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進め!病院探検隊 -結成編-

第4話改です、後半にかけ初期状態では時間的にカットした部分+調子こいていろいろ詰め込んだ部分が入ってきます。

【馬久瑠医院1階 待合室】


『謎の少女の語り』


もう何十年も前だったかな?

ある事件があったんだ…

将来を有望視されてた若き名医がいたんだって…。

技術だけじゃなくイケメンで患者に優しく裏表もない、まさに完璧超人!

クロス●ンバーはしないけど兎に角凄かったそうだよ?


そんな彼が転落人生真っ逆さまになるとは、だれが予想できたであろうか!いや、ない!

都会にあるでっかい病院で院長にまで昇りつめた彼は当然敵も多かったんだ、ひぃぃ…

馬鹿正…こほん、生真面目な彼はそれでも笑顔を絶やさずどんな患者にも手を差し伸べた。

損だ無駄だと罵られても彼は頑張った…医者の鑑だねーうんうん。

でも現実は辛いよねー、酷いよねー、怖いよねー。


院長先生といっても一番偉いわけじゃない、更に上からも目をつけられたから、さぁ大変!

病院は慈善事業じゃやっていけない…こう、真綿でじわじわと首を絞めるように、

彼は追い詰められていったんだ…これでもかこれでもかえいえい!


理想と現実の差にフルボッコに打ちのめされた彼にも一人だけ味方がいたんだ…

深窓の令嬢ってやつ?彼の患者でもあったんだけどお前は聖女か!?ってくらい慈愛に溢れていたとか…

彼の溜め込んでたモノを全て受け止めてたんだ…変な意味じゃなくてマジデ、マジデ。


主治医と患者の危険なラヴロマンスとくれば…当★然★出来ちゃうよねー、だよねーやっるぅー。

何てことでしょう!その深窓の令嬢さんはイイとこのお嬢様でかつ病院に出資している

偉い政治家のお孫さんだとかで、可愛い孫娘を信用できる病院に預けたら傷物にされて

そりゃぁもうしっちゃかめっちゃかの大騒ぎ!


そんな餌に食いつかないマスコミはいないわけで…

主役の二人はそこにいられなくなっちゃって

最終的に二人とも片田舎の古びた病院に押し込まれたんだよねー!ぎゅー!


それがここ、戦時中から現役の格式高いボロ…時代を感じさせるお洒落な病院、

その名も馬久瑠まくる病院なのでしたー!(ぱちぱちぱち)


ナレーションモードが終了したようだ…


「っと、ボクが知ってるのはこんな感じかな、わかった?超わかった?」


「話の所々で変なセリフ混ぜ込まれると話が重いんだか軽いんだか…」

俺はこめかみを押さえながら目の前でぴょんこぴょんこ跳ねてる、

大き目の野球帽を被った長い銀髪の少女に言った。


「まぁ、大体わかった…あの抉れ顔がその完璧超…じゃない、名医ってことか…」


「ピンポーン!でね、でね、その話にはまだ続きがあってさぁ…聞く?聞きたい?聞くよね?」


「あーはいはい、分かった時間もないから手短にな…」


このうるさいちびっこは、俺があの抉れ顔に首を折られ、死ぬ寸前にひょっこり現れ、

この病院の待合室にどうやったのかは知らんが連れてこられていた。

何故か折れたはずの首も治っている…色々と思案したいところではあるが、

余程暇だったのかこのちびっこ…自称物知りさっちゃん(本名不明)

俺と同じ巻き込まれたクチらしいが…俺の質問攻めよりも先に、

訳知り顔でマシンガンのように重要な事をくっちゃべるため耳を傾けるので精一杯だ…


「そんでね、そのエグレ警部じゃなかった…エグレ元医院長…エグレ…でいいや!」


ちょっと奴が不憫になったがまぁいいだろう…

さっちゃんの言うことを俺なりに頑張って噛み砕いてまとめると…


田舎町の片隅に追いやられたエグレ夫妻は、前向きに考えたらしく、

この地で一からやり直そうと努力したそうだ、


田舎町の人たちの評判も良くそこそこに順調だったらしい。

だけど、元々体が弱いうえに身重になっていく奥さんは無理がたたって寝込むことになった。

最新の医療機器もないこんな田舎では奥さんも子供の命も危ないと感じた奴は

勤めていた病院や彼女の祖父に打診し救いを求めたそうだが…結果はまぁあれだ…

奥さんか子供かどちらかの命の選択を迫られた奴は奥さんに懇願され子供を選び

奥さんは出産と共に息を引き取ったらしい…


その日を境に奴は変わった、以前の優しさや思いやり等を捨て、

効率を重視する強引な治療をするようになったということだ…

町の人も事情を知ってかつ、唯一の医者が奴だけなので文句を言うものはいない。


奥さんを失った悲しみからか子供には辛く当たっていたらしい…

小さい頃から英才教育を施していたとも言われている…

まぁ、そこまではよくあるパターンといったところか…

やがて奴は益々おかしくなった…何故かって?


