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60話 訓練を終えた私に怖いものはない。何処からでも掛かってきなさい。

みなさんお久しぶりです、どうももっちもちです。いや、最近全く更新できなくて申し訳ございません。想像以上に動画編集作業に時間がかかりすぎる汗


今日は五本投稿です。書き溜めていた分全部排出します。これは一話目です。


あ、なろう作家(私)がやってる動画実況が気になる方は、YouTubeの方でもっちもちのゲーム放送部と検索していただけると幸いです。




「よっ」

「おー、進んでるー」

「ナツキ、他人に教えるというだけあって上手いな」

「そうですね。記憶喪失なのに、一体何者なのよナツキは」

「じゃ、ゼルドもやってみて」

「こうか?」

「なるほど、中々筋が良いね」

「だが、少々力が入り過ぎてるみたいだな」

「......私も同じくらいだから何も言えない」

「ふんふん、なるほど。さすが剣術を訓練してるだけあって、姿勢は完璧だね。素振りでブレない姿勢が出来るようになってたのかな」

「なるほど」

「じゃあ、次はさっそくバタ足だね。蹴伸びの後に、続けてバタ足をする感じで」


それが、バタ足を使う泳ぎの基本になるはず。だけど、蹴伸びが出来てもバタ足になると、急に足が沈んじゃうことがあるらしいんだけど......。


「こうか?」

「うんうん、うまい。じゃあ、そのまま手をこうやって、こう」

「こ、こうか?アバウトすぎて分かりにくいんだけど」

「おお、それなりに上手い」

「ぷはっ!そうか!よっし!」

「やっぱり、何か運動をしてる人は泳ぎを習得しやすいのかなぁ」

「良く分からないけど、動いてないヤツよりは覚えやすいんじゃないか?」


まさか、ここまで早く習得できるようになるとは思っていなかった。日ごろから死ぬほど訓練をしているからなのかな?とにかく、後は繰り返し練習して泳ぎが上手になっていけば問題はないはず。残りの数日はひたすら泳ぎを安定させることに集中することになるでしょう。


「やっぱ、そうだよねー。......あとは、自分で練習して上達すればオッケーだね」

「おう。サンキューな、ナツキ。ここまでしてくれれば、大丈夫」

「あとは、トークだね。トークはこれから一か月、いつだって練習できるから、今回は泳ぎの特訓に力を入れるよ!」

「おう!上手くできないときはコツとか教えてくれよ!」

「任せて!食費も飛空船代も払ってもらうんだからね」

「でも、こう考えると得だったかもな。普通なら泳ぎをこんな早く覚えられないぞ」

「へぇ。でも、出来る人が教えると大体こんなものでしょ?」

「いや、多分こんな教えるのはうまくないよ。水泳は教えられるものじゃなくて、自分で勝手に覚えるって感じだからね。教えたことある人は、そんなにいないんじゃないかな」

「大陸全体では1000人に満たないんじゃないか?水泳を習うなんてのも無いしな」


1000人って、多いのか少ないのか良く分からないよね。まぁ、かなり少ないのか。この大陸はかなり広いし、教師も山ほどいるはずだ。だけど、教えてるのは海沿いの、それも、漁師位でしょ。溺れて死ぬのは嫌だろうし。というか。


「ほら、喋ってばっかいないで足と手を動かす!お前は主人公じゃないんだから、頑張らなきゃ振り向いてもらえないよ!?シースに振り向いてほしくないの!?」

「ほしいっす!頑張るっス!」

「あまり追い込み過ぎない方が良いんじゃないか?」

「大丈夫大丈夫。ゼルドとはまぁまぁ付き合いが長いし、扱い方は解ってるつもりだから」

「それならいいんだが」

「リーナは心配しすぎなんだよ。アレを見て」

「ぷはっ!......んぐっ!げほっ、げほげほっ!うえっ......よっし、もう一回!」

「......楽しそうだな」

「でしょ?しかも、水を吸い込んで苦しいはずなのに、嬉しそう」


何かの為にここまで夢中になれるって事が、幸せなのかもね。私も、がむしゃらに探してた時はすごく心がうきうきして楽しかった。自分の希望の為に、頑張れるって事が嬉しかった。でも、いつしか目をそらしてしまった。失敗したからって、目をそらしてしまった。だから、私は失敗した。向き合わずに、失敗しちゃった。でも、ゼルドなら大丈夫多と思ってる。きっと、大丈夫。


