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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第10シーズン 奴隷世界スレッジ編
457/927

第455話 奴隷世界編 第69話 帰郷と報酬(2)

 史郎が聖樹様からもらったご褒美とは?


 スレッジ世界ではお土産らしいお土産も手に入らなかったから、竜人世界で手に入れたハチミツを配ろうと、ご近所のドアを叩いた。ところが、どの家も留守で人がいない。

 不審に思い、通りを隔てた家の人に尋ねると、俺たちの家がある区画に住んでいた人が、みな高級住宅地へ移り住んだと聞かされた。


 どういうこと?

 もしやと思い、家に帰るとリビングのテーブルに城でもらった目録を広げてみた。

 ちょうど食事に集まってきた家族も、それを覗きこむ。


「おや、ここにあるのは、ご近所の住所ですな」


 リーヴァスさんが首を傾げる。

 目録の下の方に、いくつか住所が並んでいる。

 それは、ご近所の住所だった。


「シロー、どうやら、私たちが住んでいる家の区画全部を頂いたようです」


 ルルが目を見開いている。


『(@ω@) なんじゃーこりゃー!』


 でたね、久々の「なんじゃーこりゃー」が。

 しかし、そうなると、かなり有効に土地が使えそうだな。


 もらった土地をどう使うか、俺はウキウキと構想を練った。


 ◇


 スレッジ世界で『おばば様』から言われたように、俺はエルファリア世界へやってきた。

 今回一緒にやってきたコリーダは、この世界に着くと同時にエルフ王城へ瞬間移動させてある。

 俺は白猫だけ連れ、『聖樹の島』にあるギルド本部へとやってきた。


「こんちはー」


 一応声をかけ、本部の入り口を潜る。

 今日は、広いホールにギルド職員がたくさんいた。


「みなさん、どうしたの?」


 顔見知りの冒険者に尋ねる。


「あっ、シローさん!」


 彼の声で、みんながバッとこちらを見る。

 真剣な顔が、なんか怖いんですけど……。


 二人の職員を連れ、ギルド長のミランダさんが奥から現れた。

 驚いたことに、彼女は俺の前に膝を着いた。


「シロー殿、この度は神樹様、ひいては世界群を守ってくださり、感謝いたします」


「ちょ、ちょっと、ミランダ様、そ、それは……」


 俺が近づき膝を着くと、ミランダさんが耳元で囁いた。


「感謝と尊敬、受けるべき時には、素直に受けなさい」


 彼女の目が優しく俺を見ていた。

 俺は頷くと、立ちあがった。


「ありがたいお言葉です。

 では、聖樹様にお目にかかって参ります。

 では、後ほど」


「「「ははっ!」」」


 ギルド職員、冒険者が頭を下げる。

 居心地が悪くなった俺は、すぐ聖樹様の近くへ瞬間移動した。


 ◇


 聖樹様の側に瞬間移動するなり、かつて感じたことがないほどの波動を感じていた。

 今までも聖樹様の近くに来るたび感じていた、包みこむような温かさに加え、身体の芯を震わせるような波動がある。

 背筋がゾクゾクし、それが体全体に広がっていく。


「ミー!」


 ブランがいつになく大きな声で鳴いた。 

 

『シロー、そして点の子よ』    


 太く低く、力強い念話が聞こえてきた。


「はい」

『(^▽^)/ こんにちはー!』


『こたびも我が子、神樹たちを救うてくれたな。

 かの世界の神樹たち、世界群の神樹たちになりかわり、礼を言う』


「お言葉ありがとうございます」


『こたびは、世界群そのものも救われたことになる』


 どうやら、世界群が直面していた危機は去ったようだ。


「本当によかったです」


『お主と共に戦うた者たちを含め、礼を渡そう。

 点の子よ、受けとめておくれ』


『(^▽^) 分かったー』 


 次の瞬間、聖樹様が、いや、空間自体が震えるような気配があった。

 空を覆う枝から、無数の何かが落ちてくる。

 それが地面に落ちる前に、点ちゃんが全て回収した。


『わずかばかりのものだが、世界群を救うた者たちに渡すとよい』


「はい、承りました」


『我が力も、ほぼ元に戻った。

 お主らには、加護を与えよう』


「恐れ多い事です」

『(^▽^)/ わーい!』


 俺の体が白く強く輝いた。

 背筋が伸びるような感覚があった。

 心地よさに、ぼーっとしていると、聖樹様のお言葉が聞こえた。


『次は巫女と守り手、他の三人も連れてくるとよい』 


 他の三人というのは、加藤たちのことだな。


「ありがとうございます」


『礼をいうのは、こちらぞ。

 今はこれまで。

 いずれまた会おう』


「では、失礼します」

『(^▽^)ノ バイバーイ!』

「ミー!」(さようなら!)


 聖樹様との接触でぼんやりしていた心が、点ちゃんに起こされる。


『(・ω・)つ いつまでも、ぼうっとしない!』


 わ、分かりましたよ。

 

 俺は頭を振り、周囲を見回した。

 木々がそれぞれ、違う色を帯びているのが分かる。


 これって、もしかして……。


『(Pω・) 何か見えますね。多分マナでしょう』 


 ああ、翔太が見えるって言ってたやつね。

 魔術が使えない俺に役立つとは思えないけど。


『へ(u ω u)へ 相変わらずだな、この人は』


 そう言えば、なんか点ちゃんの声が今までよりはっきり聞こえるような気がする。


『(・ω・) そういえば、ご主人様の声も、そんな感じで聞こえますね』


 なんだろうね、これは?

 とにかく、今は帰るかな。

 俺は報告をするためギルドへ向け歩きだした。

 え? 瞬間移動すればいいだろうって?

 森を歩きたい気分なんだよね。


『(・ω・) そうですねえ』

 

 お、珍しく点ちゃんが同意してくれたか。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

聖樹様からのご褒美、なんだったのでしょう。

それは次話で。

 明日へつづく。

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