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13話 スポーツとかしないくせに持久走大会でめちゃ速い奴っていたよね


タイトルを決めるのに毎回結構な時間を要する。......タイトルが内容にあまり関係しないときもありがち。むずかしいね、タイトルって。






「単純に攻撃系の技を使えば......筋力のステが上がるはず!」


ズパッ!


そして、攻撃ではなく、剣での防御!


「これは防御力と武器スキルのスキルポイント上昇!」


そして、俺が今持っている最大の技......!逃走!これは俊敏!逃走する行為とか、意識して速い行動をすると、俊敏のステータスが刺激を受けて成長する!


「死ぬ気で逃げたるわぁああぁぁぁぁあああぁぃい!!」


俊敏......これは、武器を使う上でも重要だけど、足の速さや反応速度にも関係する。もしかしたら戦闘で一番役に立つのは俊敏スキルかもしれない。


「うわぁぁぁぁああああ!ちょっと!ちょっとタンマ!待って待って!」


......俊敏でオオカミの魔物にかなうはずなかった。今にも追いつかれそうで、追いつかれたらパクっとやられるのは確実で。......おおう。俺はまたオオカミにトラウマを植え付けられるのか。アレだな。オオカミの話してるのにトラウマってなんかおかしいな。......何を言っているのだろうか俺は。


こうなれば、一か八か......!


「とうっ!」


頭上を横断している木の枝に......捕まって!ターザン!


『ふっ!』


スタッ。華麗に着地!


みたいな感じで。


「うわぁぁぁぁああああ!?!?!?」


あ!これアレだわ!勢いつけて態勢戻さないと背中から地面にたたきつけられる奴だわ!た、助けて!前が茂っててよく見えなかったけど、なんか六メートルくらいの崖になってる!?この高さで背中から落ちたらいろいろ終わる!こうなったら空中で意地でも体をひねって無理やり態勢を......整えるっ!


ゴキッ。


あ。


「......あ。」


無理にひねったら腰が変な音!?こ、腰が痛――――――――――――――――


ガサガサガサガサっ!ドサッ!!!


「う、あ......し、下が茂ってて助かった......。うんしょっと......あがぁっ!?!?」


やば。これって、ぎっくり腰ってやつ?......正直、動ける気がしない。うん。あ、なんか今の動きで新しいスキル手に入れたっぽい。【軽業師(アクロバット)スキル】だって。名前からして、アクロバットな動きを出来るようになるんだろ。......装置を使わずに立体な動きが出来るようになる。それを、戦闘で実現できるってわけだ。ワイヤアクションか。スパイ映画であるワイヤーフック射出銃みたいなの作れないかな?それを組み合わせたら三次元的な戦闘が出来そう。うん。


「魔力使えないから身体強化も出来なさそうだし、どうしよっか。」


う~む。あ、そうじゃん。アレがあるじゃん。


「変身_____!」



バキバキメキゴキ......!



「ふぅ。死ぬかと思った。しかし、久しぶりにこの姿になるな。」


暴れる音とうめき声が響いた後、ゆっくり立ち上がったのはミツアキだった。人間の男の姿のミツアキ。......久しぶりって言っても、外見と記憶以外は新しいからなぁ。


「......ふっ。ナツキはなぁ、痛みにくじけないんだよっ!【変身!】」


バキメキ......以下略。


「ふぅ。三途の川みたいなのが見えた気がする。」


そうなのだ。この変身。細胞をおニューなものにするから、傷やらケガやら無くなっちゃうのだ。......細胞をおニューにするからなんだろうか?実のところ変身してケガや病気が治る仕組み(メカニズム)は解ってない。そんなの知るわけないじゃん。医者じゃあるまいし。


「おお......身体(からだ)全身が痛いけど、ケガが無くなってる......!にしても、いい加減鑑定スキルが欲しくなってきたな。なんか、ゲームっぽくHPとかMPとかで表記されるらしいから、絶対分かりやすいんだよね。鑑定スキルもポイントが上がると細かく状態知れるらしいし。」


スキルポイントマックスの鑑定スキルでどの程度の情報を手に入れられるかというと、目の前にあるものについて知りたい情報すべてを見ることができるらしい。この世界では認知されていない物質の質量とかも。......頑張ればウイルスの情報とかも読み取れるかも。......どうやって標準定めるんだ?


「あ......鑑定といえば。」


見習い兵士登録の鑑定をしてもらったとき、気になることがあったような......あ、そうそう。たしか、装備品に【白羽ペン】って言うのが......。羽ペンならたしか、転移してきたときに持ってたカバンの中に入ってたんだけど......。今は宿の部屋にあるはずだ。でも、羽ペンを装備?分けわからんくね?......他にも武器に鳴りそうなの入ってたし。ボールペンとか。+ドライバーとか。


「装備が羽ペン......か。もしかしたら、羽ペンに特別な力があるとか?この世界では魔法の杖の代わりに魔法の羽ペンを使うとか?」


もしかしたらこの世界では魔法発動の媒体に、杖を使うんじゃなくて羽ペンを使うのかも!?んなわけないか。大体、羽ペンって言うのも見間違いだろ。それか、あのジイさんのつまらない冗談とか。でも......でも、少し気になることがあったんだよな......あの羽ペン、あの時少し......。


「しっかし、本当に便利だな、変身。隙があれば無限に使えるもんな。」


俺はもうこれがスキルになってたって言われても納得するね。【変身スキル】ってね。でもアレだな。流石に魔法_____魔力が使いづらいとなると、ダークエルフだけでやってくのも限界かな?魔力使えないと、色々試したいことが試せないしね。それに、身体強化とか必要だろ?_____え?なんで必要かって?ロマンだよ、ロ・マ・ン!!!身体強化でドヒュっと敵の後ろに回り込んで、


『な!?なんだと!?』

『......遅いな。』


ってやりたいじゃん!!!!あ、俺が......遅いな。って言った方だからね?俺、な!?なんだと!?じゃないよ?魔法か。あとは............


