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初めてのおつかい?-中編-

仕事が詰まってて平日書き溜められなく金曜は寝落ちしてしまったので、ちょい多めに…

『SIDE:さっちゃんミッション中』


【馬久瑠医院1階 倉庫内】





「あれぇ?…どうなってるの?」



さっき通った時はいつもの寝床のある倉庫だったのに…

今はまるで冷凍庫の中に入ったかのようだった…



「エグエグが何かしたのかな?」



魔力が少ないのにこんな無駄使いはありえない…

倉庫内はびっしりと霜が付き真っ白になっていた。



「あれあれ?もう冬?むむむ?こないだ蝉食べたよね?

夏だったよね?…夏の次は…”春”だ!(※違います)」



ボクはカンペキな推理で今が冬でないことを見破った!



「ふふん、名探偵さっちゃんに四角はないのだ!(※死角です)」



キシキシと音を立てる空間を進んでいく…視界も少し悪い…



「へくち!…んーでも、名探偵でも寒いのは苦手なのであった…

はやくお使い済まさないと…おしりとおしりがくっつくぞー♪…うや?」



半分凍った患者さんたちが何人か転がっているのを発見した。

全部あおむけで口からおなかの辺りまでがごっそりなくなってる…



「くま?…クマ?熊?ベアクロー?でも来たのかな?」




前に院内に迷い込んで来た熊を思い出す…うん、あれはおいしかったね!

また食べたいなーと思いつつ食べられちゃったとこを改めて見ると…



「ないぞうがないぞー!?でも熊は先にココかじるんだよね?」



つま先で患者さんの『バキューン!』をフニフニする。

うん、入ってる、なんか溶けてるような感じ?

熊じゃないのかな?まっいっかー



「…ここもだー…なんで?…



ボクの寝床とじーちゃんのタカラモノ迄凍りかけてる…。

周りを見渡すとないぞうがないぞうさんが…一人ちがうのがいる?



「んー?こっちは頭からバリバリ食べられたような…?」



食べ残しだろうか?胸の辺りまでなくなってる…ほむん?

ボクは辺りをきょろきょろと見渡すけど…

変わってるところしか無い…熊も、動いてる患者さんも見当たらない。

入り口付近は薄暗いうえに霜が待っててよく見えない。



「もたもたしてたらおしりが風邪をひいちゃう…」



ボクは簡易ベッドの下の段ボールから調べ始める…



「ちがう…ちがう…おしい、猫のマークじゃなくて…これも、ちがった…」



じーちゃんのメモをたよりに体を潜りこませて探すが、

ダンボール箱がいっぱいでなかなか見つからない。



「ん?これかな?」



ボロボロになったビニールに包まれてる段ボール箱があった!

ビニールを手で払うと”サチヱ”の文字がある、

じーちゃんのメモと一致するのでこれで間違いなさそうだ。



「これが”いいモン”…ごくり…何が入って…うゆ?…にゅえぇぇぇぇ??」



ボクが段ボール箱を引っ張り出そうと手を伸ばした瞬間、

何かがボクの足を掴み簡易ベットの下から勢いよく引きずりだされる。

ボクはとっさに帽子をおさえた…いったい何が?



「何かと思ったらこんな子供…ん?生きてるの…か?」



ボクの目の前には…なんかこう、”イラ”とする感じのおっちゃんと、

すっごいおデブな…ん?人間?ゾウ?よくわからない何かがいた…

しかもさかさまで。



「天井からあやしいものが…妖怪まっさかさま?」



「さかさまはお前だ!クソガキ!」



”バチィ!”



おっちゃんはボクの顔にけりを入れた…よし、殺そう。

…それはさておき、ホントにボクの方がさかさまだった…。

おっちゃんの横にいるおデブ、体は人間のようだけど、

首から上がゾウさんの鼻みたいに伸びてて、ボクの足を掴んでぶら下げている



「おい、ボウズ…いや、嬢ちゃんだったか…

何でこんなとこにいる?他に生存者はいるのか?」



帽子を押さえたままぶら下げられているボクをじろじろ見てから

言いなおしたおっちゃんは、ボクに質問してくる。

ボクがお坊さんに見えるなんて絶対目が腐ってるよね?(※坊主違い)



「んべー!!」



ボクは舌を出してあかんべーで答える…

あ、青筋立ててぴくぴくしてる、おっかしー!

