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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第8シーズン 地球訪問編
333/927

第331話 地球訪問編 第45話 地球の家

 史郎が、何かつくるようです。


 故郷の町にある広い畑をタダ同然の値段で買いとり、そこに帰還時に住む家を建てることにした。

 普通これを行うと法的に面倒な事が色々あるのだが、行政機関からの干渉は一切無かった。

 建物は上から見た形をロの字型にし、地下一階、地上二階という構成にする。

 これまで土魔術で造った建造物では、最大のものとなる。


 外壁の一辺が五十メートルほどあるので、十メートルほど上空に浮かせたボードの上から土魔術を使う。


 二階部分が地面からせり出してくる。

 頭の中に構造をしっかり思いえがき、さらに一階部分を引っぱりあげる。


 後は地下だ。

 地下は一階部分に入り、そこから造った。

 ロの字型になっている建物部分の下に、そのまま地下があることになる。


 最初、ロの字中央、建物が無い部分にも地下を作るつもりだったが、何となく気が変わり、そのままにしておいた。


 照明は全て『枯れクズ』を利用する。

 水は水の魔道具、お風呂の湯は温泉水アーティファクトを使う。


 せっかくなので、風呂は真竜廟の『宝の湯』と同じくらいの広さにした。

 風呂の湯は、入浴後、点収納に「付与 時間」で保管しておけば、いつでも取りだしてつかえるからね。

 こうなると、水の浄化システムが欲しくなるな。


『(・ω・)ノ ご主人様ー、水を綺麗にしたいの?』


 それは、したいけど……もしかして!?


『(*'▽') できますよー』


 でたっ! 久々に聞いたよ、点ちゃんの「できますよー」

 でも、どうやって? 

 そんな魔術あったっけ。


『(・ω・) 水魔術の応用でもできないことはありませんが、「付与 融合」がつかえますよ』


 ああ、そうか。お湯の中に小石でも沈めて、それに汚れを融合しちゃえばいいんだね。

 そういえば、ドラゴニアで毒に使ったね。


『d(u ω u) その通りです』


 まてよ、そうすると……。

 あるアイデアが思い浮かんだが、これは時間もかかりそうだし、次に地球に帰ってきた時だな。


 とにかく助かったよ。

 点ちゃん、ありがとうー。


『(*'▽') エヘヘヘ』


 こうして、『地球の家』が完成した。


 ◇


 俺は、『地球の家』のハウスウォーミング・パーティーを開くことにした。


 せっかくだから、ここのところ忙しく働くスタッフの慰労を兼ねたものにする。

 招待したのは、『初めの四人』、『ポンポコ商会』社員、『異世界通信社』社員だ。

 ゲストとして、エミリーも呼んだ。


『(・ω・)ノ ご主人様ー、パーティーばっかりしてない?』


 点ちゃん、人間はね、忙しいばかりだと死んじゃうから、パーティーも必要なんだよ。


『|д゜) ふ~ん……』


 う、疑ってるね。間違いなく疑ってる。


 点ちゃんに疑われながらも、とにかくパーティーは始まった。

 食事は、地元の店から出前を取った。

 飲み物は、『白神酒造』が無料で差しいれてくれた。

 俺の好きなジュースが入っていたのは、注文した舞子がそのことに触れたのかもしれない。


 食事の後は、広いお風呂を披露した。

 今日はみんなが水着を持ってきている。

 水着混浴ということになる。


 イケメンの後藤さんは、体もシェイプアップされている。

 そして、なぜか、これもシェイプアップされたマスターサブローと向かいあい、二人でポーズを取っていた。

 なんなんだろうね、あれは。


 そして、その二人を見た畑山さんが、加藤にこう言った。


「あんたも、あれくらい鍛えなさいよ」


 その後、加藤は洗い場で、腕立て伏せに汗を流していた。

 彼女から言われ、必死に腕立てする勇者ってどうよ。


 お風呂から出ると、お茶を飲みながら、よもやま話に花を咲かせる。


「そういえば、シローちゃん。

 この前のパーティーでエミリーパパと一緒に来てた二人、誰だったの? 

 あたし、どっかで見た覚えがあんのよね~」


「あー、サブローさんが言ってるのは、迫力がある白人男性と、ちっちゃなおじさんだね。

 ちっちゃなおじさんは、日本国首相、白人の方はアメリカ大統領だよ」


「まーたまーた、シローちゃんは話を面白くするのがうまいんだから」


「あれ? 

 サブローさん、あれ、本物の首相と大統領だよ」


「プリンスまで、あたしをからかうのね! 

 ふん、驚いてあげないんだから」


「「白騎士、生意気ー!」」


 黄騎士と緑騎士が突っこむ。


「あれ、本物」


 黒騎士が、ボソッと言う。

 柳井さんが、サブローさんにお酒を注いであげている。


「まあ、リーダーの非常識は、今に始まった事じゃないですから」


「そうですよ。

 あれは、本物でしたね」


「まーた、後藤ちゃんまで」


 桃騎士が、小型PCで、ちゃちゃっと何かしたと思ったら、その画面をサブローさんに向けた。


「えー、何々。

 先日は、美味い酒をありがとう。

 一樽注文させてもらったよ。

 サム=トーマス。

 トーマスって、機関車みたいな名前ねえ」


「サム=トーマス。

 現アメリカ大統領の名前ね」


 ヒロ姉が、いつもの口調で言う。


「え、ええっ、てことは、まさか……ホントなのっ!?」


「だから、最初っからそう言ってるのに」


 翔太君が呆れた顔をする。


「ど、どうしよう。

 あたし、『あなた、なかなか素敵な方ね』って言っちゃった……」


「サブローさんは、肝が据わっていなさる」


 遠藤が感心したように言う。


 くねくね体をくねらすサブローさんの頭を、桃騎士のハートステッキがポコンと叩く。


「プリンスを信じなかった、あなたに愛は無い」


 彼女らしくない、冷たい声だ。


「白騎士失格」

「「ダサいー」」


 サブローさんは、仲間からさんざん叩かれ、涙目になっている。


「シローちゃん、助けてぇ!」


 しょうがないから、最後に渡すつもりだったお土産を公開する。


「うおっ! 

 これってホカホカのカニじゃん!」


 加藤は、ニューヨークのソフトシェルクラブ。


「ああ! 

 目の錯覚じゃないわよね。

 これって本物!?」


 チョコレート好きの畑山さんには、ウィーンで買ったザッハトルテだ。


「史郎君、ありがとう。

 でもこれ、どうやって?」


 果物好きの舞子には、オーストラリアはケアンズで買ってきた、とれたてマンゴーだ。

 実はこれが一番大変だった。

 シンガポールに落としていた点に瞬間移動した後、点ちゃん1号でケアンズまで飛んで手にいれた。


「「うわー、ホッキーポッキーだ!」」


 黄騎士、緑騎士は、ケアンズで買ってきた蜂蜜入りバニラアイスをつついている。

 各自が好きそうなものを、世界中から集めてきた。


「いやー、魔法ってホント凄いわね」


 ヒロ姉は、香港で買ってきた小籠包を食べている。

 彼女にとって凄さの基準は、美味しいものが手に入れられるかどうかのようだ。


 こうして、食事を終えた後、さらに満腹になる一同だった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

世界各地の食べ物、いいですね。

魔法の使い方としては「おいしい」と思います。

 次の話は、「旅」。旅はいいですねえ。ぶらっと、どこか行きたいなあ。

 では、明日へつづく。

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