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47話 久しぶり!ギルマス同士の関係性

やっぱ、何のひねりもないタイトルの方が良いのかもしれない。分かりやすいし。


本編、始まりやす!





「あの、そろそろギルシェさんに......」

「いや、まだだ」


オシャレなお店で腹ごしらえをした私たちは、店を出て歩いていた。相変わらず、ガーツィさんの身長に集まる目が多い中を気にせず進んでいく。


「まだ、何かあるんですか?」

「王都のギルマスに口を利くという約束だからな」

「いえ、それは後でもいいのですが」

「遠慮するな。技術的な革新を妨げることは得策じゃないだろ」


なんか、言い訳じみたかほりを感じる。だけど、早ければ早いだけこっちも助かる。ギルシェさんとの感動の再会の後で『あの、水晶のことなのですが』とか、言い出せないからね。どういう状況なの、それ。とても言い出せる雰囲気じゃないよ。


「そう、ですか?じゃあ、おねがいします。早い方が私も助かりますので」

「だろ?王都ギルマスの予定が空いてるかもわからないしな。もしかしたら、今日は無理かもしれないしな。それなら、早めに予定を知っていた方が得だろ?」

「そうですね。先に確認すれば、ギルシェさんと会っているときも気にしなくて済みますよね」

「......かもな」


目をそらし、返事をするガーツィさん。あやしい。怪しすぎる。なにか、含むところありそうだなぁ。


「私、王都のギルドマスターに会ったことないんですけど、平気ですかね?」

「え、お前が王都のギルドで問題を起こさなかったのか?」

「チャチャっとクエスト受けて戻って来たんで。っていうか、私を何だと思ってるんです」

「うぅん......超、問題児?」


超。問題児って言われるだけでも嫌なのに、超。英語でスーパー。スーパー問題児。なんだそれ。嫌だなぁ、そんなことでスーパーとか言われるの。もっと、かっこいい感じにスーパーは言われたいな。


「超......」

「っふふふ!間違いないですね。超、問題児です」

「だろ?こいつは、ギルシェと同じ匂いがする。間違いなく、ヤツと同類だ。ヤツも、お人よしのくせに色々問題を起こしたからな。お人よしだからこそ、悪行を放っておけないんだ。特に、弱い者いじめや仲間に対する侮辱は決して許さなかった」


懐かしそうに目を細める、ガーツィさん。......今、目を細めているガーツィさんの目には、何が映ってるんだろう。遠い日の、仲間たちの顔?仲間たちと過ごした日々の、残像?あの、離散してしまった日の事?それとも、ただ目の前を。ただ今だけを見つめているのかな。過去はあるけれど、それに捕らわれないで進んでいこうという決意が秘められているのかもしれない。


「ガーツィさん」

「いや、平気だ。なんだ、苦手そうだと思ってたんだがな」

「何がです?」

「そういう気遣いだ」

「苦手ですが、少しくらいは私も考えますよ」

「本当にギルシェみたいなことを言うな、ナツキは」


と、適当に話していると。


「ここが、王都の冒険者ギルドです」

「ああ、知ってる。会議できたことがあるしな」

「でも、何度見ても大きいですねぇ」

「ま、王都だしな。箔を付けるためにも、デカくなくちゃならないんだろう」

「なるほど......色々、大変なんでしょうねぇ」


他にも、王都のギルドだから、他のギルドよりも成績が良くないと......とか言うのもあるんだろう。本当に、面倒くさいね。もしかしたら、王都の方がクエスト頻度が多くないとダメとかあるかもね。他の場所なら、ランクBに留まるにはBランクの依頼を月に五回とかなのが、王都だと十回とかになるのかもしれない。依頼が多いから、数をこなさなきゃ依頼が消化しきれないだろうしね。


「だろうな。ここのギルマスはよく俺の町にのみに来るんだが、良く愚痴を聞かされる」


おお。てっきり、仕事上の関係としていい関係を築けていると言っているのかと思えば、重いの他友人関係に近いもの......いや、友人関係を築けているみたいだ。やるね、ギルマス。話しながら、ギルドの中を進んでいく。


