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家に帰ると、まだ父と弟は帰ってきておらずに、家の裏で母がタライで洗濯をしていた。

「まあまあ!お帰り!よかった!無事で帰ってきて…。」

「ただいま、母さん。遺跡に行ってきたよ。」

「行けたのね。よかったわね…。ずっと言ってたもんね…。」

母が涙ぐんでいる。それからふと俺の姿を上から下まで見て、

「なんだかこざっぱりとしてるわね、髪がさらさらだし。それに服も渡したマントも違うのね。」

「遺跡で色々あったんだよ。あ、これ母さんにお土産。手洗いなんかに使える石鹸と、髪の毛洗うシャンプーってやつ。」

石鹸、シャンプー共にこの時代で作れる重曹を利用したものだ。石鹸は固形にしたからいいが、シャンプーは液体なので、水筒代わりの革袋にいれてある。

「あら。このシャンプー?を使えば髪の毛がテオみたいになるのかしら?」

「最初は何回も洗ったけど…。泡が出るほどになれば髪の汚れが落ちてこうなった、みたいな?」

「なんで断言しないのかしら。でも、うれしいわ。ありがとう。」

「遺跡の話しは皆が帰ってきてから話すよ。何回も言うのは面倒だし…。」

そう言ってから、村長宅とガタンにより、ソシルとカネッツ・ライルに会いに行った。


家に帰るころには日の暮れ始めていた。思ったより時間をかけてしまった。

「ただいま~。」

「おかえり。」

母が言うと、父や弟も俺を見る。

「テオ、無事に帰ってきてよかった。母さんから聞いていたが、元気そうだな。」

「兄ちゃん、おかえり!遺跡に行けたんでしょう?どうだった?」

テオストが話す。

「うん、遺跡が快適だったから。あ、もうご飯できてる!」

「さあ、話は食事のあとよ。席に座って。」

母が言うので、俺も席に座り、食事をする。

食後に遺跡の話をすることになったが、一部は伏せることにしてある。家族でも全てを話せばどうなるかわからないところもあったからだ。

「ツンデ山の近くに、夢で見た場所があったんだ。そこから馬車位の乗り物に乗って、空の上の飛行船に言ったよ。中は人の形をした金属が世話してくれた。

食事を作ってくれて、あと魔法みたいにこの服をつくったり、剣を直してくれた。」

基本的に、体験した事象のみ説明する。

「飛行船で一週間程いて、お土産つくったりしてた。それから村に帰ることにして、地上に降りてきた。その時、飛行船からこの鳥をもらったんだ。」

皆が鳥をみる。鳥が頭を下げる。

「えっ!」

「なに!」

「わ、あったまいい~!」

皆の反応に満足して、話を続ける。

「この鳥は俺の護衛でくれたんだ。“鳥さん”って名前つけた。」

「トリー!」

鳥さんが鳥っぽい鳴き真似で、トリ―と泣く。設定上、鳥さんの名前の由来である。目をそらして笑いをこらえた。

「その後、遺跡をでて少し歩いてたらすごい音がして、遺跡が爆発した。なんでかわからないけど、今はクレーターになっているだけだ。」

「なんで爆発なんてするんだ?」

それは皆、そう思うだろう。でも答えを用意してない。

「わからない。クレーターに行って、1日中愕然としてた。もう、あそこに行けないってことだから。まあ、それでもここに帰る場所があるから帰ってきた。」

「ふ~ん。なんだろうな。」

そこらへんで話を切るために、お土産をもってくる。

「父さん、もらった剣と同じようなものを飛行船で作ってもらった。何かの時に使えるかもしれないから。あと、軽くて丈夫な鍬。これがお土産。」

「剣って。ああ、テオのより長尺だな。おお、この鍬、軽いな。本当に丈夫なのか?」

「明日から使ってよ。あと、コネ。刃を入れてない剣。これはカイルたちにも渡してきた。」

「ありがとう、にいちゃん!大事にするよ!」

2人とも嬉しそうだ。これなら俺のお願いも通りやすいだろう。

「ところで父さん。お願いがあるんだ。」

「聞こうか。」

父が真剣な顔を向けてくる。

「俺は遺跡の中で、畑仕事のこと、それ以外の勉強をしてきたんだ。今、なにが使えるかわからない。あと、石鹸作りも練習した。離れに俺専用の小屋を作りたい。その中で、

色々物をためしたり、実験をしたい。」

「ほう。そうか。……どうかな、母さん。」

「テオ、その石鹸やシャンプーも作れるの?」

「その実験もしたいと思ってるけど。」

重曹の作り方を聞いて、ここでもできると“知っている”が、まだ試したことはない。

「じゃあ、作ってもらいましょう!石鹸って汚れが落ちてとても助かるわ!」

「母さんがそう言うなら。まあ、俺も反対ではないしな。」

「ありがとう!一か月で作ってみるよ!」

「えっ?!そんなすぐできないだろ?」

「いや、俺にはこのナイフがあるから。」

と言って取り出したのが、微振動ナイフだ。これでスイッチを入れて椅子のかどっこを切って見せる。

「何してんのよ!」

「なんだこれは!」

「すごっ!」

母は怒り、男共は驚いた。本当はツバメに設計図作らせたり、資材を入れる予定だ。


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