「奥さんを甦らせようとして黒魔術に手を出しちゃったんだよねー!タンジュンー!」


俺が頭の中で整理をしてるのが気に入らないのがけたたましく突っ込んでくるさっちゃん


「まぁ、愛するものを甦らすってんなら黒魔術っぽいこともやっちゃうんじゃないかな…」


奴の狂った言動を思い出しながら多少同情しないわけではないが…

でも現に化け物になってたし、この変な状況は?むしろ俺の記憶がないのは…うーむ謎だ。


「違う違う!ぽいじゃなくて、ガチで本格的!5つ星シェフもお勧めする位の出来だったんだよ!」


困惑する俺の周りをぴょんこぴょんこ跳ねまわりながら、さっちゃんは言った…


「本格的って…エグ…奴はただの医者だろ?何でまた…」


「んふふー!知りたい?正解はこの病院が元々黒魔術のために建てられたからでしたー!むふー!」


正解を自分で言いながら満足げだ…っておい、どういうことだそりゃと思う…


「ここね、戦時中に怪我人とか病人とかを使って黒魔術を実験する研究施設だったんだって!

 そんでねそんでね、偽装も兼ねて病院として運用してたんだけど手違いがあったらしいの!」


「手違い?なんかこう魔法陣間違った的な?」


「んーとね、手順もタイミングもばっちりで素材も3割増していい塩梅だったらしいんだけど…」


「だけど?」


「元々の管理者、つまり術者がね儀式の途中で怖くなって逃げたらしいの!ムセキニンー!ぶーぶ ー!」


「でもそれなら何もって…まさか誰も知らないし知られてもいけない様なものが出てきたとは言わないよな?…悪魔なんてこの世に…まさかね…」


ちらりとさっちゃんを見ると…いかん目をきらっきらさせてる…


「大正解ー!冴えてるー!どんどん・ぱふぱふー!

 でね、お通じがやっと来たみたいに、ぽん!と出てきたのはイイんだけど…」


さっちゃんがきょろきょろと見まわすジェスチャーをする

悪魔召喚を便秘みたいな表現とは…変わってるな。


「えっとね、召喚するには、

いらっしゃいませーって儀式と

ようこそおいでくださいましたーって挨拶と

これお願いしますーって交渉と

お仕事ご苦労様でした、これが報酬ですお気をつけてお帰りくださいーって

お楽しみのご褒美タイムが必要なんだけど…」


なんか真っ黒な内容を交通費支給の日雇いのアルバイトみたいな感覚で言われるとあれだが…


「招かれてやってきたのはいいが、仕事の内容も聞けなけば、

 帰りの交通費ももらえなかったと…」


「すごいすごい!、そのとーり!にーちゃんも悪魔将…博士になれるよ!」


髪の毛の先っちょを尻尾の代わりにパタパタ振っている…どうやってるんだろう?


「はいはい、じゃぁ物知りなさっちゃんに質問だが…」


「はいはーい!ばびゅんとしゅびびんと答えるよ!」


俺の膝の間に背中から割って入り子犬のように見上げて俺の言葉を待つさっちゃん


「この病院で起きてる不可解な現象ってソレのせいかな?」


「半分はそうかなー?

 招かれてー、用意されてたご飯食べてー、暇になったから寝ちゃってー

 起きてからやることなくなってー、お腹すいたけど家にも帰れなくってー…」


さっちゃんは指折りしつつ説明してくれる…ほんとに何者なんだか…


「そうしたら今度は外のことが気になるはずだよね?ね?」


まぁ…人間レベルだと想像もつかないが…多分、


「その子は魔法陣のある所からそんなに離れられなくて…

 だんだん小腹がすいてきたから

 最初は少しづつ、少しづつ大切に大切に餌を誘導してぱっくんちょ!