とか思ってたらおっちゃんがおデブに命令してボクを床に叩きつける…

床板が砕け体がめり込む、ちょっと痛いけど…そんなことよりも、

ボクは帽子が落ちないようにしっかり押さえていることが大事だった。



「この!クソガキが!この俺様に舐めたことを…!!よし、もういい放せ!」



”ガシャァァンン!!”



3回位ボクを床に叩きつけた後、棚に向かって投げつけた…



「ふっふふふ!腕位折れたかもだがこれで素直に…って?ええー?」



「あーもう!シャツが汚れちゃったじゃないかー!

スニーカーも片方なくなってるし…どうしてくれるんだー!」



勢い良く立ち上がり、棚の破片やら霜とかを叩き落とすボクを見て

おっちゃんが口をあんぐりしてる…へんな顔、ぷぷぷ。



「な。馬鹿な!て、手加減しやがったのか?ファイヴ!

この馬鹿が!この!この!…へぎゅぅぅ!?」



「もぉーうるさいなぁ!おっちゃんはいったい何なのさー!」


ボクに背を向けたまま、おデブにけりを入れて隙だらけだったので…

ボクはそっとおっちゃんに近づき…”ズドン!”とやってやった、

ズボンを貫いて第二関節までいった…うん、ど真んストレート!。



「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!ごぉ!ケツが!!ぐがぁぁ!!!

ファイヴ!殺せ!そのガキをころせぇぇぇ!!!」



おっちゃんがおしりを押さえ、床を転がり悶絶しながらおデブに命令する、

両腕を広げてボクに襲い掛かってくるおデブ…



「ふふーん、そんなおデブじゃ遅…くない?」



『キュロロロロロロロ!!!』



遅いと思っていたら思ったより速く、ボクの両手を掴んだ!

ん?圧し潰しでもなく打撃でもなくその場で止まるおデブ、

という事は?ゾウさんのお鼻で来る?



「えー見た目と似合わないー、バッファ●ーマンならもっとこう…」



ボクがぶちぶち文句を言ってるとおデブは鼻(頭?)をもたげ…

先端の口を開く…



「そこに口があるのー?かっこわるぅい…もが!」



おデブのの先端がボクの口にねじ込まれる…きちゃない!



「ふひ!ひひひ!ファイヴは相手の体内に強力な溶解液を流し込んで

溶かした内臓を啜るのを得意とするのだ!死んでしまえ!!」



「もが!もがもがが!」



まだ立ち上がれないおっちゃんが勝ち誇ったように言ってる。

おデブの首元が膨らみ、それがどんどんこっちへ近づいてくる…

途中にあった患者さんはこうやってやられたのかーなるほどー。

だったら…。



”ぐじゅぅぅぅぅ…ぶちゃぁ!!”



「ひはは、生きた体であることを呪うがいい!

溶解液で生きたまま地獄の苦しみを…ん?」



”びたん!びたん!…!!!”



「悲鳴がしない?ファイヴ!なにをモタモタと…さっさと食ってしま…

何をそんなに苦しんで…え?」



”ズ…ズアアアァァ…ドッシャァァン!!!”



「ファイブが…持ち上がって…投げ飛ばされた?え?」



「もがが!!もがも!もももももがががが!!…?…べっ!!」



”びたん!!!”



『キュロロロロロ!!キュロォ!!』



「うえぇ…まっずぅい…ねちょねちょする…ぺっぺ!」



ボクが咥えてた口が解放され、おデブが口を引き寄せている…

両手もボクに握りつぶされており、ぐちゃぐちゃだ…



「ファイヴの…口を噛み締め、溶解液を止めたのか?

