1話 ここはどこ?私は誰?って、状況は恐怖しかないんだなって実感してます。
ついに本格始動!一話、始まりました!これから長くなると思いますが、どうぞ最後までお付き合い下さい!
「.........痛っつ」
.........ほぅっ。
生きてる。あれか。テレビとかで良くやってた、奇跡的に助かった事故の瞬間とか言うヤツか。とりあえず、良かったのか良くなかったかは解らないけど、生きてるのか、俺。
なんか辺りが暗くて何も見えないな............っち。何がなんだか解らない。何故救急車も何も来ない?多分右腕が折れてるんだけど。何故警察やら事故処理車やらが来ない?結構大きい事故だった。これはおかしい。しかも、人の声も聞こえない。車の音?...........聞こえない。夜中の人通りが余り無い道だからかもしれないけど、全く車の音が聞こえない。普通は遠くで車の音が聞こえるはず。
俺の家は結構都会にある。夜も絶えず車の音は聞こえる。...........耳を澄ます。
ザ...........ザァァァァァァァ...........
いや、なんの音だよ?ポカーンとしてしまったわ。ブオーンっていう感じの車の音ならわかる。ザザァァァって。え?こんな音、俺の家の近くで聞いたことないんだけど。
「...........聴こえないなぁ。どーなってんだこれ。」
うーん、おかしい。聞こえたのは車の音じゃないし、俺、車に轢かれたんだよな?だとしたらどう考えても対応がおかしすぎる。こんなにも遅いか?絶対救急車が呼ばれてると思うんだけど。って言うかなんの音だよ。海?...........草の音?
そういえば、俺が今座ってるのも草の上っぽい?
「まさか。なんでアスファルトの上ではねられて、草の上にいるんだよ。」
っていうか、車云々救急車云々じゃなくて、轢いたんだから助けに来るってのが常識でしょ!?なーにやってんだあの運転手は。......まぁ俺が悪いんだけどさ。本当に。あの運転手さん、やっぱり罰則があるのかな......免停とかになったらどうしよ。
後で連絡先聞いて、菓子折りでも持って謝罪しに行こう。でも、ギプス見て気を悪くしないかな......。心配だな。
あ、そういえば近くに空き地があった。今そこにいるんじゃないかな。そこは確か草ボーボーになってたから。そういやこの地形、なんか覚えてる気がする!ここら辺に小っちゃい木があって......ほら!やっぱりそうだ!
なんか現在位置が分かっただけで、かなり不安が取れたかも。よしっ。暇だから問題集でもやってようかな。一応塾帰りだったし。
おかしい。いくら何でもおかしすぎる。どうすればいいんだ。問題集が八割がた終わっちゃったぞ!?もともとあまり手を付けてなかったのに!←おい。確かに手を付けてなかったのはさぼりだけど......今はそんなことどうでもいい!不安を抑えるためにプランプランな左腕を我慢して、頑張って問題集といてたんだぞ!?っていうかなんでこんなに霧が濃いんだよ!?おかしいだろ!?こんなの、もう......
「あ。もしかして。......馬鹿げてる。俺がこんなこと考えるなんて。」
一瞬頭をよぎった考え。これって、異世界転移ってやつじゃないか?馬鹿げてる。本当にばかばかしい。異世界転移って......。そんなの、常識的に考えてありえない!ライトノベルの世界じゃないんだから。
「でも、そうとしか考えられなくないか?だって、急にこんな霧が濃くて真っ暗な場所に来たら......」
俺の家は、俺が通ってた道は都会にある。都会の道が夜でも真っ暗になるだろうか?いや、明るい位だ。でも、轢かれた場所はそれなりに暗かったような。......こんなには暗くなかったけど。
スマホも問題集解くときに灯りとして使って電池残量が残り数パーセントだ。もちろん都合よくソーラーパネル付きのモバイルバッテリーなんて持ってない。ただのモバイルバッテリーは持ってるけど。
「そうだスマホ!」
スマホの現在位置を表示するマップで今自分がどこにいるかわかるはず!さすがは俺、あったまイイ!たしか、現在位置が表示されるマップ機能は......
「あったこれだ!Goo〇leマップ!これを開けば......は?」
思わず間抜けな声を出してしまった。だって、周りには特に何もない平地が広がってて、自分が居るところが幻獣の森って書いてあるんだもん。アニメショップかネカフェの名前かな?そういえばこのアプリ、最近更新してないからなぁ。マップ使わないからする必要ないんだよねぇ。
「あ!電池......」
気が付いた時にはもう遅く、コードをつなげた瞬間には真っ暗な画面。最悪だ。これで俺は真っ暗闇な【幻獣の森】で一晩過ごさなきゃいけなくなった。しかも、今の時期は三月。バカみたいに寒いのに、軽く羽織る薄手の長そでシャツしか持ってない。もう一度言っておこう。最悪だちくしょー。神様は俺に何のうらみがあるってんだバカヤロー。
「こんなの嘘だよ。多分、病院のベッドの上で昏睡状態とか......」
やば。今すごい嫌な考えが頭をよぎった。このまま一生目覚めることなく、この空間に居続けるんじゃないかって。いや、ここが本当に異世界なら、目が覚めることなんて絶対にないのか。
......まて。そもそも異世界だったらとか言ってるけど、この世界......もし仮にここが異世界だったら、この世界に人間はいるのか?知能をもって会話ができる生物はいるのか?......大体の小説やアニメで人間はいるから心配しなかったけど、実際にいるかどうかはわからない。もし恐竜とか知能の低い大型肉食獣とかしか居ない世界だったら、俺の生存は絶望だ。
「そもそも、ここが本当に異世界なら幻獣の森って名前からして......」
絶対にやばいところだ。違いない。いや、これはゆめだ。だって、異世界でアプリの地図が使えるわけない。この地形とかって人工衛星で観測してるんでしょ?異世界に人工衛星が飛んでるわけないし、そもそもスマホがその情報を受信できるはずもない。いや、地球よりも高度に発達した文明だったらあり得る......?
って言ってても仕方がない。朝になったら行動してみよう。まて。この世界は地球と同じで24時間周期で日が変わるんだろうか?もしかしたら、地球で言うとことの十日とかで一日が変わるかもしれない。でも、気温が大丈夫だからそのほかも平気だと信じたい。
「怖い。怖すぎる。」
ちょっとちびっちゃったじゃねーか。もう良いよ。もうギブアップだ。ドッキリだって言ってくれ。テレビの企画で、【異世界に転移しちゃったドッキリ】とか言って。今なら訴訟も起こさないから!左腕が折れたことに関してもぐちゃぐちゃ言わないから!さっきまで賠償金ふんだくるって思ってたけど、もうそんなこと考えないから!
ってマジでそんなこと言ってる場合じゃないぞ。なんか、耳を澄ますと変な音が聞こえてくるような......まるで、何かのうめき声みたいな。
グルルルルル......
気のせいじゃ、ないよな。何か、けもののようなうめき声が......したような。いや、たぶんした。うめき声がした。どう考えてもこの状況はおかしい。......誰だってわかる。暗くて霧がかってる森の中でけもののうめき声。ヤバいにおいしかしない。三日置いたシメサバ位ヤバいにおいがする。
ああ、どうしようか。いや、どうしようも何もないんだけどさ。ただ祈るしかない。だって、周り暗いんだから逃げたって見えなくて喰い殺されるのがオチだし。コイツの鼻が詰まってますよーに。それで俺の匂いがばれませんよーに。
誤字脱字等は圧倒的スルースキルで見逃してください。親切な人は感想で指摘してしてくださるとめちゃくちゃありがたいです(^▽^)/