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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第12シーズン 放浪編
561/927

第32話 ちぐはぐな世界(上)

 なんとイスタニア国には男だけが住んでいた。

 いったいどうやって人口を維持しているのか?

 そもそも、どうしてそんなことになったのか?

 史郎と点ちゃんが、その謎に迫ります。



 用意された部屋に帰り、ベッドに横たわると、食事の席でヴァルム大尉が話したことを考えていた。

 

 ウエスタニアは女性だけが住む国、イスタニアは男性だけが住む国、そしてこの二つの国が争っている。

 地球にも女性だけの国の伝説が確かあったよね。アマゾネスだったかな。

 だけど、これは明らかにおかしい。

 でしょ、点ちゃん。


『d(u ω u) その通りです。建築物の様子から考えてもこの国には――』 


 それなりの歴史があるはず。

 しかし、そうなると、どうやって子孫を繋いできたかが問題になる。

 まさか、両性具有とかじゃないよね。


『(Pω・) 大尉の身体を調べたけど、そんなことはありませんでしたよ』

 

 となると、どうやって子供を作っているんだろう?

 ところで点ちゃん、さっき食事した部屋にも、やっぱり例の「ハエ」がいたね。

 

『(・ω・)ノ 最初に壊しておきましたけどね』


 ご苦労様。

 どうやら、一度、この世界のあらましを探っておいた方がいいね。


『(^▽^)/ ワーイ! いっぱい遊べそう』

「ミー!」(遊ぼー!)


 点ちゃんもブランもやる気満々だね。

 じゃ、ちょっとやってみるかな。


 俺は自分に透明化の闇魔術を掛けると、この建物に来る途中で撒いておいた『・』の一つに瞬間移動した。


 ◇


 俺が現われたのは、街をとり囲む壁の外、草だけがまばらに生える荒れ地だった。

 透明化を施した点ちゃん1号を出し、それに乗りこむ。

 一気に上昇して、下を見ると、先ほどいた街に光の点が集まっている。

 西の方向にも光の点があるので、高度を下げず、そちらへ向かう。

 暗くて街の様子は分からないが、光点の数から考えると、だいたいイスタニアの街と同じくらいの規模だろう。

 これがきっとウエスタニアだろう。

 情報収集のため、『・』をばら撒いておく。


 月が無いのでまっ暗な中を、速度を上げ、さらに西に向かう。

 水平線の向こうに太陽が出てくる。点ちゃん1号は、大海原の上を飛んでいた。

 しばらくすると進行方向に、大陸が見えてくる。


 その大陸は豊かな緑に覆われていたが、その中に高層建築が立ちならぶ巨大な都市があった。


 当然、その上空からも『・』をばら撒いておいた。


 ◇


 時間は少しさかのぼる。

 

 白一色の部屋で、何も映っていないディスプレイを前に男が頭を抱えていた。

 彼はメタリックな白色の服を着ており、卵を縦に割ったような椅子に腰かけていた。


「これは……どういうことだ?

 立てつづけに二台もモニター用の『ハエ』が壊れるなんて」


 奇しくも、彼らが観察装置につけた名前も『ハエ』だった。

 男の隣に座っている女性が、声を掛ける。


「テッド、運が悪いわね。

 原因は分からないの?」


「ああ、全く分からないよ、ジニー」


「次の輸送はいつかしら?」


「五日後だ」


「それじゃあ、その時に替えの『ハエ』を送ったらいいじゃない」


「それはそうなんだが、報告書の事を考えると頭が痛くてね」


「それはそうね。

 でも、『ハエ』の自動消去システムは働いたんでしょ?」


「それがはっきりしないから、頭を抱えているところだ」


「ええっ!?

 どういうこと?」


「自動消去システムが働くと、信号が届くのは知っているだろう?

 今回は、二度とも信号が届いていないんだよ」


「……ちょっと、それってまずいんじゃない?」


「ああ、大事おおごとになりそうだ」


「下手したら、都市ごと消去することになるわよ」


「最悪そうなるね」


「とにかく一刻も早く報告しておきなさいよ」


「ああ、そうだな……」


 イスタニアをモニターするという仕事に就いたのを、男は心の底から後悔しはじめていた。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 もう一つの大陸には、イスタニアとは比べ物にならないほど高度な文明がありました。

 このチグハグな世界がどうしてできたのか?

 史郎と点ちゃんはこの謎を解くことができるのか?


「ミー!」(私を忘れないで!)


 あっ、もちろんです。こんなときの強い味方、それがブランちゃんですよね。

 明日へつづく。

 

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