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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第13シーズン 招き猫と冒険者
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第65話 温泉風呂計画

 こういうのも「お風呂回」って言うのかな?


 俺たちが転移したのは、かつて互いに争っていた、男性国家イスタリア、女性国家ウエスタリア、両国の中間地点に建っている『結びの家』の前だ。

 この家は、『結び世界』における俺の拠点でもある。


 到着したのが、あいにく夜中だったので、『結びの家』は閉まっていた。

 カギは簡単に開けられるから、中に入ってもいいのだが、朝までキャンプすることにする。

 ミミとポルに渡した試作テントを元に、改良型のポチボンテントを三つ作り、それをリーヴァスさん、ルル、翔太に渡す。

 それぞれが、青い玉を地面に投げ、一瞬でテントを設営する。 

 

 リーヴァスさんのテントには、ハーディ卿、軍師ショーカ。

 ルルのテントには、コルナ、コリーダ、舞子、黒騎士。

 翔太のテントは子供専用で、ナル、メル、エミリー。

 子供用のテントだけ、扉の開け閉めは俺がする。


 ミミとポルは、使いなれた旧型のテントを二人で使う。

 俺は「仕事」があるから、一人だけ別のテントだ。


 お風呂つきのテントは好評で、特に星空が見える透明キャノピーにみんなが喜んだ。

 大人向けのテントには、お酒もあるから、いまごろ酒盛りをしているかもしれない。

 

 ◇


『(?ω?) ご主人様ー、このテントだけ変だね』


 点ちゃん、どうしてそう思うの?

 

『(・ω・)つ(♨) だって、このテントだけお風呂しかないよ』


 そう、俺のテントは、中央に大きな浴槽が一つデンと据えてある。

 部屋の隅にはトイレの区画もあるのだが、八畳ほどの床ほとんどは浴槽が占めている。

 しかもその浴槽、俺の体に合わせた形をしていて、人型の窪みに体を合わせると、体を伸ばした姿勢で斜めにお風呂に入れる。

 背中と脇からジャグジーの泡が湧くようにできている。

 頭が当たる部分には、キューの毛で作ったクッションが置いてある。


 うおーっ!

 なんだこりゃ!

 最高に気持ちいいぞ!


 実は、他のテントでは、給湯にお湯の魔道具を使っているのだが、このテントだけ温泉水のアーティストが備えつけてある。

 星空を眺めながらジャグジーバスを楽しむのは、もう最高だなー!


「「「クスッ」」」


 えっ?

 声がした方を見ると、テントの入り口に顔が縦に四つ並んでいる。

 怖い。


「シロー、今日はお仕事があるとかで、一人用のテントにしたんですよね?」


 一番上の顔からルルの声がする。


「お兄ちゃん、お仕事大変だね~?」


 二番目の顔はコルナ、お前か!


「シローのハ・ダ・カ、ウフフ」


 三番目の顔はコリーダ、やめてくれ!


「し、史郎君……」


 一番下の顔は舞子か! 聖女までが、なぜ覗きを!?

 

 その後、どうなったかって?

 浴槽の形を変えて、女性四人が入れるようにしましたよ。

 俺? 水着で入浴する彼女たちに背を向けて、部屋の隅っこに置いたちゃぶ台で反省文を書かされてましたが、なにか?


 だけど、なんで俺が特別製のお風呂に入るって、彼女たちに分かったのかな?

 だいたい、このテント、俺と点ちゃんしか扉を開けない……ああっ!

 点ちゃんか!


『( ̄▽ ̄) ブランちゃんも活躍したよねー!』

「ミュー!」(活躍ー!)


 あーっ、頭の中にあった温泉風呂計画、ブランが読んだな!

 

 こうして『結び世界』最初の夜は、俺にとってなんだか悲しいものになってしまった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 自分だけ楽しもうとして、えらい目に遭ったシロー。

 次話でもえらい目に……大丈夫か、シロー君。

 明日へ続く。

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