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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第10シーズン 奴隷世界スレッジ編
411/927

第409話 奴隷世界編 第23話 ナルとメルの秘密作戦(上)

 これは……ナルとメルが、ちょっと大変な事になりそうです。 


 ナルとメル、子竜を部屋の隅に寝かせたまま、テーブルの周りにシローの家族が集まった。


 リーヴァス、ルル、コルナ、コリーダ、それに天竜のおさが参加している。

 竜王様も念話で参加されるようだ。

 テーブルの上には、ドラゴニアギルドから届いた地図や書類が広げられていた。


「まず、状況を整理しておきますかな」


 リーヴァスが書類で確認しながら、シローとカトーが行方不明の竜人たちを追ったこと、その中には、エンデとリニアが含まれていること、彼らが潜ったポータルは、恐らくはスレッジに通じていること。

 そういうことを順序良く整理していった。


「シローなら、きっと大丈夫。

 でも、もしかすると、私たちにも何かできることがあるかもしれないわ」


 状況が分かると、ルルがまっ先に発言した。


「そうね。

 彼からドラゴニア世界とスレッジ世界の因縁は聞いていたから、私にも一つ思い当たることがあるの」


 コリーダが、落ちついた声で自分の意見を述べる。


「エルファリアへ戻られるのですな?」


 リーヴァスには、コリーダが何をしようとしているか、それが分かっているようだ。


「ええ、あの国から、必要なものを持ちかえるつもりです」


「ならば、あなたは私がお守りしましょう」


「おじい様……ありがとうございます」


「あたしも、神樹様におうかがいを立てるためにグレイル世界に帰るわ」


 コルナが、言葉を選び慎重に発言した。


「おじい様、私はどうすべきでしょう?」


 ルルは思うところがあるようだが、リーヴァスに助言を求めた。   


「そうだな、ナルとメルの事があるから、軽々しく動かぬようにな。

 みなで合流できる手はずも、今から考えておかねばならぬ。

 ギルドの力を借りねばなるまい」


「はい、おじい様」


 これからの行動に頭がいっぱいで、大人たちは、ナルとメル、そして一番大きな子竜たちが薄目を開け話を聞いているのに気づけなかった。


 ◇


 ルルたちが『ゆりかごの部屋』から出ていくと、ナルとメルがコケットから起きだした。


「みんな、今の聞いた?」


 ナルが話しかけると、大きな子竜三体が頷いた。  

 大人たちの会話は、ナルが念話で子竜に同時通訳していた。

 

「パーパがどこか分からない場所に行っちゃって、マンマたちがそれを探そうとしてるんだよ」


 子竜とメルが、同時に頷く。


「ナルお姉ちゃん、『ちいドラ隊』で探しに行くの?」


 メルが言う『ちいドラ隊』とは、彼女たちが子竜に人化を教えた時に作ったチームだ。

 ナル、メル、一番大きな子竜三体がメンバーだ。

 メルが「小さなドラゴン隊」から名づけた。


「よーし、『ちいドラ隊』出発準備にかかれー」


「おー!」

「「「グルルル~!」」」


 こうして、小さなドラゴンたちは、パーパ捜索作戦に取りかかった。


 ◇


『竜王様、ご報告があります!』


 リーヴァスの竜王への報告は、念話だからこそ、その焦りがはっきりと感じとれた。


『なんじゃ、リーヴァス。

 お主が慌てふためくとは珍しいの』  


『それが、ナル、メル、一番大きな子竜たちの姿が見えませぬ』


『なんじゃとっ!』 


 竜王も、さすがに驚きの色が隠せない。


『いつ姿が見えなくなったのじゃ?』


『ここ二三日、ナル、メル、子竜たちは、朝から泉で遊んでおりました。

 姿が見えぬので、今日も泉かと思っておりましたが、たまたま水汲みに行ったところ姿がありませんでした』

  

『となると、いなくなったのは、ずい分前じゃな……』

 

『ええ、すでにルルが、天竜に連絡を取りに行っております』


『ぬう、天竜の休暇中にそのような事が起こるとはな……』


 いつもなら何人かの人化した天竜が真竜廟にいるのだが、たまたま彼ら一族の行事があったため、彼らはここを離れていたのだ。


『とにかく、全ては天竜と連絡を取ってからじゃ』


 普段は、この時間帯に昼寝をする竜王とリーヴァスだが、今日はそれどころではなかった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

ナルとメルの『ちいドラ隊』、とんでもないですね。

大人たちは、心配でしょうがないでしょうが、本人たちは、遊びのつもりみたいです。

 明日へつづく。

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