第21話 帰還
ルルと史郎は、町へ帰ります。
便利な点ちゃんの新技も登場。
スキルについても、新事実が分かります。
ルルと俺は、ドラゴンがいた山のふもとの町から王城がある町まで、一人ずつ人化したドラゴンの子供を背負い、山を下りた。
二人は人化すると、なぜか普通の子供ほどしか体重がなかった。
途中で気づいたのだが、明らかにルルは俺より体力がある。俺の背負子は、ぐらぐら揺れるらしく、こちらに背負われる順番が来ると娘たちは嫌な顔をする。
子供連れということで、途中は野宿をせず、距離をかせげなくても町に泊まった。
そのため、新居にたどりつくまでに十一日かかった。行きが一週間だったことを思うと、帰りはずいぶんのんびりしたものだ。
すみません。のんびりじゃなく、俺に体力が無かったせいです。ごめんなさい。
それはそうと、こうなると、新居を購入しておいてよかったよ、本当に。子供たち二人は、寝室に寝かせておいて、討伐で放っておかれた引っこし仕事を片づける。
こちらに着いたのは、昼過ぎだったが、子供たちは、次の日の午後になっても起きてこなかった。よっぽど疲れてたんだろうね。
起きたら名前を付けてやろう。ドラゴンのゴッドファーザー、ちょっとかっこいいかもしれない。
◇
夕方に、ちょっとだけギルドに顔を出す。無事に帰ってきた報告をするためだ。
ドラゴン討伐の報酬もかなり高額だったようで、故郷に帰った冒険者もいたらしい。まさに故郷に錦を飾る、だよね。
あと、武器屋や薬屋、道具屋がものすごく儲けているらしい。高くても買ってしまう冒険者がいるから、モノの値段がどんどん上がってしまう。
この世界にもインフレってあるんだね。
俺とルルの報酬は、ギルド預かりとなっている。引きだしてもよかったが、手持ちの余裕があるので、そのままにしておく。利子は、つかないみたいなんだけどね。
「おお、思ったより顔色良さそうじゃねえか」
マックが熊のような手で、俺の背中をバンバン叩いてくる。俺は、激しく咳こんだ。このおじさん、そのうちだれか殺すぞ、挨拶で。
キャロが近づいてきて心配してくれる。
「よく生きて帰ってこれたね」
ホント、自分でもそう思うよ。たった今も、殺されかけたし。
「なんか、雰囲気変わったね」
え、そうかな。自分では分からないけど、やっぱり、家族ができたからかな。
レベルとか上がったのかな。あーでも、レベルとかスキル知るの、ちょっと怖いな。
おや、点ちゃんがチカってる。
マックとキャロに挨拶してから、新居へ帰る。ギルドでは、点ちゃんと落ちついて話せないからね。
庭に出て、点ちゃんに話しかける。
点ちゃん、何か用かな?
『(;_;) ご主人様~、忘れられちゃったかと思いましたよ』
そういえば十日以上、会ってなかったもんね。
ドラゴンのことでは、本当にありがとう。ごめんね、嫌な仕事を押しつけちゃって。
『(^▽^) いえいえ、ご主人様に使ってもらえると、嬉しいですよー』
あ、そうそう。点ちゃん、何か用があったんじゃないの?
『(*・ω・) ご主人様、さっきレベルとかスキルのこと考えてたでしょう』
考えてたね。しまった、ツーといえばカー。筒抜けだった。
『(^▽^)ノ 好きな時に、レベルとかスキルが見られますよ』
えっ!?
『(^▽^) だからー、好きな時に、レベルとかスキルが見られるんですよ』
はあっ? そんな便利なもの、なんでもっと早く教えてくれなかったの!
『(・ω・) だって、聞かれなかったもん』
そうだよね。ここは、怒っちゃダメ、怒っちゃダメ。落ちつけ、落ちつけ。
ひひふー、ひひふー。
『(?ω?) ひひふーって、何ですか』
いや、それはいいから。
レベルとスキルの見方、教えてくださいな。
『(^▽^)/ は~い。
じゃ、私を四角い板のような形にして下さい』
みょんみょんぴーん
『□←…(・ω・) 板に意識を集中して、スキルのことを考えてください』
点魔法、点魔法、点魔法。
『(・ω・)ノ□ 板を見てください」
そこには、「点魔法 レベル8」と表記されていた。
おおっ! 成功。
あ、点に戻っちゃった。
『(^ω^) スキル自体のことを考えたら、全部のスキルが出ますよ』
みょんみょんぴーん
スキル
お、ほんとだ! なになに。
点魔法 レベル8
加護 古代竜の加護
称号 「ドラゴンスレイヤー」
称号 「のんびりする者」
えっ?
いつもお読みいただきありがとうございます。
いよいよ新エピソードが始まりました。
次回はルルと史郎の関係がまた一つ接近します。
ドラゴンの子供たちはその後、どうなるのでしょうか。
乞うご期待です。




