23話 金欠......なら働きましょう!
本日の三話連続投稿の二話目だぜ!
リンク踏んでここに来ちゃったって人は一話前に戻るんだぜ!(`・ω・´)
「クエストは......クリスタルピールの収集よ!」
「クリスタルピール?」
「名前の通り、皮がクリスタルみたいな果物なんだって。赤いクリスタルとか、緑とか、青とか......色々な種類があるらしいわよ」
「へぇ......そんなのが自然に生えるのか」
「なんか、自然に生えてたやつを研究して作り出した品種らしいわよ?それを各地に配った結果、種が飛ばされて拡散されて......自然に生えるようになったんだって。」
遺伝子改良みたいなものか。でも、別に体に悪くなさそうだな。まあ、この世界では魔法だからねぇ。とくに、魔法は便利だから、予想外の産物ってのが少ないんだろうねぇ。
「もとは何て名前だったんだ?」
「ブラッドピールだって。大分前に研究されたらしくて......もう何百年前だか。記録には残ってるらしいけど、誰も知らないんじゃないかな?」
「ふーん......。」
「あまりピンと来てない顔ね。なんでこれが割のいいクエストなのか、わからないのね?ふっふっふ。実は、このクリスタルピール......普通のクリスタルよりも高値で取引されるのよ!」
「......!それってかなりすごくないか?」
クリスタルが拳大で四十五万アルディアくらいで取引されるらしい。それよりも高額なクリスタルピールって一体いくらになるのだろうか?
「ええ、もちろん。まぁ、栽培方法も秘匿されてるし、自然にも滅多に生えてないらしいけどね。」
「ダメじゃん。」
「だからこそ、今回の報酬はかなりお高く設定されてるってワケ。大体、おおぶりなクリピ五個で十万アルディア。」
「やっぱり、依頼の段階だとめちゃくちゃ安いのな。しかも、その報酬もクリスタルピールを見つけられなきゃ、意味ないんだろ?」
「そうね。収集クエストだからね。でもね、見つけちゃったのよ。」
見つけたって、まさか。
「まさか。」
「そう、クリスタルピールの群生地!一面にぶわぁっと広がってたの!」
「マジか!売りまくろう売りまくろう!大金持ちじゃんか!」
「それがね、そうもいかないのよ。」
「えぇ。まさか、栽培方法の特許とか取ってたりするのか?」
「良く解ったわね。」
「ああ、まぁそこまで言われるとね」
「だから、一気に売り出すといろいろと問題が生じるのよ」
「なるほど......」
まず最初に疑われる訳か。無断で栽培方法を使用しているのではないかと。それで、なら証拠を見せろと。そして、案内すると宝の山。一体どうなるんだろうなぁ......。
「じゃあ、新しく効率のいい栽培方法を確立して、どこかの小さな商会に栽培と販売を委託しちまえばいい。その利益の何割かをこっちがもらうってことで。」
「......アンタ、ほんとにそう言うところには頭が回るわよねぇ。」
「まぁね。」
「でも、なんで小さな商会?」
「......なんとなく。大きい組織って、頭がいい奴が居そうで何か企まれそうなんだよ。」
「一応の保険ってこと。」
「って言うよりかは、ただの勘だな。嫌な予感がするだけ。」
なんかね、アニメでそう言うところ腐るほど見てきたから、どうも嫌な予感がぬぐえなくて。まぁ、これが現代っ子の弱点でもあるのかもな。
「じゃあ、さっそく案内するわ。今回行くのは、クエスト分取ってくるってことで。その時偶然見つけて、栽培に成功して......っていうていで。」
「それが良いと思う。」
「準備は特に必要ないと思うわ。ポーションとか持ってるでしょ?」
「特に大丈夫かな。」
「徒歩で向かうから、それなりに長くなると思うけど......」
「おーけーおーけー。」
「じゃ、さっそく案内するわよ」
「ちょっと待った!」
「なによ?」
「お腹すいて動けないんだけど......」
「......。」
「ふー、食べた食べた!」
「ナツキ、女の子なんだから、もっと女の子らしくしなさいよ」
「えぇ?いいじゃん、喰った喰ったって言ってるわけじゃないんだからさ。」
「男っぽいこと言って無ければ女の子っぽいってわけじゃないんだよ?」
「ああ、そういうもんかぁ」
じゃあ、男っぽくなくて女の子っぽくないのは何っぽい行動なんだ?......人間っぽい言動か。どっちの性別っぽくなかったら、人っぽい言動になるのかぁ。
「よし、これからは女の子っぽい言動をするよう心がけるよ!」
「そんなに頑張ることでもないと思うんだけど......」
いや、頑張るよ。俺、男だし、頑張らないと女の子っぽいってことが分からないから。でも、最近は努力の甲斐あって女の子っぽいでしょ?......あれ、いまさっき女の子らしくないって言われたような。ま、いっか!
「さあ!我々は今、ミルアが言うクリピ群生地へと向かっているわけなのですが......」
「それは無理があるんじゃないの、ナツキ?」
「ですが!......その後のことについても話し合わなくてはならないわけでですね。それを今開いている少しの時間で少しだけ話しておこうというわけです。」
「無視かい。......あれだけあるクリピを私たちだけで独占しても良いのかな」
「な!何を言ってるのミルアは!お金になるなら利用しないと、どうにもならないよ!?」
お金はいくらあっても足りないって言うしね!溜めておいて損があるわけないんだよ。異世界は不思議なことだらけだ。だから、何が起こるかわからない。何かあった時のための貯金は、結構大事だと思うよ?
