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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第10シーズン 奴隷世界スレッジ編
410/927

第408話 奴隷世界編 第22話 家族と仲間

 史郎と加藤が行く先の分からないポータルを潜ったと知った、家族と仲間たちは?


 冒険者ギルドの通信網で、シローの家族と仲間へ報告がなされた。

 猫人のミミと狸人のポルは、待機していたアリストギルドで、キャロからリーダーの行方を聞いた。

 

「ポン太、どうすればいいと思う?」


 いつもは主導権を取りたがるミミだが、事が重大なためか珍しくポルに、おうかがいをたてた。


「そうだね……まず、リーヴァスさんたちと合流するのがいいと思うよ」


「それもそうね。

 でも、リーヴァスさんやルルさんたちは、天竜国にいるんでしょ?」


「うん、そうなんだけど、キャロさんの話では、竜人国にもギルドができたらしいんだ」


「そうなの?

 じゃあ、そこに連絡すれば、リーヴァス様に繋がるかもしれないのね?」


「うん。

 ただ、天竜国と竜人国との連絡は、リーダーがいないと、直接行くしかないでしょ?」


「それはそうね。

 天竜国は、空に浮かんでるんだもん」


「そこが何とかなればいいんだけど……ギルドには、獣人世界と竜人世界を結ぶポータルの情報があるみたいだから、せめてそれだけでも教えてもらえるといいけど」

 

「お城にも、連絡しておいた方がいいかもね」


 こうしてミミとポルは、これからの行動を決めた。


 ◇


 お城に駆けつけたポルからの連絡で、女王畑山は、史郎と加藤が恐らくスレッジに通じているだろうポータルに入った事を知った。 


「あいつら、何やってんのよっ!」


 さすがの畑山も、愛する加藤が行方もはっきりしないポータルに入ったと知り、不安が隠せない。


「お姉ちゃん、ボーさんがついてるから大丈夫だよ」


 翔太が言葉をかけるが、畑山の顔は強張ったままだ。


「とにかく、何かあればすぐに動けるようにしておきましょう」


 美しい顔をキッと上げる畑山からは、何としても加藤の力になりたいという気持ちがうかがえた。 


「とにかく、マスケドニアには、私が連絡しなくちゃね」


 個人的なことに国家間のホットラインを使うのは気がひけるが、加藤はマスケドニアとも縁が深い。それに、恋のライバルとはいえ、ミツには彼の消息を伝えてやりたかった。


「ボー、あいつが無茶しないように見張っててちょうだいよ」


 彼女は、誰にも聞こえないような声で、祈るようにそう口にした。 


 ◇


 こちらは獣人世界グレイル。

 聖女舞子は、夜遅くにギルマスの犬人アンデが尋ねてきたことで、史郎に何かあったとすぐに悟った。


「すでに調査隊を、シローが伝えた場所に送っています。

 彼らからの報告を待ち、今後の事を決めます」


 シローの情報にあったポータルが、通常のものか一方通行のものか、それを調べなくてはならないし、どんな場所に出るかも確認する必要がある。

 ポータルは、恐らくスレッジに繋がっていると思われるが、その確認が終わらなければ何もできない。


「私が何かできることはありませんか?」


「今の所は何も」


 聖女の心配そうな声に、アンデはそう答えるしかなかった。


「大聖女様、とにかく何かあれば、すぐに動けるようギルドで準備しておきます」


「分かりました」


 史郎の事が心配で、その日、舞子は夜通し起きていた。


 ◇


「シローさんとカトーさんが、ポータルを渡った?」


 ギルド間の通信で、連絡を受けとった赤竜族の娘リンは、すぐにそれをジェラードに報告した。  

 報告によると、シローたち二人は、捕えられた竜人を追いかけポータルを渡ったということだ。

 ジェラードは、シローたちの身を案じると同時に、二人が今まで竜人族のためにしてくれた功績に加え、今回も彼らのために命を懸けてくれたことを思い、身震いするような感動を覚えた。

 何としても、無事に帰ってきてくれ。

 そう祈らずにはおられなかった。


「リン、天竜様が次においでになるのは、六日後だったな。

 それまでに、天竜国にいるシローの仲間に渡せるよう、報告書を仕上げてくれ」


「はい、すぐにとりかかります」


「それから、この件に関しては、マルロー様に指揮をとっていただこう」


 マルローは赤竜族の長ラズローの父親であり、史郎から多大な恩を受けた人物だ。


「おじい様に?」


「そうだ。

 こちらもすぐに連絡してくれ」


「分かりました」


 ジェラードは自分にできることがわずかしかないことことに、忸怩じくじたる思いだった。


 ◇


 血相を変えた天竜のおさが真竜廟を訪れたのは、ルルたちが一日のスケジュールを終え、眠りについた直後だった。


『天竜よ、何があった?』   


「りゅ、竜王様、リーヴァス殿はどちらに?」


『彼なら、ゆりかごの部屋じゃ』 


「し、失礼します!」


 老人の姿に人化した天竜の長が、ゆりかごの部屋に通じる扉をドンドンと叩く。

 すぐに部屋からリーヴァスが出てきた。


「長、なにか起きましたかな?」


「シロー殿に関する緊急の手紙が、竜人国から届きました」


 大判のぶ厚い封筒を、長がリーヴァスに手渡す。

 リーヴァスは、その場で封を開け目を通しはじめた。


「……なるほど、これはただ事ではありませんな」


「いったい、何があったので?」


「そうですな、これから家族でそのことを話しますから、長もお聞きになるとよいでしょう」


「よろしいのですか?」


「もちろんです。

 これは、天竜の方々にも、知ってもらった方がよさそうです」


 リーヴァスは、ゆりかごの部屋に天竜の長を招きいれた。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

家族や仲間に心配してもらって、史郎と加藤は幸せ者ですね。

『(・ω・)ノ 作者は、幸せ者じゃないの?』

点ちゃん、そこは、ノーコメントで。

 次回、史郎の家族にとって、大変な事が起きるようです。

 明日へつづく。

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