しかもそのまま口で投げ飛ばすだと?…お、お前いったい?何者だぁ…」



おっちゃんが腰を抜かしたまま…いや、カンチョーのせいかな?



「ふふん、ボク?ボクは…」



ボクがかっこよくキメ台詞をしようと胸を張ったら、

おっちゃんがニヤリと笑う。



『キュロロロロロロロロ!!!ギュロ!?』



ボクの背後からおデブが襲い掛かった…けど、

そんなのはコミックで勉強したボクには通じない!

ボクはおデブの体を転がるように回転しつつ、背後に回り込む…

人差し指を立てたまま両手を組み、足を広げ腰を落とし…

軸足から生まれる回転の力を指先に集中させ放たれるそれは!!!!



「48てのぜつりんわざのひとーつ!」



「48?へ?な、なにを…?」



【筋肉バ●たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!】(※勘違い含め色々混ざってる)



”どこぉぉぉぉぉんんん!!!!!!”



『ギュロォォォォ!!!!』



「あ…悪魔が、私の使役する悪魔が…こんなわけわからんジャリに…

何か色々関係ない技で…」



「き…きまった!今のボク、サイコーにかっこいい!!(じーん)」



おデブの下半身を吹き飛ばし、技を出したままのポーズでボクは酔っていた…

残ったおデブがびったんびったんしてたり、

おっちゃんがうずくまってブツブツ何か言ってるが…

そんなことは気にならなかった…。

それがボクの油断だった…。



『ギュロォォ!』



”ビシャァァァァ!!!”



「わぷ!?」



おデブの口がこちらに向き、何かをボクに顔から胸にかけて吐きかけた…

視界が奪われ、ボクの胸元のシャツがジュウジュウと溶けていく音がする…



「ふは!ふははは!馬鹿め油断したな…」



おっちゃんの勝ち誇った声がする…早く殺そう、うん

あち!あちち!!目と顔が、何かかけられた場所がひりひりする!

なんかねちょねちょしてて、擦っても顔のが取れない…。



「ひっひひ、ファイヴの溶解液を喰らったようだな…

そのまま溶かされて…いや、楽には殺さん!…悪魔モルテスでませい!」



おっちゃんが何かした様だ…ん?悪魔?

目が見えないので確かめられないが悪魔とか言ってた…まさか?



「モルテス!あのガキの自由を奪え!」



『グロロロ…』



”ビシ!…バシィ!”



「むぅ…むむ?…」



ボクは両手両足をそれぞれ引っ張られて、ぶら下げられてるらしい…。

まだ視界がぼんやりしてる…水で洗いたい…。



「な、ファイヴの溶解液をもろに受けて…服以外溶けてないだとぉ?」



おっちゃんが身動きできないボクの体を色々調べてるらしい、

ちょっとイラっとしたその時、ボクの帽子に触れた…。



「なんだ?薄汚い帽子…あぎぃ!?は!放せ!」



ボクはその汚い手に噛みついてやった…肉と血が口の中に残る、

ん?この味って…。



「くぅ…噛み千切りやがった…畜生!

何か魔力的な何かで体の表面が護られているのか?

だが、体の中はそうはいくまい…おい、ファイヴ!

溶解液を体内に流し込んで今度こそドロドロに…」



『キュロ?キュロロ!!』



「はぁ?”食いちぎられそうだからヤダ”だと?」



『キュロ!キュロ!キュロ!』



「安心しろ、こっちなら食い千切られることもない…

何故ケツが丸出しかは知らんが運がなかったな!

俺にあんなことをした報いを受けさせてやる!腹の中を焼かれて後悔するがいい!」



おっちゃんはボクのおしりをパンパン叩きながら笑っている…

なんかどんどん腹がたってきたぞ…

ちょっと本気出そうかな…



「さぁ!やれ!」



『キュロロロロ!!』



”ズムン!!!”



「勝った…この後、心地いい悲鳴がして、

第一部・完!てな、大分てこずらせてくれたが…

…え?」



無性にキン肉●ンを読み返したくなってしまいました…なんかお使いがとんでもない展開に。

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