「愚痴ですか。どんな愚痴を聞かされているのか、聞いても良いですか」

「そうだな、大きいクエストが多いものだから、責任が重くのしかかるとか、副ギルマスが怖いとか、書類が多いとか。......あと、二週間前は出会いがないと嘆いていたな」

「......もしかして、王都のギルマスって」


コンコン。頭の中に浮かんだ予想を遮り、ノックされる扉。すると


「よぅ!久しぶりだな。二週間、元気してたか?クリス」

「二週間ぶりって久しぶりなの?......久しぶり、ガーツィ」


やはり。目の前にいたのは、白髪碧眼の長髪髪美女だった。柔らかい笑みを浮かべる顔は、触れただけで壊れてしまいそうで。なぜだか、とても悲しそうにも感じた。......やはり、王都のギルドマスターは女性だったのか。


「で、どうして会って早々暴露話をしているのかしら?」

「ち、ちがうぞ。いや、違くはないか。いや、だが、う~ん......」


ついに、困って口を閉ざしてしまったガーツィさん。うわぁ。これは、見てらんないなぁ。


「私が気になると言って無理に聞いてしまったんです。申し訳ございません」

「わ、私も、普段触れられない話なので、つい聞き入って先を求めてしまいました!」

「ああ、そういう事なら良いんですよ。私は、人の話をペラペラしゃべる人物に好感が持てないだけですから。でも、そういう事情なら仕方ないです。でも、人の話を簡単に話したり離させたりしちゃ、だめですよ?」


うっ。とても、心当たりがある。本人に許可を取らず、何度違う人に話をしてしまったか。これは、今後の発言を気を付けなくちゃ。


「で、ガーツィ。こちらの可愛いお嬢さんたちは?」

「ああ、こっちがナツキ。俺が良く話すギルシェに、よく似た性格のやつだ。ぶっとんでる。こっちがミルア。礼儀正しく、立ち居振る舞いも綺麗だ。だが、緊張しやすいみたいだ。最初から、きつめの絡みは止めてくれよ?」

「紹介の仕方が失礼ですよ。ぶっとんでるって。それに、私に対しても失礼だわ。私は最初からなれなれしくしません!」

「酒が入ったら絡むじゃないか。酷い絡み酒だぞ」

「それは自覚してるけど」


ガーツィさんに指摘され、ばつが悪そうに下を向くクリスさん。絡み酒かぁ。本人は、お酒飲んでるときは解らないからなぁ。


「話がそれちゃいましたね。えと、私の名前はクリスティーナ。皆からはクリスと呼ばれています」

「クリスって言うのは愛称だったんですね」

「クリスティーナさんですか。素敵な名前ですね」

「ありがとう。そっちも、ナツキっていい名前だと思います。もちろん、ミルアも」

「有難うございます」

「それで、今日は急にどうしたの?飲みに行くのは今日じゃなかったはずだけど」

「それがな。クリスに頼みたいことがあってな」

「頼みたいこと?」


怪訝そうに、眉をひそめるクリスさん。そりゃそうなるよね。急に遠くから訪ねてきて、頼みたいことなんて。しかも、知らない女の子を二人も連れてきて。


「ああ。ギルドで使ってない水晶を貸してもらいたいんだが」

「ああ、なんだそんなこと。それくらいなら構わないけれど」

「なんだか、凄い安心した様子だが、一体何を想像していたんだ?」

「知らない女の子を二人も連れてきて頼みたいことがあるっていう、ものだから、預かってくれとでも言いだすんじゃないかと思って」

「そんなバカな」


心底不名誉だと思っているような、ブスっとした表情で否定するガーツィさん。


「だって、いつも話しているギルシェって人も相当な変わり者なんでしょ?だったら、その元仲間が変わってないという保証はないんじゃない」

「知らないうちに影響を......か」

「そういうこと。で、水晶だっけ?なんでそんなものを?」

「それがな。王都は、様々な研究機関や個人の研究者を資金的に援助するだろ?」

「ええ」

「ナツキが、入り口を通っただけで個人のギルドデータを参照できる水晶の開発が可能かもしれないと、言っててな」

「え、じゃあ王都に入るとき、わざわざ一人づつ並ばなくていいって事!?」


え、そんなに驚くこと?もしかして、私またとんでもないこと言っちゃった?




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