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そうして気兼ねなく鳥さんと話せる機会を小屋内でつくる。この下準備からDIYとは中々のハードモードなのか。

「いくつかの報告と提案があります。」

ある夜、鳥さんがテオに話しかける。

「ああ、一か月も見て回ってたからな。聞こうか。」

「まず報告です。私はかなりこの村の言語を覚えました。日常会話は問題なくできる程度です。」

「さすがAI。よくやった!」

「ありがとうございます。それで他の人にも会話をしていいものかと。」

「う~ん、隠してもやりにくいから家族内から徐々に会話していこう。それから村人たちに。ただ、自分から話しかけるのはやめてもらおうか。」

「わかりました。ただ、私の主人はテオ様なので、基本的に私から他のかたに話すことはありません。」

俺が頷くと、話をつづけた。

「次に魔法ですが、テオ様の話しだとこの星を離れたツバメ艦内ではすぐに魔力切れをおこすと前に言われてました。そのことから、多種多様な測定器を働かせて、大気や土中、水中など調べてました。

結果として、土中・水中にラセン状に動く物質、生命体と推測できるものを多量に観測しました。」

「え?なにそれ?ちょっと怖いんだけど。」

「分子レベルなので、気にしないでください。これが魔力の元かと実証するために、この星から持ち込まれた物を分子分解をほどこし、これを取り出すことに成功しました。ただ、取り出して集めておくと活動を停止します。土に入れても活動再開しませんでした。運動エネルギーが必要なのかとの推測を基に、水槽内の水を攪拌させ、その中に入れたところ、活動を再開しました。」

「だから生命体なのでは、と言うのか?」

「そうです。またこの未確認物質、生命体が魔法の元ではないかと推測していますが、私では使えません。前にご提案した魔石を入手していただければ、私も似たようなものが作れるかと考えます。また、この物質・生命体の量の多さが魔法の強さに関係しているのであれば、私で調整可能と推測します。」

「面白い話だな。早く魔石を入手しよう。しかし、あれ、高いらしいんだよな…。」

「でしたら、ツバメ内にあるものを大きな街や王都で売って、そのお金で魔石を買ってはいかがでしょう?」

「やっぱり、そう思うよな。近いうちに街に行こう。魔石を買って、ツバメが分析して魔石を作れたら俺も助かるし。」

「お願いします。」

「ついに俺もも街デビューか。王都デビューはその後だな。東京デビュー前に横浜、いや川崎デビューみたいな。」

「たとえがよくわかりませんが、デビューしてください。」

と冷静に鳥さんが受け答える。


「最後に農業についてです。」

と鳥さんは提案を始める。

「基本的に、地球の発展段階と違います。土は鍬で耕すのに、種まきは風魔法ですぐ終わらせる。麦は風魔法で直ぐ刈るのに麦束は手で集める。

この中で一番重労働は耕すことと思われます。家畜、特に牛による耕しを提案します。

また、牛による森の開拓と畜産分野への進出も同時に行うことも提案します。」

「そうか、俺は人が耕すより機械でとおもったが、オーバーすぎるしな。牛なら速そうだ。で、開拓と畜産とは?」

「牛は木の葉も食べます。それで森の木々を枯れさせ、根を牛と共に抜き、また畑にする。乳製品、牛肉も手に入ります。」

「基本方針はそれでいいな。いや、だいぶいいな! と、なると牛の入手方法か…。」

「そちらはテオ様にお任せしますが、この周辺には牛のような生物はいないようです。」

「ああ、これも街に買い行ってドナドナだな。まあ、どこかにいればさらってくるかな…。」

「野生の牛を飼いならすのは大変かもしれません。ツガイで子牛からでもノウハウを持った人が必要かと。」

「うわっ。考えてみれば大変だな…。」

「ええ、ある程度こちらの手の内を出していかないと難しいですね。」

「そうだよな。じゃあ、今はこの村でできることはないのかな。いや、あった!」

「肥料のことかと思います。開拓地なので、土壌に栄養素がありますが、なくある一方です。応急策として、ツバメ内で肥料をつくっておきました。見た目は砂粒に見えるようにしてあります。風魔法であれば1日で巻き終わるでしょう。」

「ああ、ありがとう。明日早速まいておこうか。父さんに言っておこう。」

現状の打破に関してはここまでの話しが進んだところで、ここ何日かで思いだしたことがあった。


「なあ、村を豊かにするって時に考えた。マヨネーズとか醤油、ソース、ミックスして焼き肉のたれとかあるよな。それをここでも作れないかな?」

「急に話を変えますね。確かに大量に作って少量販売すれば利益率はいいと思いますが。」

「だよね!元日本人とすれば醤油からがいいんだが。確か大豆を発行させて絞ればいいんだよな?」

「正確には、大豆と小麦と麹、塩水で発酵・熟成し、圧搾して取り出します。保存するなら火入れも必要です。」

「そうか、醤油だけでも村にかかわる産業になるんだな。じゃあ、まず醤油作りからだな。」

「簡単に言われているので、どこからツッコミを入れるべきか迷ってしまいますね…。」

鳥さんがため息をつく。鳥なのに。

「まず、私が手伝って麹を作ることは前提として。人と道具と知識と経験がありません。麹がありません。お金もありません。ないものずくしです。」

「わかってるよ。とりあえずはお金だね。」

短期間にお金を集めるには高級戦略でいくしかない。単価の高いものを如何に安く手に入れるか、作れるか。

その点、ツバメがいるテオには好都合だ。遺跡から持ってきたといって、ツバメで作ったものを高額で売りつけるコネがあれば何とかなりそうだと考える。

その話を鳥さんに話していると、先の話しになるがとのことで、提案してきた。


「醤油が作れるようになりますと、搾りかすは家畜飼料にも使えます。また、生醤油から浮く油を集めれば燃料にも使えますし石鹸なども作れます。ある意味、

そこまでいけば、副産物がないものづくしの解決策にもなると思われます。」

「すごいな…。一つのことが枝葉に広がっていくのか、多くのことが一つにつながっているのか…。」

感慨深くテオは考える。ずいぶん先のことまで夢描いて。

いわゆる、人・物・金を集めて。それらの力で予定を実現していく過程である。

「やることが山積みですね。」

「わかってるって。とりあえず明日は肥料をまくことから始めよう!」

「取り急ぎ、これで生産高は大幅アップになると思います。畜産が始まれば肥料問題は解決することになります。天災がない限りですが。」

「天災まで気にしていたら農業もできないさ。じゃあ、もう寝るよ。」

「おやすみなさい、」

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