22話 夏なんです......金欠なんです......ひもじいです(;_;)
今日は久しぶりの三話連続投稿だぜ!少し早めの五月病で投稿遅れてごめんなさいだぜぃ!
いや、本当に申し訳ないです。最近雨ばっかりで頭痛が......(´;ω;`)
とにかく、今日投稿した三話の内一話目がこれだぜ!ゆっくりしていってね!!!
とは言っても。夏は何も楽しいばかりではない。気温は高いし、剣は熱を放つし、バカははしゃぐ。一番最悪なのは、虫がすぐ湧くということだ。え?なんで急にこんな話をしているのかって?それは、私ナツキが身をもって学んでしまったからである。
「あの......俺の食べ物......」
ガサガサガサガサガサガサ
「おい......」
ガサガサガサガサガサガサ
「何か言えよ......」
ガサガサガサガサガサガサ
「なんか言ってみろってんだよこの虫畜生めー!!!ざっけんな!俺の食糧食い漁りやがって!どーすんだよ!?リーナのヤツは仕事が忙しくて最近料理してくんねーんだぞ!?どーすんだよ!もうお金持ってないんだぞ!?これで後三週間やりくりしようと思ってたのに......」
こんなことなら高い金払ってでも冷蔵の魔導具買っとくんだったかなーと絶望に支配されつつある頭の隅で考える。いや、お金持ってないんだった。がーん。俺がさらなる絶望に支配されていると。
「いや、待てよ。そうか。虫がたかってるのは表面だけ。なら、中はまだギリイケるんじゃねーのか?」
そう言えば、昔なにかの漫画で見た時もそんなこと言ってた!米が黒焦げになってたけど、奥は白いコメがあったって。
「そうと分かったらそこをどけ!害虫ども!くぬ!くぬくぬ!くぬやろーが!」
と、先ほどなけなしのお金で買ったハエ叩き......もとい虫殺しを食料の山に向かって叩き下ろす。
「なんだって保存庫の中にしまったのに腐りかけてんだよチクショー!保存庫ちゃんと機能しやがれってんだ!」
実は、夏が近づくに伴って食料など様々な問題が出てくるだろうということで家を借りているのだ。もちろん、不動産屋でお金が安くて広い、使い勝手のいい家を探してきたのだが......
「家賃が安いと思ったらこれか!保存庫が機能してねーのか!そりゃあんなに安くもなるワケだなちくしょう!」
俺が怒りを虫の山にぶつけていると、ようやく食料をあきらめたのか、虫たちが家の外へと退散していく。さて、虫の山は退散していき、後には異臭を放つ食べ物が散乱しているわけだが。
「う。これをどうしようか......」
「よー!ナツキ、遊びに来てやったぜーぃ!」
「あが......?」
硬直。いや、硬直するのも無理はない。床に落ちたヤバい匂いのする食べ物に、這って食らいつこうとしてる女の姿を見たんだから。
「お前......」
「何だよ」
「お前ってやつぁ......」
「言いたいことがあるならハッキリ言えよ!」
「そこまで追い詰められちまって......」
「しょーがねーだろーが!お腹すいてるんだもん!」
「だもんって、お前なぁ。」
泣き真似演技から復帰したゼルドは、大きくため息をつく。
「お前、今人がしてはならない表情しながら人がしてはならないことしようとしてたぞ?」
「もう五日も飯食ってないんだよ......しぬから......食わないとしぬから......」
「食っても死ぬだろそんなもん!っていうか、五日以上この状態なら食おうとするなよ!?......ったく、通りで最近へなちょこだと思ったら......」
そう。俺はもう五日もこの状態で訓練に参加しているのだ。むしろ、怒る前に参加していることを褒めてほしい位なんだけどね。あ、クラクラする。
「もう......おれはだめだ。あとのことはたのん......だ......ぞ......」
「おいナツキ!?ナツキ―――――――――――――――――!!!!!!はぁ......分かったよ。メシ奢るよ。それでいいんだろ、それで。」
お決まりのセリフと共に動かなくなったナツキに向かって話しかけるゼルド。もうこんなこと慣れているという風なようすで、適当にあしらっているようだ。
「マジで!?」
一ミリの動かなかったはずの俺はガバッと立ち上がると、目の前にどっしりと構える救世主に向かって膝立ちして胸の前で手を組む。
「マジだ。」
「おお、神よ!感謝します!」
「気持ち悪いからやめてくんない?」
「なんだよ、ノリ悪いなぁ」
「そーゆー文句言ってると、奢ってやらないぞ?」
「申し訳ございませんっしたぁ!」
「はぁ。」
まったく。と、ため息をつきながらも僅かに口角が上がるゼルド。俺たちの関係はいつもこんな感じだからなぁ。
「じゃ、さっそく行きますか。」
「そうだな。じゃ、いつものメシ――――――――」
ッバァァァァァァァァン!!!!!!
