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一週間たって、また街に来た。
オマーさんが書いてくれた地図を頼りに、街の外にいく。牧場だ。ちょっと野性的な牛が30頭以上いる。
どこから敷地かわからないが牧場に入り、近くの人に話しかける。
「すいません、ウルタさんはいらっしゃいますか?」
「うん、坊主が何の用だ。」
「牛の購入について、相談したくてきました。テオストといいます。」
「ああ、この間オマーが言ってたな。俺がウルタだ。村に牛を飼いたいんだって?」
「はい、村に牛を住ませたいんです。」
「おお、そうか。ちっと待ってろ。今、最後の牛を出すところだったんだ。」
そう言って、牛小屋に行き、牛を連れ出す。牛たちはのんびりと草原で思い思いに立って草を食べている。
「トド村から来たんだって?あんなところで牛飼えるのか?」
「あんなところですが、牛を飼えるようにしたいと思います。」
「気に障ったらごわるいな。俺に親せきがあそこに住んでるから、行ったことがあるんだ。森を切り開いた村だから、草原もなかったよな。」
「草原と畑を、牛達とつくろうと思ってます。どちらにしても、牛がいないと。人だけでは難しいんです。ところで、親戚って誰なんです?」
「ああ、ガミルっていうんだ。息子さんは、…あんたと同い年くらいかな。」
「テオと呼んでくれた構いませんので。ガミルさんのとこならカイルかな。」
「ああ、カイル!カイルを知ってるんだ?」
そこから話がはずみ、世間話後に本題に入る。
「それで牛をツガイで買いたいのか?」
「そうしたいのですが、相場が分かりません。今日は聞きに来ました。」
「牝牛は、子牛時点で銀貨80枚位かな。牡牛は30枚位だ。」
「繁殖もしたいのですが、2頭づつのほうがいいでしょうか?」
「そりゃその方がいいが、世話できる奴がいるのか?」
「コスタ孤児院の子達に覚えさせようと思ってます。」
「ああ、それでか!アネットに相談したんだろう? 」
「そうですけど、何かお聞きになりました?」
「いや、近頃スミスとジュリのどちらかが手伝いに来るんだが、2人とも仕事にやる気があるみたいだから。テオのところで働きたいのかもな。」
「そういえば、アネットさんには話しをしてました。あとで寄ってこうかな。」
スミスは10歳位の背の高い男の子だった。ジュリは初めて会った孤児院の女の子だ。
「どっちも素直でな。」
「そうですね、私の前では騒がしいですが…。」
「私などは追いかけまわされてます…。」
鳥さんが言うと、ウルタさんが笑い出した。
「子供は元気なほうがいい!」
「ところで、お金を稼ぐまでには1、2年位かかりそうです。その後に牛を購入したいのですが。」
「ああ、構わないぞ。生まれたばかりはミルクが必要だから、それを卒業してからだな。でもオマーの話しだとすぐに買えそうな話しだったぞ。」
「そうしたいですが、僕は商人でないのでわからないです。」
「オマーもそうだがな。まあ、ゾルタさんが言ってたんだろう。」
「オマーさんとは付き合いが長そうですね。」
「ああ、同じ冒険者パーティをくんでいた。あいつは強かった。ナイフ使いでな。」
聞いてみると、ウルタさんとオマーさんは同じパーティで、ウルタさんが防衛職、オマーさんが斥候兼前衛職だったようだ。微振動ナイフを見て欲しがっていたのかも。ウルタさんは冒険者を早くに引退し、父親の牧場を次ぐために頑張っている。向こうに見えてるのが父親かな。
「ウルタ様の牧場も最初は森だったのでしょうか?森でしたらどのように開拓されたのでしょうか?」
鳥さんがウルタさんに聞いてくる。
「俺の3代前に開拓したようだ。確かに森の中に牛を放し、木を枯れさせて、開墾してここまでなったと聞いている。」
「そうですか。確かにこのあたりの気候では、草原とはいかないですね。」
「そうなのか?他のところなら草原が最初からあるのか?」
鳥さんの感想にウルタさんが疑問に思う。ここら辺は、知識の許容範囲を超えているのだろうな。
「もっと北の方に行くと、木が育ちにくい温度になります。そういうところは草原になるしかないのです。」
鳥さんの話しを多少フォローしないとと、話に加わる。
「鳥さんは遺跡であった、私の相談役なんです。物知りなんですよ。」
「なるほどね~。オマーも驚いていたからな。本当なんだな。」
と感心しきりだった。
話しを終えて、昼食を取りに街に戻ることにした。




