんな話をしながら商店につくと、お店のひとにオマーさんを呼んでもらうようお願いした。

いきなり社長ゾルタを出せ、と言える間柄でもない。

店員が奥に消えていくと鳥さんが言う。

「オマー様も先ほどの応接室にいたようです。その部屋をでてこちらに向かってきます。」

「ああ、じゃあゾルタさんはまだ忙しかったか。」

オマーがテオ俺の前に来て挨拶する。部屋で待っててほしいと言いながら、屋敷内を先導する。

通された部屋でソファーに座ってると、鳥さんから警告?が。

「テオ様、先ほどの護衛1名と子供と思われる者が、あちらこちらの部屋を開けながらここに近づいています。ご注意ください。」

「いや、注意ったって。」

すると部屋の扉がいきよいよく開き、子供と騎士っぽいのが入ってきた。


「お前がテオか?本当に鳥を連れているな。」

馴れ馴れしく独り言を話しているようにテオは思った。

「おい、なにか言えよ。」

いや、テオに話しかけていたようだ。

「ああ、すいません。私がテオストといいます。どちらさんでしょうか?」

護衛がいるから貴族とかいうやつかと思い敬語をと思ったが、どちらさん呼ばわりしてしまった。突然だし、失礼だし。よく見ると2,3歳は年下のようだ。

「俺はガリウスだ。その肩の鳥が“鳥さん”か?」

「ええ、そうです。それが何か?」

「しゃべれるんだろう?挨拶させろ。」

なかなかに本当に失礼だが、テオは貴族と会ったことも接し方を教わったこともない。こんなものかと納得するしかない。鳥さんに挨拶をさせる。

「ガリウス様。初めまして。“鳥さん”と申します。」

棒読み風味で挨拶をした。驚いた貴族の子と騎士が目を大きくひらく。

「ゾルタの言ったとおりだな!賢い鳥だ。」

しげしげと鳥さんを見ているガリウス。騎士もじろじろと見てくる。

「よし、気に入った。この鳥を売れ。」

予想できない提案に、テオはあっけにとられた。

「えー、すいませんが、この鳥さんは私と家族みたいなものなので。お売りはできません。」

「何を言ってるんだ?ただの動物ではないか。売ってもいいと思える金額を言え。」

「ですから、お売りできません。」

さっきからテオは少しイライラしてきている。

「なんだ、言い値で買うぞ。お前や家族が贅沢できる金額を言えばいいだけだぞ。」

「その家族に鳥さんが入っています。贅沢よりも家族といる方が楽しいです。」

「その家族ともっと楽しくなればいい。血を分けた家族と贅沢するのは幸せなことだぞ。」

「あなたの鳥さんは家族ではないと言う理屈はわかりました。ただ、こちらの鳥さんも家族ですと言う考えも分かってほしいですね。」

いつまでいっても平行線だ。距離を置いて接するしかない奴だ。

「いいから、よこせ!」

そう叫んで右手を鳥さんに伸ばして飛び掛かってきた。

鳥さんは飛んで後方に。俺は左足を右足後方に回し半身になり、それを躱した。

そのままガリウスはテーブルに頭をぶつけてしまった。

「痛ってー。てめえ、いい加減にしろよ。」

それはこちらのセリフだ。ガリウスは懐から、ここで売り始めた微振動ナイフを取り出す。一瞬、お買い上げありがとうございます、とアナウンスがテオの頭の中に浮かんだ。

ナイフを持ったまま、俺に一歩踏み込んだ。ヤバい!鳥さんが!

「クアッ!」

鳥さんがそう聞こえる振動波を口から出して、ナイフをバラバラにした。見えないが説明は聞いていた。ナイフだけなのは幸いだ。

「なっ!」

驚きでガリウスの動きが止まっていると、開いてるドアからゾルタさんの声がした。

「ガリウス様、こちらにいらしたのですか。お父様が心配というので探しにきました。」

そう言いながら近づくゾルタさんはバラバラのナイフをみて、えっ!? と顔にだして、テオと鳥さんとナイフを交互に見まわしていた。


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