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アネットさんに渡された地図を頼りにゾルタ商会に行く。

大きな店構えで、扱いは小麦粉等の穀物が大きなスペースを埋めていた。ワインなんかの酒類もあった。

店員さんに、アネットさんからの紹介でと話すと、応接室に通された。少し待っていると、扉を開けて大柄な男性が入ってきた。

中肉中背だが、少し目つきがきつい。髪型はオールバックだ。

テオを一目見るなり笑われた。

「すまん。本当に小鳥を肩に止めてやってきたから。アスタ=ゾルタだ。テオスト君だね。」

「はい。初めまして、テオスト=ゴグールと申します。トド村からきました。お時間をいただき、ありがとうございます。」

「アネットから話を聞いている。物ももらってたので、妻に試させた。好評だったよ。」

「それはよかったです。うちの母がこれはいいものだから持っていけと言ってくれていたので、安心しました。」

「ははは、女性同士でわかるものなのだろうな。まあ、座ってくれ。」

「はい、失礼します。」

向かい合ってすわると、執事がお茶とお茶菓子が運こんできた。そのまま執事はゾルタさんの席の後ろに回り込んで立っている。一緒に話を聞くようだ。もしかして用心棒?

初老の白髪交じり、精悍な顔つきだ。俺の視線に気づいたのか、ゾルタさんが商会してくれる。

「執事のオマーだ。】

「テオスト=ゴグールともうします。よろしくお願いいたします。」

「オマーと申します。こちらこそよろしくお願いします。」

挨拶を済ませると忘れるところだった、うちの相談役の紹介をする。

「私の友人兼相談役の鳥さんです。」

「“鳥さん”と申します。今日はよろしくお願いします。」

頭を下げる鳥さんにゾルタさん達が目を丸くする。その後、ゾルタさんが笑い出す。

「そうか、これで2対2だ。話できいていたが、実際みると驚くな。」

「最初は孤児院の子たちも驚いてましたが、いまでは私より人気者です。」

「ふ、そうか。」

ゾルタさんの顔に優しいほほえみが浮かぶ。やはり子供好きであるようだ。


「さて、この石鹸とシャンプーを売りたいと言うことでよかったな。」

「はい。あとこちらのナイフも考えているのですが、どうしたものか、ご相談させてもらうとうれしいのですが。」

「ほう、これがそうか?」

カバンからとりだして、テーブルに置いたナイフをゾルタが持つ。

「柄の出っ張りを押すと、あらかたの物が抵抗なく切れるようになります。」

ゾルタさんはちらっとテオをみると、スイッチを入れてテーブルの端を切る。力なく切れて、欠片がコロっと落ちる。

「おお!今日は何回も驚くな。これは売れそうだが。ふん、で相談と言うのはこれのことか?」

「そうです。」

「先にこれのことを教えてくれ。この切れ味はずっと持つのか?」

「1日、短時間に2回しか使えません。それで10年程は使えます。」

「魔力の補充はいらないと言うことか?」

「いりません。魔力が入らないのです。10年たったら普通のナイフになります。」

「まあ、そういうことだよな。わかった。で、相談とはなんだ?」

「はい、私は村の開拓に牛を飼いたいのです。それが石鹸とシャンプーである程度賄えるなら、そのナイフはあまり売りたくないのです。」

「欲のないことを言うじゃないか。では、このナイフはどのくらいあるんだ?」

「100本ほどあります。」

一方的に情報を取られていることはテオにもわかるが、そのテオに力がないので、できるのは誠実に答えるしか方法がない。テオの中で、このゾルタを信用できる点がある。孤児院の経営のための寄付をしている事実だ。

「ふーん…。」

しばらくゾルタさん考え込む。

「ゴグール君、君はいくつになるのかな?」

「12歳です。もうすぐ13歳になります。」

「では両親の教育がいいのだろうな。商人というよりも人としての矜持が気持ちいいし、頭もいいようだ。知り合いもいないような街に来て、そこまでできるのだから、大したものだ。」

とゾルタさんは一人関心している。いきなり褒められて面を食らった。

「自分のしていることにキョトンとするな。初めてきた街で孤児院へ行ってアネットと会い、その性格の良さにつけ込むでもなく、誠意でつながった。そして私にも誠実に話している。アネットに信用されている私を信用するからだ。

商人だとするとあまいが、間違ってなどいない。人を信用できる者は人に信用される。まあ、素直なだけだと問題だが…。」

「すいません、多分その素直なだけだと思います…。」

ゾルタさんは笑い、オマーさんは微笑していた。

「そんなことを自分で言える奴は素直じゃないかもしれんな。気に入った。じゃあ、これらの売値を決めていこう。」

「ありがとうございます!」

そうして、石鹸は銅貨10枚、シャンプーは銅貨50枚、ナイフは希少なので、銀貨15枚と決まる。石鹸とシャンプーは村人も生産に加わればある程度の量産が可能と思われるので、村のいい収入源になりそうだ。

今回は石鹸10個、シャンプー5個、ナイフ5本を渡した。お金を用意しておくので、来週取りくることになった。


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