 マナーもしっかりキャッチ&リリース!…」


リリースって…ああ、恐怖心を与えてそれを食べてたと…あ、はい…

そうですね、乱獲したらいけないよね…さっちゃんの説明を聞きながら

そんなのがいる病院って詰んでるんじゃ…とか思う…


「でもそれが出来なくなっちゃったからさぁ大変!」

さっちゃんは大げさに手を広げるジェスチャーをする


「大変て何が?町の人に気付かれたとか…?」


「今の医院長のエグエグがねー元管理人の黒魔術の書を見つけちゃってー

 改造がびふぉーであふたーしちゃうんだ」


「エグエグって…魔法陣を改造とか?」


「そーそー!そんな感じ、これがまたえぐいんだーエグエグだけに!(どやぁ)」


「はいはい、どう見ても外には出れない仕様のようだしさっちゃんと俺以外誰も…」


最初にいた場所に大部屋いくつかあったしあの女性…はどうなっただろう…


「町の人間一人残らずここに詰まってるんだよねー、

 そのせいで来訪者が激減、おかわりできないのー!」


「は?町の人間全部?うそだろ?」


「まず入院患者を餌に連鎖的に引き寄せてー、残りもうまく誘導してー

 全部殺してエネルギーにしちゃったんだ!、もったいないよねー!

 魂が砕けちゃったら再利用もできないしー、残りカスのゾンビじゃつまみにもならないしー!

 何考えてるんだろーねって感じー!ぶーぶー!」


ゾンビ…あの部屋の中とかあの女性も?でも何で…そんなことを?


「俺…そんな中で寝てたのか…よく無事だったな…」


体が恐怖で震えてくる…ちらりとさっちゃんを見たら何故か目をそらした…

俺は院長室に…むぅ、何かが分かりそうなのだが頭の中に靄がかかったように思考がまとまらない。


「なあ、さっちゃん…ひょっとしてだけど…魔法陣の場所って…」


「んー、今はエグエグの部屋かな?地下のは埋められちゃって殆ど機能してないみたいだし?」


二つあったんかい…まぁ、機能してないならメインは院長室一つか…

それをどうにかすれば俺の記憶も戻ってここからも出られて…だといいんだが、

俺は意を決してさっちゃんをじっと見る…


「ん?なになに?、ボクに愛の告白?でもダメ!まだ清い体で…にゃ!?」


「ちゃうわ!」


ボケるさっちゃんにチョップをかました俺は…


「奴の魔法陣…とりあえずぶっ壊したいんだけど、手伝ってもらえないかな?」


見た目、物騒な案件を小さな女の子に協力要請する間抜けな絵面だが…

さっちゃんは只モノじゃない…よな…うん、

とりあえず奴は、さっちゃんが言うには「待合室」には来ないらしいし

そもそも外にも出れないとさっちゃんが言ってたし…ここにても現状は変わらなさそうだし、

院長室…そこの魔法陣を壊せば何かが変わると俺の直感が言っている…


ちらりとさっちゃんを見ると…ものすごく挙動不審にうろうろとしながらこちらを時折見ていた


「んー、どっしよっかなーこう見えてもボクはとってもいそがしいしなー(ちら)

 にーちゃんがどうしてもって言うならー…やぶさめ…やつはか…やつはし?(ちらちら)」


「やぶさかではない…か?」


「そう!それ!まぁ、いっかなー時間もないしー退屈だしーご褒美もほしいしー(ちらちらちら)」


「はいはい、成功したら何でも言うこと聞くってのでどうか…」


財布も記憶もない…子供相手なら後で有耶無耶にできる安っぽい報酬を提案すると…


「MAJIDE!?…それってお願いだよね?命令だよね?ボクの協力が必要なんだよね?

 うんやる!超やる!すごくやる!骨までしゃぶる!」


めっちゃ食いついた…まぁ、場所にも詳しそうだし助かるかな?

奴と取っ組み合いは避けたい、なにせ人の首を簡単に折る奴だ…

さっちゃんは戦闘は無理そうだしな…それは俺が護ってやらないと…


「命令ってのとしゃぶるのは…なんか違うが、お願いだ、頼りにしてるよさっちゃん!」


がっしりと握手!…からの指切りに強引に変更された…


「ゆーびきってげっだーん!嘘ついてーもそうでなくてーもたーべる!くびきったー!」


なんか俺の知っているのと違うがまぁいいか…


「だいじょーぶ!だいじょーぶ!マッドシップに乗ったつもりでさっちゃんにおまかせあれー!」


「お…おう、」


なんだろう…とてつもなく不安になってオラガクガクしてきたぞ?

嬉しそうに柔軟をしているさっちゃんを見て思った…





おかしい…ホラーをホラーを書いてるつもりが…脳内ホラー修正必須ということで一つ…

ちょこちょこ大改修を行ってます。次回は…まぁ酷いかも…

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