「どうしても、楽しいんじゃないかな?自分の目的の為に、努力出来るって事が。それを、周りの友達たちが手伝ってくれるって事が」

「私も、手伝っていると楽しいな。頼られているようで嬉しい」

「ゼルドは多分、頼ってくれって言われてるようで嬉しいんだよ」


頼らせてもらえるって事が、何か親しい証みたいで嬉しいんだよねー。逆に、頼ってもらえるって事も何か信用されてるみたいで嬉しいし。どっちも、嬉しいんだよ。だから、親しくなると面白い。だから、他人(ヒト)を知るのは面白い。


「あと二日。恋の力でどこまで上達するか。楽しみだな」

「そうだね」

「ゼルドかぁ。一生懸命青春しちゃって」


霞がかって見えなくなってしまった遠くを見るような。そんな、どこか寂しそうで悲しそうな顔をして、リーナはつぶやく。そう言えば、こっちに来てから四か月半。長い時間をリーナ達と過ごしてきたけれど、リーナの浮いた話は聞いたことがない。だれだれと、とか、だれだれを、とか。......この寂しそうで悲しそうな表情(かお)は、それに関係してるのかな?


それから先は、まるで一つの映画を早送りでみているかのように、目まぐるしく過ぎていった。そして、一か月後――――――――




「と、言う事でだな。皆ももう解ってるかもしれないが、明日は慰安旅行だ!日ごろの訓練で疲れ切ったその体を、存分にいたわって、十分に休んでくれ」

「「「はい!」」」

「うむ、いい返事だ!では、明日に備え、今日は準備と確認を怠らず、十分に休息を取れ!解散!」


リーナ教官の解散を聞き、一斉に帰路につき始める訓練生たち。男子たちは明日、どう遊ぼうか。女子たちは、明日着ていく水着と何を食べようか。話している。普段は、訓練場を出るまで喋らないのが暗黙の了解というかマナーと化しているのだが、今日は別だ。マナー委員長と呼ばれているニーナ・ファッデバルトでさえ、顔をうきうきさせて足取りが弾んでいる。


「こうしてみると、俺たち青春してるのかもなぁ」

「確かに。普段から訓練訓練また訓練で、甘酸っぱい話とか、旅行とか遊びとかの話とは無縁だったけど、こうしてみんなの耀顔を見てると、十分青春してるんじゃないかなって思えてくるね」


青春とは、ただ遊んだり恋をしたりという事ではないんじゃないだろうか?青春とは、人生の中のすこしだけ、心が熱くなる。そんな、時期なんじゃないだろうか。ゆえに、恋をしていなくても、しあわせだ、充実していると思っていれば、それは青春なのかもしれない。なんて、ちょっと詩的なことを考えてみる。すると


「ゼルドは絶賛青春中じゃない。好きな子の為に、頑張ってるんだから。まさに、青春よね。これを青春と言わず、何と言うのよ」

「確かに」

「おま、大きい声で言うなよ!」

「別にいいじゃない。誰が聞いてるって言うワケじゃないんだし」


この一か月、私がゼルドにトークの訓練をしている都合で、ミルアとゼルドも顔を合わせる時間が多くなり、自然と仲良くなったみたいだ。私としては友人同士が仲良くなったことは大変喜ばしいんだけど。それに、衝撃の事実もわかったし。女子が三人寄らなくても、姦しい。男子二人に女子一人。もしくは、女子二人に男子二人でも十分姦しいということが分かった。つまり、何が言いたいのかと言うと、煩いという事だ。相性がいいのか悪いのか、いつも二人は喧嘩腰(?)だ。 


「分からないだろ?もしかしたら、どこか違うところで聞いてるかもし」

「ゼルドさん......さっきの、本当ですか......?」

「うっそ」

「うわーお」


ゼルド、いつしか言ったことを否定させてもらおう。ゼルドは主人公っぽくないなんて間違ってた。ゼルド、お前が主人公だ。......運が悪い鈍感系悲劇的主人公。お前がふさわしい。譲るよ、ゼルド。




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