「そうかなぁ。」
「そうそう!お金があれば、強い武器だって買えるし、もしかしたら強いエンチャントがされた武器も変えるかも!」
「武器強化かぁ。良いわね、エンチャント。」
「夢があるでしょ?それにお金があれば、新事業を立ち上げてさらにお金が......」
「いいわね!!お金大事!」
「その通り!お金大事!」
急に乗り気になったね。なんだろう、何か夢でもあるのかな。夢ってお金がなくちゃかなえるの難しいからねぇ。俺も夢があるからね。この世界でスキルと姿を手に入れて、暗殺やらなんやらを遂行してやるぜぃ!って言うのは半分冗談で、自分で大金を稼ぎたい。そして、魔法って言う『未知』の研究とか......スキルについてとか。そういう事を調べたい。そういう事に関わって行きたい。
「そろそろだよ!ここら辺にある森に入って、少し進んだところに湖があるから、その先の洞窟に入ってしばらく進んでいくと......」
「行くと?」
「急に開けて、クリスタルピールだらけの場所が現れるのよ!」
「えー......そんなうまいはなしあるかなぁ?どうせ、モンスターだらけとかそういう落ちなんじゃないの?」
「え?ダンジョンなんだから、当然魔物はいるでしょ?」
「え、ダンジョン?ダンジョンって、あの迷宮?」
「他になんの迷宮があるのよ。」
ほら、色々比喩表現として使われるやん。思考の迷宮とか......あとは思いつかないけど、色々あるんだよ。
「ほらほら、もう少しなんだから、少しくらいワクワクしなさいよねー」
「そんなこと言ったって、実物見るまではそれが本当かどうかわからないからさぁ。」
「何?私の事疑ってんの?」
「い、いや、そう言う事じゃないけどさ......」
正直、そんな価値のあるものが目の前にごろごろ転がってるって聞いても......ねぇ?そんなうめぇ話しあるかよって思っちゃうじゃん?
「あ、もう見えてきたよ!これ、この湖!」
「これ?これがその例の湖かぁ」
目の前に現れた湖は......それなりに大きかった。幅三十メートルくらいかなぁ。それが、薄ピンク?っていうの?そんなファンタジーな色に染まっていた。なんか、すごい綺麗。なめたらサクラソーダの味がしそうだな。
「ねぇ、いまちょっとおいしそうとか思ったでしょ?」
「え?ああ、まぁ。」
「舐めてみなさいよ」
「ええ!?」
「い・い・か・ら!」
俺はミルアに強引に言われるまま、湖に腕を突っ込まれる。冷たい。勢いよく押された感じで、肩まで浸かってしまっている。
「うぇ」
ピンク色の水につかった腕を引き出すと、色が薄いせいか特に色が付いた様子もない腕が出てくる。
「う~ん。」
見た目的にはただの濡れた腕。だけど、あの得体のしれないピンク色の水につかった腕だ。じっと見つめていたら、急にボツボツが出てきて手が溶け落ちたとしても不思議ではない。不思議ではないんだよなぁ。怖いよぉ。
「えい。」
「もがっ。」
じっと自分の指を見つめていた俺にしびれを切らしたのか、無理矢理に俺の腕を口に突っ込んできた。
「うぐぶぶぃっ!!!???」
もちろん、急に自分の手をガッシとつかまれて自分の口にドスっと入れられたわけだから、抵抗しないわけはない。もちろん必死に抵抗する。苦しいし。
「もごぶぐっ!」
「おら、動くなっ!」
「ミルアも女の子っぽくnぶぐもがっ!?」
「うるさいわね!で、どう?」
「ぶはっ!......っはぁ、っはぁっはぁっどう、って?」
ようやく解放された俺は、まだ整っていない息を無理やりに整えながら、ミルアの質問の意味を問い返す。急にどうと言われても......と、気になって口の中に意識を集中させてみる。
「......あれ?ほんのり甘い?」
「そう!なんか、クリスタルピールの果汁が溶け出してるらしくて、ほんのり甘いのよ!」
「マジか。......なんか、今更感凄いけどめちゃくちゃだなぁ」
「ほんとに今更ね。この世界に生まれ落ちた瞬間から、めちゃくちゃなのは覚悟してないと。」
これ位の湖の水が、ほんのり甘く感じられるだけの果汁が溶け込んでるって事だろ?どうやら、沈殿してて一部だけ甘いとか、浮いてて一部だけとか言うワケじゃなく、良く混ざってるのにほんのり甘い。つまりは、この水深六メートル幅三十メートルほどの湖の水、どこを取ってもほんのりと甘いというわけだ。
......これ、ちゃんとろ過すれば飲料水として売れるぞ。【大自然の甘露水】ってとこかな。ごく薄味だけど、爆発的に売れて人気商品になるだろうと確信できるくらいには美味しい。
「で、ミルアが俺に教えたいのはこれじゃないんだろ?」
「ええ、この先の洞窟......の先にある、ダンジョンよ」
「......ダンジョンにそんな夢みたいな場所、あるのかなぁ?」
「疑ってないで、足を進める!ほら、イッチニ!イッチニ!」
ここまで結構な距離歩いてるにもかかわらず、元気よく歩き出すミルア。よくそんなに元気があるなぁ......と、わずかに呆れつつ、目の前の『おいしい湖』よりもびっくりするであろう場所に期待を抱きつつ、ミルアの後を追っていく。
(これ以上にびっくりする光景って、どんな景色なんだろうか......ここまで来て大したことなかったらミルアをひっぱたいてやる。)
因みに魔国アルカディアでの通貨の価値は、
一アルディア=一円
だぜ!
つまり、百万アルディアで百万円だぜ!難しく考える必要はないぜ!そのまんまだぜ!
因みに因みに、ナツキとミルアは既に冒険者登録してたんだぜ!!リーナが勝手に手続してたぜ!!




