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ジュリに案内してもらう駄賃に、焼き鳥を全部上げた。鳥さんはジュリの頭の上に乗ったりして遊んであげていた。
そんなことをしながら、歩いて20分位で孤児院についた。"
「じゃあ、先生を呼んでくるね!」
ジュリに案内してもらう駄賃に、焼き鳥を全部上げた。鳥さんはジュリの頭の上に乗ったりして遊んであげていた。
そんなことをしながら、歩いて20分位で孤児院についた。
「じゃあ、先生を呼んでくるね!」
そう言ってジュリが建物に走り出す。鳥さんは俺の右肩に止まる。一緒に行ってもらってもいいんだが、俺の護衛だからしょうがない。
しばらくすると、まだ20代前半位の女性を連れて、ジュリが戻ってくる。先にこちらから挨拶をすることにした。
「こんにちは。トド村から来ました、テオスト=ゴグールと申します。右肩にいるのが、鳥さんと言います。忙しいところ、突然訪問しました申し訳ございません。」
「あら、ご丁寧に。私がこのコスタ孤児院の院長で教師のアネットと言います。」
「お手数とは思いますが、お話しさせていただくお時間をいただきたいのですが。」
「ええ、構いませんよ。お昼の用意は用務員のほうでしてますので。」
「ありがとうございます。」
アネットさんが俺を建屋内に案内する。ジュリもついてくる。応接室につくと、アネットのとなりにジュリが座り、対面に俺が座る。
「うちのジュリが焼き鳥をいただいたようで申し訳ございません。」
「いえ、子供は食べるのもしごとですから。12歳の私が言うのもなんですが…。」
「まあ…。」
俺が苦笑すると、アネットさんが笑う。
最初の世間話で、初めて街に来たこと話す。そしてこの孤児院のことをきいてみる。孤児院は領地主の寄付で運営されていて、いまは31人がいるそうだ。
それからは村の話しと発展させていきたいとはなした。
「今後の村では人手不足にありますので、孤児院で養育している子供の何人かは仕事をしてもらいたいと思っているのです。ただ、孤児院の子たちは将来の仕事等が決まってるかわかりませんので、お伺いしています。」
「それは願ってもないことです。人手が足りなくて当院にくる方は少ないので、大きくなってもどうするか迷う子もいますので。」
「それは大変ですね。私たちのむらでは…」
村の現状、将来の生産高アップ、畜産業の立ち上げ等の計画をアネットさんに話す。飢えがないこと、子供の面倒を見ることなど。
ただ、この計画が今年から始まっている話になると、アネットさんの顔が曇る。
計画的かもしれなくても、始まったばかりの時期に子供たちをやりたくはないのだろう。なので説明する。
「今年直ぐでなくても構いません。こちらが軌道にのってからでもいいです。それに一度、アネットさんも村に来て見てもらえればと思います。」
「わかりました。ではそれまで保留とさせてください。ただ、私がそちらの村に行くのは、日程的に難しいと思います。」
(あ、日程は気にしないでください。半日で往復できるようにしますので。」
「あなたはドラゴンを買っているのですか?ドラゴンライダーなのですか?」
驚かすような言い方をしたので(多少意図的だが)、ドラゴンと考えが行きついたようだ。と言うか、ドラゴンってやはりいるんだな。
「いえ、そうではなくてですね。私は今年、古代遺跡を見つけてまして。その中に高速に動く飛行船を持ってきたのです。2人乗りですが。」
さらに驚いた顔をするアネットさん。ジュリは鼻からフンスっと息をだして俺を見ている。
「ドラゴンではなく、この鳥さんを飼っていますが、これも遺跡から連れてきました。証明になるでしょうか?」
鳥さんをみると、頷いてしゃべりだす。
「アネット様、確かに私は遺跡からテオ様に連れてこられて、仕えています。一度、村に来ていただきたく、どうかよろしくお願いいたします。」
鳥さんが頭を下げる。ジュリがク~!っと叫び声を我慢している。もちろん、アネットさんも目を見開いている。
「腹話術?!」
え!?と思って鳥さんをみる。鳥さんも俺をみた。そうか、そう疑うこともできるか。鳥さんに目で合図をすると、ジュリの頭に乗る。ジュリは嬉しそうだ。
「では、私はここから話に加わります。ジュリさん、よろしいでしょうか?」
「うん!」
ジュリが笑顔で返事をする。アネットさんがやはり驚いている。
「すぐに信じてほしいとも言いませんし、すぐに村に来てほしいとは言いません。また何回かきますので、気持ちの整理がついたらお願いします。」
俺が頭を下げると、鳥さんも頭を下げる。慌てるアネットさんがかわいく見えてきた。
「わ、わかりました。とりあえず、保留とさせてください。」
この件はこうして様子見になった。そして、差し当たって聞きたいことを聞くことにした。
「遺跡の品や遺跡の技術で作ったものを売りたいのですが、どうすればいいか、考えをお聞きしたいです。」
「そういった品物を?あ、それよりなんで行商の真似事みたいなことをしたいのですか?」
「うちの村には牛などの家畜がいないから、購入したいのです。家畜がいれば森の開拓や畑仕事も楽になりますし。あと、売りたい商品はこちらになります。」
カバンから、石鹸、シャンプー、微振動ナイフを取り出す。石鹸、シャンプーは母が街で売れるというので持ってきた。それらをアネットさんに説明していく。
「どれも変わったものですね。あなたが直接売るのは難しいと思います。信用がないですから。私に目利きの才能はありませんので、私たちの孤児院に寄付をしていただいている商人の方を紹介することでよろしいでしょうか? 」
「そうしていただくととても助かります。ただ、今日はこの街を見学に来た程度なので、急がなくて結構です。来週位なら大丈夫でしょうか?」
「ああ、そうしていただくと。この品物はお借りしてもいいですか?」
「はい、大丈夫ですよ。ただ、ナイフが危ないので当日に持っていくようにします。アネットさんには石鹸とシャンプーをあげますね。」
「あら、ありがとう。じゃあ、来週にもきてください。」
「わかりました、ありがとうございます。」
石鹸をもう一つづつ出して、ナイフをしまうと、アネットさんが聞いてくる。
「あなた、本当に12歳?うちの子たちでもそんな話し方をしないわよ。」
「もうすぐ13歳になります。でも、そうですね。色々な大人に教わることが多かったので、こうなったかもしれません。」
前世のおかげと言えないから、とは言えない。
「じゃあ私は子供達に尊敬されてないってことかしら。」
いたずらっぽくアネットさんが聞いてくる。
「尊敬されていると思います。私もこの短い間で尊敬しました。ただ、アネットさんは、失礼ですが、可愛らしいので…。打ち解けてしまうのでしょうか?」
「話半分で聞いておきますね。」
大人の余裕でアネットは聞き流した。
「では今日はこの辺で。来週にまた来ましょう。テオ様、よろしいですね。」
「そうだね。アネットさん、ジュリちゃん、また来週に来ます。」
テオは二人に挨拶をして部屋をでると、外で何人かの子供に囲まれた。鳥さんが人気のようだ。少しのつもりだったのだが、入れ代わり立ち代わり子供がくるので、日暮れ近くまで一緒に遊んでしまった。
孤児院をでて、門までくると、門番の人に今から街を出ることを心配されたが、来週来ますといって街を出た。
モスⅡで帰る途中、テオは先行投資で両親にお金を借りなければと考えていた。




