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病院ではお静かに

第3話改です、改めて見直すとセリフの繋がりとか流れがかなりおかしかったので、いっそ没展開全部入れてしまおうかと大改修しました

【古ぼけた病院3階 最奥の病室】


「おい…夢なんだろ?早く覚めろよ…」


いくら夢でも名前も何も思い出せないって…そんなことってあるか?

頭がおかしくなりそうだ…


「クク…ク、ドウシタ…カネ?…マサ…カトハオモ…ウガ…」


奴はへたり込んだ俺の顔に抉れた顔を近づける。

腐臭のような悪臭が鼻腔を刺激し、嘔吐感がこみ上げてくる。


「マダ…ユメ…ナンダト…ソンナカンチ…ガイヲシテハイ…ナイヨナ?」


「お、お前…何か知っているのか?」


「クヒ!…クヒ…ヒ!、シラン…ヨシル…ワケガナイ…タダ、コレダケ…ハ…ワカ…ル」


奴は俺の胸倉を掴んで言った


「オマ…エハ…ワタシ…トオナジ…”医者”ダト…ナ」


「な、何を言って俺は!…俺は‥」


言い返そうとした時に奴に掴まれたシャツとネクタイ…その違和感に気付く

俺は奴と同じ服装をしていたことに…


「これは…そんな、ぐぅ!」


ガッシャァァァン!!


奴は俺をそのまま無造作に自分の後方へと投げ飛ばした…


そこは部屋の主がいたベッドだった、

ベッドの上には奴に殴られ、意識を失っている若い女性が腹を護る様な姿勢で横たわっていた。


「ひでぇ、本当に殺す気だったのか…」


非常灯の照り返しで女性の顔が酷く変形していることがわかる、

鼻も潰され歯も折れているだろう…


「サァ…エラク…テモ…ウカッテ…モテ…ル…カン…ジャニ…ヤサ…シクテ…カオモ…エグレ…テイナイオマ…エ、イヤ…」


奴はねちっこく嫌味たっぷりに語りながら俺の背後に立った。


「”医者”…のセンセ…イ二、スウコ…ウナシ…ゴトトヤ…ラヲミセテモラ…オウカ…ココ…ハソノ…タメノバ…ショナ…ノダロウ?」


こいつ…俺にこの女性を助けろだって?正気か?


「コノ…カン…ジャハ…ニンシン…シテ…イル…ナラ…ヨケイ…ナモノヲ…トリノゾ…ケバイ…イ」

 ソウ…スレ…バ…ナニモ…モンダ…イハナ…クナルト…イッタノ…ダガネ…」


「お前…狂ってる…人の命をなんだと…出来るわけないだ…ぐぅ…」


怒りがこみ上げてくる…隙をみてぶん殴ってやりたいが頭をがっしりとベッドに押し付けられ動けない。


「ソレデ…モウム…ト、ワタシ…ノケッテ…イニサカ…ラウナ…ラバ、リョウ…ホウコロスシ…カナイダ…ロウ?」


「馬鹿野郎…それでも医者かよ!、医者だったら患者に何してもいいっていうのか!」


俺は身動きが取れず減らず口しか叩けないことに腹が立ってくるが、無力だった…


「トウゼ…ンダロ…ウ、…カン…ジャハ…”医者”…ノケッ…テイニシタガウ…モノダ…

 ウゴケ…ナイジ…ョウタ…イデ…アッテ…モ…ナ…」


冗談だろ?何でそんなことが言える?

何故か俺は泣いていた…何故だか分からないが涙が止まらなかった…

俺の知ってる医者は…こんなのじゃ…医者は人の命を救うものだって…

俺の知ってる病院は…


「ワカッ…タカ…”医者”ハゼッタイデアり、”病院”デハ…サカラ…ウモノガ…イテハ…ナラナ…イ」


ぎりり…奴は俺の頭を押さえながらもう片方の手で、俺の首を掴んで力を込める…


「コレガ…ゲン…ジツ…ダ…”医者”二…オマエノ…ヨウ…ナ”異物”ハヒツ…ヨウナ…イ」


奴は何を言っているんだ…”異物”ってなんだ…俺の何を知っているんだ…


ゴキン!!


首の骨の折れる鈍い音が響き…俺の意識は薄れて行く…

奴の呟きを聞きながら…


「…フム…ダレカ…ハシラ…ヌガ…イヤ、シッテイ…タノ…カ…?マエ…ニモ…

 ドウデ…モ…イイ…”医者”ハ…チリョウ…スルコト…ダケヲ…

 シン…ダラ…チリョ…ウシ…テヤ…ロウ…デワ…ナ…」


コツン…コツン…


奴の足音が離れていくあの女性は助かったのだろうか…

でも手当を…医者として…俺は医者?は…医者…俺は…


「だれ…でも…いい…」


…………泥の中に沈んでいくようなそんな感覚だ…

…これが死ぬってことかな…不思議と恐怖はない…

…まるで何度も味わったかのような感覚ですらあった…

…でも俺の最後の言葉は…


「たす…けて…」


「はいはーい、かしこまりー!」


…ん?遠くで誰かが答えたような気がする…そして俺の意識は途絶えた…

なろうベテランの方々のシナリヲ構成力とかフリーザ並みに高いんだろうなーいいなーと思う今日この頃です第3話までは初期と大幅に変わっていませんが次回辺りからガラッと変えてます…

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