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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第13シーズン 招き猫と冒険者
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第86話 新しい友達(中)

シローが森で出会ったのは……。


 王都から西方の森までは、馬車を飛ばしても一週間以上かかるのだが、飛行型点ちゃん1号だと、あっという間だ。

 今は、上空に停めた機体から、眼下に広がる森を点ちゃんに調べてもらっているところだ。


「あら、これはこの世界のお茶ですか?」


 お茶を一口飲んだルルが微笑んでいる。

 美味しかったらしい。


「そう、ベラコス、ああ、ルエランがいた町だけど、あそこで買っておいたんだ。

 これ『ラシカル茶』って名前なんだ」


 ミカンの木に似た、『ラシカル』という灌木の樹皮を乾燥させ粉末にしたお茶は、お湯を注ぐと花のような香りが立つ。

 味には独特の渋みと酸味、それにほのかな甘みがあり、飲みなれると癖になる。


「そういえば、二人だけでお茶するって久しぶりだよね」


「そ、そうですね」


 ルルはカップで顔を隠すようにお茶を飲んだが、その頬はピンクに染まっていた。

 彼女と知りあってから、それなりの時間が過ぎているが、その初々しさと可憐さは変わらない。

 俺の視線に気づいたルルが、何か言おうとした時、点ちゃんの念話が聞こえた。


『(・ω・)ノ ご主人様、見つけたー。魔獣の群れが、ちょうど真下にいるよ』

 

 点ちゃん、ご苦労様。


「点ちゃん、ありがとう」


『p(≧▽≦)q えへへ、ルルさんにお礼されちゃった』


 ああ、ルルとも念話を繋いでたんだね。

 じゃ、さっそく討伐開始といきますか!


 ◇


 点ちゃん1号から二人乗りのボードに乗りうつり、ゆっくりと降下する。

 下には森がどこまでも広がっている。

 地面が見えないほど木々が繁っていた。

 

 木を傷つけないように、点シートで作った細い筒を地上に伸ばし、それをゆっくり広げていく。こうすることで、地上までの通路が確保できるのだ。

 透明な筒の中へボードを入れ、降下していく。


「みみみっ!」(気をつけて)


 地上に降りると、肩に乗ったブランが警戒するよう教えてくれる。

 白い魔獣が木立から現れ、俺たちをとり囲む。

 

「シローさん、この魔獣って――」


「ああ、『ホワイトエイプ』だね、ルル」


 現れた魔獣は、アリストがあるパンゲア世界に生息している、猿に似た『ホワイトエイプ』そっくりだった。

 ただ、ホワイトエイプに比べ、この魔獣は二回り以上大きい。

 こうなると、もう猿というよりゴリラだね。


「ウォホン!」


 咳払いのよう音が聞こえると、それまで俺たちを警戒し、少し距離を空けていた無数の魔獣が、一斉に襲いかかってきた。

 しかし、ヤツらの攻撃は、俺たちの周囲に張りめぐらされた、透明な点シールドの壁に阻まれるだけだ。

 なんか、むちゃくちゃ怒ってるよ、ゴリラたち。顔が怖い。


 ゴリラたちの群れがさっと二つに割れると、そこから巨大な白い魔獣が姿を現した。

 でも、やっぱりゴリラだった。

 身長が三メートルくらいありそうだね。


 他のゴリラが後ろに下がったから、コイツがボスだろう。

 胸を打ちならし、何か咆えてるようだ。

 だけど、点シールドで隔ててるから、小さな声になっちゃってる。


『(Pω・) 群れのボスですよ。ご主人様、この魔獣、かなり知能が高いみたいです』

 

 えっ? ホント?

 じゃあ、討伐しなくても済むかもしれない。

 ちょっと、やってみようか。


 前にあるシールドを一瞬消し、俺だけが点シールドの外に出た。


「シロー、気をつけて!」


 ルルの声を背にボスゴリラへ近づく。

 目の前で見るゴリラ型魔獣は、見上げるほど大きかった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 シローが出会ったのは、巨大なお猿さんでした。

 この辺がシローらしいですね。


シロー「どこが!?」


『(*'▽') ご主人様、ぱねー!』


シロー「……」


 では、明日へつづく。

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