「魔法を使っての生産チート......か。」


前住んでいた世界......地球は、魔法の技術は無くても機械を使った技術はあった。耐震構造のビルとか、衝撃吸収材とか。ばねとか作れば、一気にモノづくりの幅が広がる。あとは、プラスチック素材......シリコン......。可能性は無限大だな。もしかしたら、魔術を使って前の世界では出来なかった実験ができるかもしれない。熱や圧力を発生させれば、ダイアモンドとかつくれるかも!?


......それだ。......どれだ?一瞬名案が頭の中に浮かんだ気がするんだが、気のせいか?宝石で資金チートをしようとしたわけではないしな。ま、いっか。魔王軍の中での俺の立ち位置......将来的にどうなるのか。それも不安ではあるな。


「参謀......か。昔はあこがれたよな、そういうの。ま、非現実的ってこと解ってる今はそうでもないんだけどさ。」


作戦の立案とその作戦を現実にさせる頭の回転と機転......。俺には荷が重すぎる。せいぜいアイデア力と純粋なパワーで力になるさ。パワーで力?力で力になる?う~ん。うん?


「それと、変身についても......」


変身はアレだな。どうやら、レベルとかは共通なんだな。ダークエルフで50だったら、人間でも50。ステータスも、種族で違うって感じか。でも、人間の50レベとダークエルフの50レベルではステータスが違ったな。オオカミの三歳と人間の三歳では全く違うって言う感じだな。


「ふむふむ。変身については少しだけ解ってきた。問題は、スキルについてだよな......リーナは調べるって言ってたから、恐らく一覧のようなものがあるんだろうけど。」


そう、変身するたびに死ぬ思いをしていたらやってられないという話だ。なら、痛覚無効のスキルを手に入れて、自由に変身できるようになりたい。でないと、これを活用することなんて不可能に近い。


「それと、やっぱ重要なのがアレだな。......スタミナ。ぶはぁっ......!正直、もう走れる気がしない!」


変身は体力を予想以上に使うらしい。いままで連続で変身などしたことがなかったので、気が付かなかったが、これは、マズい事態になった。なんせ、変身で傷を回復させてもその後すぐに見つかったら、体力がなくて普通に殺されるなんてことになったら意味ないもんな。うむ、由々しき事態だ。改善の必要があるな。......それにしても、由々しきの由々しきってなんなんだろな。なんとなく重大なって意味なのは解るけど、『由々』ってなんだ?......まぁいいか。


「スタミナ......か。素振りばっかりやってても、スタミナが付くわきゃねーよな。走り込みでもするかぁ......でも、朝方走り回るっていうのもなぁ......」


朝方街を走り回る女。どう考えても不審者だろ。......この世界ではあまりランニングやらは一般的ではないらしい。というのも、一般人が体を動かすのは仕事か農作業くらいだから、趣味で走ったりするのは普通ではないらしい。でも、ベテラン冒険者などは訓練の一環として走ることもあるそうだが。騎士養成所では実戦を重んじるらしく、素振りの他には木剣を使った試合や、治療術師監視の下で行われる真剣を用いた試合とかな。


「多少は覚悟しなきゃかなぁ......」


実は、俺は『ナツキは教官のコネで騎士養成所に入団した。コネで騎士に叙任することが決まってる』と、噂されてる。一体どこからかぎつけてくるんだろうね?......あながち間違ってもいないのが立ち悪い。しかも、教官、副教官に良くしてもらってる俺が妬ましいのかなんなのか、いじめじみたことをされることも多い。シャワー浴びてたら上から木桶とかな。......血が頭からでろでろ出てきたときは、さすがにキレかけた。


「また変な噂されるんだろうが、教官とのつながりを噂されている手前、助けてもらうわけには行かないよな......そうなったらますます信憑性が増すってね」


それに、今俺はリーナや副教官に助けてもらえるほど甘い立場にはいない。借金はかさむ一方だし、恩も返せてない。幸い利息は無いが、騎士に叙任しないと給金ももらえない。......どうにかして噂のもとを断てればいいんだけどな。


現状把握は置いておいて、それにしても......


「スタミナ、回復するの遅いな......持久走大会の後くらいか」


......俺は、スタミナが少ない方だ。だから、持久走大会は後ろから数えた方が早いからな。短距離タイプだったし。まぁ、自分のスタミナに執着がなかったからな。......これからは執着していかないとだな。


(つら)いなー」


そう言えば関係ないけど、普段スポーツとかやってないのに持久走大会ではめちゃくそ早い奴っていたよな。......本当に関係ないけど。








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