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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第13シーズン 招き猫と冒険者
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第57話 ドラゴニア世界から田園都市世界へ

『ドラゴニア世界』での旅と商売も今話まで。

舞台は『田園都市世界』へと移ります。


 イオと竜人の国に戻り、ネアさんや支店の従業員に挨拶した後、真竜廟で子竜の世話をしていたルルたちと合流する。


 ナルとメルは、さっそくルルに甘えている。

 そして、その横には同じように彼女に甘えている三人の幼児がいた。


「この子たちも、人化を覚えたんです」

 

 ルルが嬉しそうに小さな二人の幼な子を指さす。

 少し前までは、ぬいぐるみにしか化けられなかったのだから、凄い進歩だ。


『こやつら、我の予想を超えて成長しておる』

 

 竜王様の念話もどこか誇らしげだ。 

 コリーダ、コルナも、三人ずつ幼い子供をあやしている。

 

「竜王様、また近いうちに来ますね」


『おお、この子らのためにもそうしてやってくれ』  


「マンマー、バイバイ!」

「マンマ!」

「マーマ!」


 人化した子竜たちの見送りを受け、俺たちは次の世界へ転移した。


 ◇


「まっ、また森の中!?」

「ここどこ?」

「何が出る?」


 俺たちが現われたのは、森の中だった。

 天竜国で竜王様に驚いた、ショーカ、黒騎士、ハーディ卿は、びくびく周囲を見回している。

 早朝の森は、鳥の鳴き声と木々の匂いが気持ちよかった。

 

「ええ、最初に言っておくけど、この森は危険な魔獣は今のところ、確認されていないよ。  

 ここは、俺が『田園都市世界』って呼んでる世界なんだ。

 かなり風変わりな社会だから、街に出る前に、ここで準備しておこう」  

 

 飛行機型の点ちゃん1号を出し、みんなには、その中に用意したくつろぎ空間に入ってもらう。


「この世界は、ポータルズ世界群からしばらく離れていたんだよ。

 そのため、特殊な社会が形づくられたようなんだ」


 それぞれが、思い思いの格好でくつろいだところで、『田園都市世界』の説明に入る。

 ナルとメルもいるから、説明は『学園都市世界』の研究者が実験的な社会を作ったという程度にとどめておく。 

 

「実は知りあいが二人だけいるんだけど、今は留守みたいだね」


 銀さんとタム少年、二人が住んでいた小屋に点を飛ばし調べてみたが、そこには誰もいなかった。

 調査範囲を拡大すると、二人を示す光点が街にある。


「では、昼食、ああ、この世界では朝食か、それは街で食べようか。

 じゃ、みんな出かける用意してね」


 ◇


 森から草原まで歩き、そこからは、点ちゃん4号(改)を出し、それに乗る。


 白銀色の機体は、バイクを模している。 

 前輪、後輪があるべきところに、それぞれボードが着けてある。

 地面から二十センチほど上を滑るように進む。

 左右の方向転換は体重移動とハンドル操作でおこない、ブレーキは手元にあるレバーを引けば、点魔法の『付与 重力』が進行方向の逆にかかるようになっている。


 ルル、コルナ、コリーダはそれぞれやや小型の4号(改)に乗る。

 それぞれの魔獣は、バイクならスピードメーターがある部分に座席が用意してある。  

 バイクの免許も持っている黒騎士は、すぐに運転の要領を理解した。彼女が運転する4号(改)の後部座席には、ショーカが乗ることとなった。仲が悪い二人は、さっそく口喧嘩してるけどね。

 エミリーと翔太は、通常サイズの4号(改)に着けた二人用のサイドカーに乗りこむ。運転するのはハーディ卿だ。


「エミリー、パパがぶっ飛ばすのを見ておくれ!」


 以前からこのバイクに乗りたがっていたハーディ卿は、やけに張りきっている。

 まあ、ぶっ飛ばそうにも、スピードはこちらでもコントロールできるから無理なんだけどね。


「ほう!

 話にはきいていましたが、これはイイですな!」


 リーヴァスさんのバイクは、大型でスピードと操作性を向上させた最新型だ。

 これは真紅の機体となっている。

 

「パーパ、これだけまっ黒ー!」

「カッコイイ!」


 ナルとメルは、オリジナルの点ちゃん4号(改)に備えつけたサイドカーの中だ。

 ナルが前、メルが後ろに座り、メルの膝にブランが乗った。

 この機体だけは、俺と点ちゃん二人で操作する。


『p(≧▽≦)q じゃー、みんな街へゴー!』

 

「「「おー!」」」


 俺の家族とハーディ卿が突然歓声を上げたので、点ちゃんの念話が聞こえないショーカがキョロキョロしているのが面白かった。


 のどかな田園風景の中、俺たちの「バイク」は一団となり、舗装されていない長い直線道路を走る。


「ひゃーっ、ほうっ!」


 そんな声を上げるハーディ卿を、サイドカーに乗るエミリーが微笑んで見上げている。

 みんなの笑顔が気持ちいいね。


『(^▽^)/ 4号サイコー!』


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 子竜たち、人化できるようになってよかたね。

 いっぱい、マンマに甘えてね。

 

『(≧▽≦) うひゃーっ!』


 点ちゃんは、史郎と一緒にバイク型4号を運転できたのが楽しかったみたいだね。

 明日へつづく。

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