表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第12シーズン 放浪編
604/927

第76話 光明

史郎は得体の知れない空間を脱けだせるのか?


 ルル、コルナ、コリーダが『くつろぎの家』の屋上にあるジャグジーバスで緊張した体を解きほぐした夜。

 ルルとコリーダは早い時間に自室で寝てしまった。

 疲れからか、コルナは、かえって眼が冴え眠れないでいた。


 明日もシローの手がかりを探す事を考えると、今は体を休めなければならない。しかし、そう思えば思うほど、眠りは遠ざかっていった。

 そして、『神樹戦役』の際、特別な魔術を習得するため、猫賢者と洞窟に籠った時の感覚が蘇ってきた。

 それは、無意識が生みだす広大な世界だった。


 久しぶりにその世界に足を踏みいれたコルナは、自分が光の玉となり、何もない空間でふわふわ浮いているに気づいた。

 そして、別の何かが近くにいるのを感じた。

 それはすい寄せられるようにコルナへ近づいてきた。

 光だけの存在となった彼女だが、近づいてくるのが二つの光る玉だと分かった。

 コルナは、直感でそれがルルとコリーダだと気づいた。


『ルル、コリーダ!』


『コルナ?』

『コルナなの?』 


『やっぱり、二人だったのね』


『これは夢かしら?』


 ルルである光の玉が明滅する。


『夢ではないわ。

 恐らく、無意識の世界ね』


『私たちの無意識の世界が繋がったってことかしら?』

 

『そのようよ、コリーダ』


 コルナは、光の玉となった二つの存在を自分に引きよせた。

 光の玉は一つとなり、強い光を放った。


『ルル、コリーダ』

『コリーダ、コルナ』

『コルナ、ルル』


 一つになった彼女たちは、お互いの深い気持ちに気づかされた。


『『『シロー』』』


 そのとき、三人が一つとなった光の玉は、何かを感じた。

 そして、一つの玉となったまま、その感じたものの方へふわふわと漂いだした。


 ◇


 俺は、虚無から抜けだせずにいた。

 ここには時間がないため、入ってきてからどれほどたつか、それを考えても無意味だった。

 ただ、すでに短くない体内時間が過ぎているのは、点ちゃんと長い間、話しあってきたから間違いないと思えた。


 点ちゃん、この場所に懐かしい感じがするって本当なの?


『(・ω・)ノ ええ、入ってすぐは分かりませんでしたけどね』


 どういうことだろう?


『(?ω?) うーん、どういうことでしょ』


 そういえば、この”場所”、なんか、嫌な感じはしないんだよね。

 むしろ、なにか温かいものを感じる。ここに入ってすぐは分からなかったんだけどね。

 

『ーーー』


 あっ、点ちゃん、今の聞こえた? というか、感じた?


『(;ω;) ……』


 あれ? 点ちゃん、泣いてるの?


『(;ω;) なんかね、悲しくないのに涙が出ちゃうの』


『ーーーー』


 あっ、また聞こえた! いや、感じられた!

 なんだろう、あれ?


『(・ω・) ---』


 えっ! 点ちゃん、それが分かるの? 

 ていうか、それで話してるし。


『ーーーーー』


『(^ω^)ノ -----』


『ーーー』


『(^ω^)ノシ ---』


 点ちゃん、今の何だったの?

 

『(・ω・)つ 後で説明します。今は、あちらを見てください』


 あちら?

 視界に青い矢印が出た方向に意識を向ける。

 あっ、何か光ってる!


『d(u ω u)  あの光の方向へ進んでください』  


 進めって言われても、どうやれば……お、進もうと思うだけで近づいてくぞ。もしかすると、光の方が近づいてきているのかもしれないけど。


 やがてその光の玉は、俺と一つになった。

 光から大量の情報が、こちらに流れこんできた。


 ◇ 


 気がつくと俺は木漏れ日の中にいた。

 どうやら、ポータルから聖樹様の根元に「吐きだされた」らしい。


 聖樹様、いや、今はポータルの神樹様となった存在は、話かけても答えてくれない。

 まだ、変身したときの消耗から回復していないのだろう。 


『(・ω・)ノ ご主人様、まずあれやってみないと!』


 俺は、何をすべきかすでに分かっていた。

 額の金粒に触れ、セルフポータルを発動する。


 意識の中に、揺れ動く短冊のようなものが見えてくる。

 一つ、二つ、三つ、……。短冊は十枚ある。

 それが一つ一つの世界に対応していることになる。


 まず、『初めの四人』の故郷である『地球世界』

 アリストがある『パンゲア世界』

 様々な獣人が住む『グレイル世界』

 科学が発達し、巨大な学園都市を抱えた『アルカデミア世界』

 緑にあふれ、エルフ、ダークエルフ、フェアリスが住む『エルファリア世界』

 竜人が住み、空に浮かぶ天竜国がある『ドラゴニア世界』

 ドワーフ族と人族が住む『スレッジ世界』

 そして、召喚により訪れた新世界、『田園都市世界』

 男性だけの国、女性だけの国が争っていた『結びの国世界』

 魔術がさかんな、ここ『ボナンザリア世界』


『(^▽^)/ やったーっ!』   


 とうとう、ポータルズ世界群への扉が開いたのだ!


 点ちゃん、ありがとう!

 点ちゃんがいたから、なんとかこの世界群が救えそうだよ。


『(・ω・)ノ じゃ、アリストへ帰りましょうか!』


 いや、ちょっと待ってね。

 まず、エルファリアへ行くよ。


『(・ω・) ルルちゃんたち、ご主人様を待ってると思うけど』


 それはそうなんだけどね、この行く先は変えられない。

 それにまずは、この世界にきちんとお別れしないとね。


『(^ω^) そうですね。ご主人様が珍しく常識的な行動を――』


 いや、俺っていつでも常識的だよね。


『(; ・`д・´)つ そんなことあるかーっ!』


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 あと二話で、放浪編も終わりです。

 明日へつづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