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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第8シーズン 地球訪問編
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第317話 地球訪問編 第31話 『異世界通信社』の新入社員

 『異世界通信社』に、新入社員が入るようです。

あの人かな?


 ニュースでは、異世界との接触について、すでに事実として報じられるようになっていた。


 新聞、テレビ、ラジオ、ネットはこのことで持ちきりだ。

 しかし、俺たちの周囲はいたって静かだった。

 どうやら首相は、女王様の言葉に従ったようだね。


 二日間の休暇できちんと睡眠をとった柳井さん、後藤さんは、イキイキと働いていた。


「私、こんな大きな仕事に自分が関われるなんて思ってもみなかったわ」


 柳井さんは、謙虚だ。


「いやー、仕事がこんなに楽しいものなんてね」


 後藤さんが笑っている。


 俺たちがいるのは、カフェ『ホワイトローズ』の地下だ。


 都市部にあるので、地下に十分な空間があるか心配していたが、数本のパイプを除けば、問題なかった。

 地下室は、そのパイプをかわす関係上、下に行くほど大きくなるように作った。

 あまり大きくすると崩落の危険があるから、土魔術で固めながら掘った。

 複数の太い支柱もきちんと作ってある。

 地下4階建ての大作だ。

 柳井さんと後藤さんの居住スペースも作った。


 会社の業務に関してだが、初めはどのメディアの報道も全部許していたが、今では制限をつけた。

 どういうことかと言うと、『異世界通信社』を通しての情報にクレジットをつけさせる事にしたのだ。クレジットとは、新聞記事の最後に書いてある「〇〇社提供」というやつだ。


 以降、『初めの四人』に関する情報は、必ず『異世界通信社』のクレジットを打つこと。 

 それを怠った場合、『異世界通信社』からその社へ情報は提供しない。 

 その社に他社が情報を漏らした場合も同じ扱いとする。


 そういう連絡をマスメディア、各報道機関に入れてある。

 これは、後藤さんからの進言だ。


 だから、現在、一般向けに流れている異世界の情報には、全て『異世界通信社』の名前が躍っている。こうして『異世界通信社』は、一躍世界中で知らぬ者がない会社となった。

 また、社員も一人増えた。


 新入社員については、次のようなことで決まった。


 ◇


 首相官邸の地下で閣僚との会見をした際、俺は銃を撃とうとした実行部隊を一人残して消した。


 その一人というのが、黒服を脅し、『初めの四人』の情報を政府筋に流させた男だ。

 俺は奴を畑山邸に送っておいた。

 その男を見た遠藤と言う黒服は、観念して自分の喉を匕首あいくちで突こうとした。

 しかし、俺が点を付けておいたから、そこから展開されたシールドが彼を守った。


 官邸から、畑山邸に瞬間移動した俺が目にしたのは、がっくりと崩れおちる遠藤の姿だった。


「おやっさん、す、すんません」


 男泣きにくれている遠藤の横に、畑山のおやじさんが立った。


「遠藤、おめえ、脅されてたらしいな」


 遠藤は何も言わなかった。


「おめえは、今日限り組を破門だ。 

 ただ、少しでもワシやこの組に何かを感じてるならシロー兄貴の世話になれ」


「お、親分……」


 遠藤は再び、号泣を始めた。


「シローさん、半端なやつですが、どうかこいつの事よろしくお頼みしやす」


 こうなったら仕方ないよね。

 ただ、「アニキ」と「オジキ」だけは何としても拒まねば。


「辛い思いをしたね。 

 妹さんを守りたいっていう、あなたの気持ちがよく分かったよ」


 そう言って遠藤に肩を貸してやり、なんとか立たせた。

 彼がおやじさんに深々と頭を下げるのを待ち、点ちゃん1号に瞬間移動した。

 そこで待機していた、柳井さんと後藤さんに、彼を新入社員として紹介したってわけ。


 ちょうど人手が足りないところに、天の配剤だと俺は考えていた。


 ◇


 俺たちの周囲が落ちついてきた、ちょうどそのタイミングで同窓会の話が来た。


 加藤宅を訪れ、クラスメートを『体力測定』に連れてきた、白神という同級生から連絡があったのだ。

 彼から俺へは連絡方法が無いから、加藤からの念話でそれを伝えられた。

 畑山さんと舞子には、中西という女子から連絡があったそうだ。

 今はどうしているか知らないが、確か白神と中西はつきあっていたはずだ。

 大方、卒業前に二人の幸せを見せつけたくなったのかもしれない。


『(・ω・)ノ ご主人様がひねくれてるー』


 だって、点ちゃん、つきあってるんだよ。

 リア充死すべしって言ってもいいよね?


『( ̄ー ̄) ……どうしようもないな、この人』


 点ちゃんが……点ちゃんが冷たい。


『(+ω+) もう、呆れかえって何も言えません。ルルさんにさっきの記憶を見せてねって、ブランちゃんに頼んでおこー』


 どうしてそんなに俺の心をえぐるような事を――。


『(*ω・)=ll⇒ もう少しえぐったら、穴が開いて風通しがよくなるね』


 グサッ


 も、もういいです。私が悪うございました。


『(u ω u)b 分かればよろしい』


 ……。


 こうして心に深い傷を負った俺は、結局、同窓会に参加することを決めた。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

新入社員は、黒服遠藤でした。実は、もう一人新入社員がいるのですが、読者の方は、すでに誰か分かっているかもしれません。

次話、波乱含みの同窓会です。

 明日へつづく。

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