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ツバメ艦内に入った。

鳥が先導する。この船には設備や機器の他に、自室と艦橋とリクライニング室兼談話室がある。

ツバメは俺を談話室に連れてきた。テーブルと椅子があり、俺が椅子に。ツバメがテーブルに乗る。

光景的には面白い絵だとテオは思った。

「505年の間、ここで何があったか聞きたいが、まずは俺から話さなきゃだな。」

と一呼吸入れて話し始めた。

「俺はこの星で生まれた。この星では、テオスト=ゴグールと名付けられている。そして、俺が8歳の時のある日。家の屋根修理していたら、足が滑って麦山に落ちたんだ。その時に、頭を打ったらしい。自分がワタルだったと“思い出した”。まさしく思い出したんだ。

それから幾日かすぎて、ツバメ、この船を畑仕事中に見つけて、いつかここに来ようと決心した。これが4年前。

その後、色々鍛錬や堅実や魔法を勉強して、あのモスまで行ける術を身に着けた。そして昨日、やっと見つけた。

こんなところかな。」

「色々と端折ってるようですね。ただ、今の話しで確認したいのですが、魔法と言うのはなんですか?この星独特の文化、文明でしょうか?地球にはないですね。

また、生まれ変わりと言われますが、地球人がこの星で生まれ変われるものですか?」

「魔法とは、言葉通りに地球で言う魔法そのものだ。やってみるか?」

「お願いします。私には傷つけないようにお願いします。」

「そうだな。じゃあ、ファイヤーをやってみる。」

そういうと、テオは指先から炎を出す。

「おや、まて。体からすごい魔力が抜けていくぞ。やめやめ。」

「終わりですか。あなたから確かに何かエネルギーが出されて、火をつけたようです。興味深いです。後程精密検査室でもう一度実演願います。」

「いやいや、すごい疲れたぞ。今日はやらないからな。でも、あの星ならもっと長くできるんだけどな。あの星になにかあるってことかな?」

「その話が本当ならば、あの星自身に魔法へのエネルギー供給システムがあると?私のすべてのセンサー類に入らないものと言うことになります。やはり、興味深いです。」

「俺を解剖とかするなよ。それと生まれ変わり、輪廻転生か。これは俺もわからない。地球でもあると言われても科学の証明が追い付かないからな。

ただ、俺も考えたんだ。もしかしたら重力が魂をその星に縛っているから、俺はこの星で生まれ変わったんじゃないかって。」

「仮定としてもあり得ますね。あなたがうまれ変わりであるなら。わかりました。あなたを83%まで信用させていただきます。お名前をワタル様とおよびしても?」

「今の俺はテオスト=ゴグールだ。テオと呼んでくれ。」

「わかりました。ではテオ様。残りの不確かな部分は私がこれから話す内容を理解できるかで判断します。よろしいですか?」

「いいぞ。つまり、おれが死んでからの間を教えてくれるってわけか?」

「そうなります。

ワタル様が亡くなったとき、こちらではすぐにわかりませんでした。大気圏外から1人の生命反応を確認するのに、体温で行うからです。

また、もう一つ理由があります。あの当時、モスは地中に隠れることにしたためにセンサーが高精度に働かなかったからです。

ワタル様が突然亡くなったため、その瞬間がわかりませんでした。そして、海に入って行って体温が下がっていき、突然消えました。

もしかしたら、何か大きな生物に捕食されたのかもしれません。」

「うわぁ。そんな死に方いやだなあ。まあ、遅いけど。」

「ワタル様の命令で、資源を集めておけというのがありました。そのため、この星以外の小惑星などから資源を集めて、原子分解、分子加工、船体の改装、この作業を505年間してました。」

「うん?この星に降りなかったのか?まあ、往復はすごい燃料を使うだろうけどできなくはなかったよな?」

「確かにできなくはなかったです。ただ、ワタル様が捕食されたことを鑑み、私は武装する必要を考えました。武装用資材を作り、船内・船外に武装を装備しました。

もともとはワタル様救出の目的もあったのですが、100年を超えたころにはどうするかは地球からの指示が来るまでは保留になってました。」

「まあ、地球からの指示はここまで来ないだろう。あれ、緊急マニュアルでは確か…。」

「死亡が確認され次第、地球に戻ることになってます。今回は難しい判断でした。505年たっていると死んでいると思われますが、家族などがいる、できた場合はその家族を守ようにとされています。」

「500年もたっていれば、家族ではなくて子孫だけどな。しかし、まあ…。」

テオは居住まいをただし、頭を下げる。

「俺を待ってくれて、ありがとう。505年も一人でいたって聞いたときはすごいうれしかったよ。」

「いえ、私たちAIが人間第一主義のため、決断できない状況だっただけです。融通が聞かないプログラムにしている方にお礼を言ってください。」

「……。おまえなぁ、俺がお礼を言っているのにその対応は無いわー。

まあ、ツバメだし、こんな感じだったか。」

「私にどういう対応を望んでるかは推測可能でしたが、事実を伝えるのが我々の我々たる所以ですので。」

テオが笑い出した。鳥はその顔を見ている。

「さて、どうだ。俺は元ワタル様でいいのかな?」

「ワタル様と確信しました。以後、テオ様を主人として仕えます。」

「ああ、ありがとう。じゃあ、せっかくだから贅沢に湯船に入って、そのあと飯にする。かつ丼を用意してくれ。」

「わかりました。調理装置は動かしてませんでしたが、整備は万全ですのでお任せください。」

「ああ、頼むよ。久しぶりの地球の食事だ、楽しみにしてるよ。」

そうして、テオストはまた、ツバメの持ち主になるのだった。


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