第19話 討伐の果て
ドラゴンエピソードも山場を迎えました。
お母さんドラゴンの運命は?
そして、史郎がとった行動は?
臨時のキャンプ地は、ドラゴン討伐の朝を迎えた。
少ししか寝ていないが、心身は充実している。
これからすべきことの大切さが、エネルギーをかきたてているのだろうか。
「出発するぞーっ!」
伝令が告げていく。
早朝の山道を踏みしめ、隊列が進み始める。さすがに、今日は崖から落ちるものはいない。 みんな、ふらふらだけどね。
昨日、上空にドラゴンが現れた地点を過ぎ、山頂に到着する。
前を行く騎士が、姿勢を低くするよう手で合図する。
前方を見ると、切り取られた山頂がすり鉢状になっており、底が湖になっている。いわゆるカルデラだ。
湖の中央付近に平坦な島があり、その上に巨大なドラゴンがたたずんでいた。
隊列を割り、騎士団とそれに囲まれた勇者パーティがやって来た。俺とルルがいるところから少し右を、その集団が進んでいく。
白銀の鎧を着た加藤が見える。畑山さんと舞子が、その後ろに続いている。
カルデラの淵で、一瞬立ちどまった勇者パーティだったが、先頭の騎士が頭上に挙げた手を振りおろすと、加藤を先頭に、ものすごい勢いで斜面を駆けおりていく。
騎士団の中に守られていた宮廷魔術士数人が前に出ると、杖を振りかざした。杖の先からほとばしった青い光が湖水に命中すると、湖面が一瞬で氷に覆われてしまった。
そのタイミングを見計らったように、加藤が凍った湖上を走っていく。ものすごいスピードだ。時速百キロくらい出ていてもおかしくない。
瞬く間に、ドラゴンの足元にたどり着く。
ドラゴンのお母さんが、一瞬こちらを見たような気がした。
跳びあがった勇者が、剣を振りかぶる。
ブンンッ
ここまで振動が伝わってくる勢いで、剣が振られた。きっと音速を越えているのだろう。
点ちゃん、今だ!
ドラゴンの巨体がビクンと震えた直後、剣の軌道がその首筋に走る。一瞬の間をおいて、ドラゴンの首が横にずれる。
ズズーン
地響きを上げ、首が地面に落ちた。
うおーっ
歓喜の叫び声をあげ、残りの討伐隊がカルデラの斜面を駆けおりていく。
胴上げされた加藤が宙を舞う。
木霊と木霊とが重なり、歓声はなかなか鳴りやまなかった。
「旦那様……」
ルルが心配そうに、俺の顔を見あげている。
俺は……泣いているのか。
涙は止めどなく溢れ、狂喜乱舞する人々をかき消していった。
いつもお読みいただきありがとうございます。
ここで史郎がドラゴンを倒してしまったことが、後々、様々な事件に繋がっていきます。
今回はここぞ、というところで点ちゃんが活躍しました。
お疲れ様、点ちゃん。
えへへ(〃´∪`〃)ゞ
ー ポータルズ・トリビア - ドラゴンブレスの謎
今回、お母さんドラゴンは戦う意思がなかったので使わなかったのですが、ドラゴンにはドラゴンブレスという攻撃があります。
これは、口から炎を吐き出すもので、非常に強力な攻撃とされています。
しかし、どうやって炎を吐き出しているか、寡聞にして知りません。
どなたか、ご存知の方がいらっしゃれば教えてください。




