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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第13シーズン 招き猫と冒険者
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第47話 海中散歩

『(*'▽') う~っ、マンボウ!』


 会議が終わると、参加者全員をビーチに瞬間移動させる。

 

「まあ! 

 素晴らしいわ!」


 白い砂浜と青い海を目にしたドーラが感動している。

 

「こりゃいい!

 まさにリゾートって感じだな!」


 ビーチで遊んでいる俺の家族を見たダンは、早く泳ぎたいのだろう、そわそわしている。

 

「あっ、ホープちゃん!」

「わあっ!」


 エミリーと翔太が、ベビーカーで寝ているホープに夢中になる。

 彼らは以前、ホープと会ったことがあるからね。

 みんなが集まって来たので、声を掛けておく。


「ええ、これから海中散歩を行います。

 希望者は『海の家』の前に集合してください」


「シロー、海中散歩ってなに?」


 コリーダが首を傾げている。


「まあ、楽しみにしててよ」


 ◇


 結局、ホープの世話をするドーラとダン、泉に水くみに行くリーヴァスさん、ミミ、ポル以外の全員が『海の家』前に集まった。


 点魔法で、二十メートルくらいの桟橋を砂浜から伸ばす。

 ダンが連れてきた支店の社員は、この時点で目を丸くしている。

 まだ、驚くの早いよ?


 みんなが桟橋の先端辺り集合したので、点ちゃん5号(改)を少し沖に出す。

 その形にちなんで『マンボウ』と名づけた潜水艇は、全長十五メートルほどの縦に平べったい白銀の機体だ。

 前部横に海中を照らすためのライトが装備されているが、これが目玉っぽい。


「うわっ!」

「なっ、なんだっ!?」

「魔獣!?」


 大人たちが騒ぐ中、ナルとメルは興奮してぴょんぴょん跳ねている。


「ね、パーパ、これな~に?」

「おっきいね!」


「これはね、『マンボウ』っていう乗り物なんだよ」


 海に浮かべた『マンボウ』を、みんなが立つ桟橋に向ける。


「う、うわっ!?」

「こ、こっちに来る!?」

「な、なんだこいつ!?」


 おいおい、たった今、「乗り物」って説明したよね。


「ええ、それでは、これに乗ってください」


 潜水艇である『マンボウ』の上部ハッチへ登る階段を作る。

 ハッチからは梯子で船室まで降りる仕組みだ。

 まず俺が乗りこみ、お手本を見せる。

  

 機体前部にある操縦席に座る。俺の左右にはナルとメルが座っている。

 他のみんなは、左右二列ずつに分かれた座席に着いた。

 

「では、出発します!」


「「わーい!」」


 船がゆっくり桟橋を離れる。

 景色がよく見えるように機体の大部分を透明にする。


「「「おおっ!」」」

  

 それだけで歓声が上がった。

 

「あっ!

 し、沈んでる!?」

「リーダー!

 沈んでます!」

「た、助けてーっ!」


「みなさん、ご安心ください。

 この『マンボウ』は海中を進むための船です」


「「「ええっ!?」」」


 今まで、色んな世界を訪れたけど、潜水艇って見たことないんだよね。

 もしかして、みんな初めて見たのかな?


 みんなの驚きは、すぐ別の驚きにとってかわった。

 海中に極彩色の世界が広がっていたからだ。

 色とりどりの魚やサンゴが彩るその世界は、誰でも心奪われずにいられないだろう。


「キレイ!」

「あのお魚、食べられる?」 


 ナルとメルは、身を乗りだして海中散歩を楽しんでいる。

 大型の魚やクラゲ、イカに似た生き物が横切ると、悲鳴や歓声で船室がうるさいほどだ。

 振りかえると、すぐ後ろの座席に座るエミリーと翔太が手を繋いで窓から外を見ている。二人とも、目がキラキラしているから、『海中散歩』は成功かな?


「パーパ、あのカニ美味しそうだよ。

 獲らないの?」


 メルが指さす方を見ると、岩の上に大きなカニがいる。

 体調が一メートルくらいあるそのカニは、勇敢にも『マンボウ』を威嚇するように、両方の爪を振りあげた。 

 よく見ると、その足元に子ガニがたくさん並んでいた。


「メル、見てごらん。

 大きなカニはあの子たちのママだね」  


「あ、ホントだ!

 ママがいなくなると、あの子たちが困るね」


「そうだよ。

 だから、そっとしておこうか」


「うん!

 カニさん、バイバーイ!」


 メルが笑顔で手を振る。

 なぜか、カニの親子もみんなが動きを合わせ爪を振っている。

 

「カニさんには、メルが挨拶してるのが分かったみたいだね」


「えへへへ」


 一時間ほどの海中散歩は、無事終わった。

 桟橋に降りたみんなが口々にその感想を言う。

 

「シローさん、海中散歩ですか、ぜひまたお願いします!」

「海の中って、すっごく綺麗なんですね!

 次は彼女と一緒に来たいなあ」

「私、まだ夢の中にいるようだわ!」


 ポンポコ商会支店の社員も喜んでくれたようだ。


「シロー、次は二人だけで散歩しよう」

「わっ、コリーダずるい!

 お兄ちゃん、私とも散歩するでしょ?!」

「海の中、すっごく素敵でした。

 またみんなで来ましょうね!」

「夢みたい」


 コリーダ、コルナ、ルル、舞子も楽しんだようだ。


「ナル、メル、海の中をお散歩してみてどうだった?」

 

 ナルとメルは、なぜか自分の頬を両手ではさみ、唇を突きだした。


「「う~っ、マンボウ♪」」


 えっ!? 『マンボウ』のマネ?

 あっ、点ちゃん、二人に変なこと教えたでしょ!


『(*'▽') ご主人様がやってたの見て覚えたー!』

「ミー!」(やってたね!)


 えーと、どうやら元々の原因は俺でした。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 久々の潜水艇マンボウでした。

 南の島で楽しむバカンスにはぴったりの乗り物ですね。

 次話から、舞台はドラゴニア世界へ。

 明日へつづく。

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