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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第12シーズン 放浪編
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第63話 竜王との会談

 竜王との会談で話しあわれる事とは?


 案内された部屋は、俺が泊まった部屋の二倍ほどあり、枯れ草が敷きつめられていた。


 大広間で使っていた椅子とテーブルを再び取りだす。

 床に出した樽にお湯と蜂蜜を入れ、かき混ぜて蜂蜜水を作り、それを魔術で冷やす。

 これは天竜族の好物だから、きっと竜王も気にいるだろう。


『これはなんだ?』

  

『蜂蜜水ですよ』


『ハチミツスイ?』


『とにかく飲んでみてください』


 カップですくった蜂蜜水を、まず自分が飲んで見せた。

 竜王が、恐る恐るといった感じで樽に首を伸ばす。


 ゴクリ


『な、なんだ、この美味は!?』


 竜王は両前足で樽を抱えると、あっという間に蜂蜜水を飲みほしてしまった。


『ぷはーっ!

 こんな旨いものは初めてだ!』


『それはよかったです。

 では、話をしてもいいですね?』


 この世界が、以前は他の世界群と繋がっていたこと。

 神聖聖樹が無く、神樹の数が少ないこの世界群が崩壊するおそれがあること。

 それを食いとめるため神樹の助けがいること。

 俺は、そういったことを丁寧に説明していった。


 途中で何度か質問した竜王だったが、話を聞きおえるとため息を漏らした。


『ふうー……。

 そうか、そのようなことも十分あり得るな』


『俺の話を疑わないんですか?』


『実は我らドラゴンに昔から伝わっている話があってな』


 竜王がこちらの目を覗きこむ。


『それによると我らは昔、別の世界からやってきたらしい。

 その世界の名は『ドラゴニア』という。

 それに因んで、我らが棲むこの国を『ドラゴニア』と呼んでいる』


『なるほど。

 先ほどあなたが飲んだ蜂蜜水ですが、あれに入っていた蜂蜜はドラゴニア産ですよ』


『なんと!

 お主、ドラゴニアを知っているのか?』


『ええ、よく知っています』


『まさか、そんなことが……お主はそこの出身か?』


『いえ、それは違います。

 ドラゴニア世界は、俺が元いた世界群の一つです』


『うむ。

 そういえば、かつては世界を行き来する通路のようなものがあたっと聞いたことがある。

 我らの祖先もそこを通ってこの世界にやって来たらしい』


『ほう、誰に聞いたんですか?』


『……神樹様方だ』


『神樹様方?!

 やはり、この世界にも神樹様がいらっしゃるのですね?』


『ああ、そうだ』


 なるほど、お城の禁書庫で手に入れた伝承通りだな。

 きっとその神樹様たちが、この世界を支えているのだろう。


『実は、ここに来たのは神樹様に協力を仰ぐためなのです』


『うむ、先ほどの話を聞き、そうではないかと思っておったわ』


『神樹様に会えますか?』


『うーむ、それは難しいのう。

 いくらなんでも人族が神樹様に会うことなど、皆が許すまい』


『この世界の命運がかかっているんです。

 何か方法はありませんか?』


『そうじゃのう……。

 今まで一人だけ、神樹様に会うた人族がおる』


『えっ!?

 本当ですか?』


『ああ、メグミ殿と言うのだが、ソルに愛されたお方だった』


 メグミ、メグミ……どこかで聞いたことがあるぞ。

 あっ!

 ベラコスギルドのサウダージさんが言ってた迷い人か!


『彼女が何をしたんです』


『お主が戦うたマズルと『試しの儀』をしたのだ』


 ああ、それがマズルの「前科」だな。


『では、それでメグミさんが勝ったんですね』


『勝つどころではない。

 あのお方は、ソルに選ばれた』


『選ばれた?』


『お主が戦うた場に、大きな岩があったであろう。

 あれがソル岩様だ』


『それが?』


『メグミ殿がマズルと戦うた時、ソル岩様が山の上から落ちたのだ』


『……』


『それで、マズルは動けぬほどの怪我を負ってな』


 いや、あの岩が落ちてきたなら、死ななかっただけで凄いと思うけど。

 それにしても、『試しの儀』のタイミングでソル岩が落ちてくるなんて、メグミという迷い人、どんだけ強運なんだ。


『なるほど、メグミという方がソルに選ばれたとは、そういう意味でしたか』


 そこで、あるアイデアが閃いた。


『竜王様、ソル岩様ですが、あのままにしておくのはどうでしょうか』


『しかし、全てのドラゴンが協力しても、ソル岩様はわずかも動かなんだぞ』


 なるほど、もう試してみたのか。

 なら、なおさら俺の策が上手くいくはずだ。


『ソル岩様をソル山の頂に戻すならどうでしょう?』


『それは、万が一にもお前にそんなことができるなら、神樹様に会うのに反対する者などおらぬだろうな』


『では、明日、それに挑戦します』


『本気か、お主?!』


『ええ。

 とにかく、明日、もう一度みなさんを集めておいてください』


『……せっかく『試練の儀』を抜けたのに、そんなことをして失敗したらどうなるか分からんぞ』


『承知しています。

 とにかく、明日の事、よろしく頼みましたよ』


『うむ、覚悟はあるようだな。

 無理だと思うが、試すだけ試してみよ』


『ありがとう』


 こうして、俺は巨大な岩石をソル山の上に戻す試練を受けることになった。

 なんかここのところ、働きすぎてる気がするんだけどね。


『(; ・`д・´)つ そうそう、働きすぎ……って、そんなことあるかーっ!』


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 せっかく『試しの儀』をクリアしたのに、更なる難題に挑むシロー。

 ここのところ頑張ってますね。


 史郎「でしょう? 作者だけは分かってくれると思ってたよ」


『(; ・`д・´)つ ご主人様が怠けるのは、作者が甘やかすからだったのか!』


 えっ!? 点ちゃん、それって私のせい?

 ここは伝家の宝刀、明日へつづく。

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