「ナツキ!ナツキ無事!?」
「な!?お前は」
「お前かァァァァァァァ!!!」
「え、ちょまッ!」
ドゲシィィィィィッ!!!
「げべらぽっ!?」
「おお、見事な右フック。」
「ナツキ、大丈夫?この色情魔に何かされなかった?」
「う、うん。私は平気だけど......ミルア、何か勘違いして」
「ああ、私のカワイイナツキ!もう、心配かけて!」
「あの、話聞いて?ミルア、心配かけたのは謝るけど、やっぱり勘違いを」
「このっ、クズが!人間の屑!変態!痴漢!性犯罪者!騎士を志す身として、恥ずかしいと思わないの!?」
「げぶっ!ぐぶっ!ぶぐっ!ぶへっ!ごばっ!みゅげるっぷ!」
「これに懲りたら二度とナツキと私に近づかない事ね。フンッ!行きましょう、ナツキ。最後にナツキからもなんか言ってやりなさい!」
「あ、あの、えと、その......ふ、フンっ!」
「なづぎぃぃぃ......あどでおぼえどげよ......。」
小さい声で囁かれた恨み言は、ミルアの耳には届かなかったようで、恐怖で震える俺の耳だけに聞こえたようだ。......マジでどうしよう。
「え!?じゃ、じゃあ、ゼルドはナツキを助けようとして駆け付けたってこと?」
「まぁ、そうなる......か?」
「そうなるでしょ。ってことは、私はナツキの命を救おうとした人を殴ったってこと......?」
「正確には、渾身のこめかみへの右フック一撃に、倒れたゼルドの頭を六回ほど踏んづけたな。しかも、フックと同じところを。」
「え......どうしよ。」
「ああ、踏んづけるじゃなくて、もはやストンプだな。格闘技の方のストンプ。殺傷力の高い、攻撃。」
「ああ、やめて!だいたい、なんで助けに来たって知ってたなら黙ってたのよ!?」
「いや、まったく黙っていなかっただろう。何回も話を聞いてと言ったはずだ。」
「たっ、確かに......!?」
ハッとした様子で口を手で押さえるミルア。いや、確かにじゃなくて。もー、だから人の話は聞いた方が良いんだよなぁ。
「いや、ちょっと待ってよ?じゃあ、なんでナツキは私に助けを求めたのよ!」
「それは......もう五日もご飯食べてなくて。」
「そ、そう言えば......!」
ミルアは記憶の隅に、ナツキ宅の地面に散乱していた食べ物のようなものを思い起こす。たしかに、アレは食べ物のようだった。
「え、アンタアレを食べようとしてたの?」
「しっ、仕方ないだろ!お腹減ってたんだもん!」
「だもんって、ナツキアンタねぇ......」
こんなやり取りをちょっと前にやったような気がしたけど......ま、いっか!にしても、マジで今回はやばかったなぁ人間って、一か月くらいは何も食べないで良きれるらしいけど、こちとら毎日訓練で動き回ってるんだぜ?あと三日遅かったらマジで死んでたかもしれないなぁ......。
「食費がないなら言えばいいのに......」
「迷惑かけたくなかったんだよ」
「アンタねぇ......現在進行形で迷惑かかってるから!もう、ゼルドにこれからどう接すればいいのよ!?」
「そんなに接点ないじゃん......」
「それはそうだけど......」
「ま、いいわ。くよくよしてても仕方ないし。とにかく!食費がないなら、やることは一つ!」
「バイト?」
「違うわ!クエストよ!今、丁度割のいいクエストが張り出されてるの。」
「クエストって......冒険者ギルドの?」
「そう。冒険者登録して、クエストを受注する。」
「でもさ、騎士って冒険者をあまりよく思ってないんじゃないのか?いわば、私たちって騎士見習いだぞ?」
「ちっちっち。甘いわね、ナツキ!もう既にそんな前時代的な考えをしている人は少ないわ!現に、副教官だって元冒険者じゃないの!」
確かに、副教官殿はもと冒険者だ。冒険者時代はその才能と能力、そして知恵をもってして大暴れしていたらしい。その名声は人間界にもとどろくほどだったという。そのため、チンピラに絡まれることも多く......大暴れして、衛兵や騎士とも顔を合わせることが多かったらしい。
「まぁ、そんなら心配ないか。ミルアが言うんだしね」
「そうよ!任せときなさい!」
ミルアって、しっかりしてるっぽい雰囲気なんだけど、最後は結局どこかで失敗するんだよなぁ......こう、自信満々の時は特にひどい失敗をしたり......。不安だ。不安すぎる。
「それで、今回受注するクエストって?」
「そうね、今回受注するクエストは......」




