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ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第4シーズン 聖樹世界エルファリア編
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第155話 聖樹世界編 第22話 フェアリス族

 森の中に隠れ住んでいたのは?

『西の島』大陸の謎が一つ明かされます。


 俺たちの前に現れた小さな「人」は緑の服を着ており、頭にはやはり緑の先折れとんがり帽をかぶっていた。

 俺は、アリスト国で彼と同じ種族を見たことがある。


「私は、フィロと言います。

 キャロの父親です。

 娘を助けてくれてありがとう」


 彼は、リーヴァスさんに向け頭を下げた。


「娘は……キャロは幸せにしていますか?」


 これには、俺が答える。


「ギルドマスターとして、皆に信頼されています。

 俺も、とてもお世話になっています。

 みんな、彼女が大好きですよ」


「キャロ……」


 フィロの目からは、涙が止まらない。


「キャロの話だと、ダークエルフにさらわれたということでしたが……」


 リーヴァスさんが言いかける。


「ダークエルフ!!」


 フィロが、その顔に恐怖を浮かべる。


「どこかにさらわれた後、逃げだして、船で密航したそうです。

 船が着いたところが『東の島』だったと聞いております」


「最初、私たちが、あなた方を恐れたのは、ダークエルフと人族が私たちフェアリスを狩っていたからです」


「狩る?」


「ええ、目的は分かりませんが、多くの同胞がさらわれてしまいました。

 私たちは住んでいた場所を捨て、森の中に隠れて暮らさなければなりませんでした」


 獣人世界と同じようなことが、この世界でも行われていたのか。

 俺は、腹の底から怒りが沸きあがってきた。


「今回、私たちが調査しているのは、まさにダークエルフなんです」


「えっ! 

 どうしてヤツらを?」


「少し前に、『東の島』でエルフの都を魔獣が襲いました。

 その背後に彼らがいる疑いがあるのです」


「そういう事でしたか」


 フィロの後ろで、また、甲高い声のおしゃべりが聞こえたと思ったら、突然、多くのフェアリスが姿を現した。

 大きなフェアリスでも身長一メートルくらいだ。

 彼らの背後に隠れるようにしている子供たちは、五十センチも無いだろう。

 まさに、おとぎ話の小人こびとの世界だ。


 白い髭を生やした高齢のフェアリスが、前に出てくる。


「わしが族長のセロですじゃ。

 少しの間なら、ここに滞在することを許しましょう」


「かたじけない」


 リーヴァスさんが頭を下げる。 


 俺たちも、それにならい礼をした。


 ◇


 フィロの先導で、森の中を少し進むと広場に出た。

 差しわたし百メートルはあろうかという、大きな空間だ。


 広場の周辺ぐるりを大木が囲んでおり、その枝で広場が上空から見えないようになっている。

 木漏れ日で照らされた広場はとても美しかった。まさに、俺好みのくつろぎ空間だ。広場の周囲にそびえ立つ大木、それぞれの間に緑色のドアが見えるから、森を利用した住宅を作っているのだろう。

 フィロが、広場を指さした。


「あなた方のような大きな方の住居は無いのです。

 テントをお持ちですか?」


 俺は少し考えてから、尋ねてみる。


「ここに少しの間だけ家を作ってもいいですか?

 もちろん、立ちさるときには、元の通りに戻しておきます」


「そのような事ができるのですか? 

 おさに聞いてみましょう」


 長から許可が出たので、俺は土魔術で家を作ることにした。

 俺たちが危険でないと知ったフェアリスの人々が、わらわらと広場に現れた。かなりの数がいる。皆、興味津々で俺たちの方を見ている。


 地面に設計図を書き、土魔術で持ちあげる。慣れているから、五分ほどで家が建った。

 フェアリスの人々が口をポカーンと開けている。妖精のような子供たちは、さっそく中に入り、走りまわっている。


「人族は皆、このようなことができるのか?」


 族長が、呆れている。


「ははは、このようなことができるのは、彼だけですよ」


 リーヴァスさんが、こちらを見て微笑んでいる。


「パーパ、ボードで遊んでもいい?」


 ナルが、俺のすそを引っぱる。


「人にぶつからないように、気をつけて遊ぶんだよ」


 俺は、コルナの方に合図する。ボードの名手である彼女がいれば大丈夫だろう。

 ナル、メル、コルナのボードを出す。


 何もないところか出てきた板に驚いていたフェアリスの人々だったが、コルナたちがボードに乗って滑りだすと、もっと驚いていた。


 フェアリスの子供は、驚くより面白がって、すぐにボードに乗せてもらっている。

 娘たちが板の前にフェアリスの子供を乗せ、二人乗りでゆっくりボードを滑らせる。乗っている子供から、歓声が上がる。

 あっという間に順番待ちの長い列ができた。

 コルナは、万一に備え、脇に控えている。


 大人は、土の家に興味があるようで、みんな壁に触ったり、中に入ったりしていた。

 どうやら、俺たちは受けいれてもらえたようだ。


 俺は、無事彼らとコンタクトでき、ホッとしていた。


 ◇


 その夜は、俺たち一行を歓迎するうたげが、広場で開かれた。


 フェアリスの人々がテーブルを並べ、その上に次々と料理を置いていく。

 すべて小さく、おままごとセットのようだ。ナルとメルが喜んでいる。ただ、フェアリス料理は、二人ともあまりお気に召さなかったようだ。


 彼らの料理は火を通していないから、なまだ。

 果物はいいのだが、肉も野菜も生なので、慣れないとキツイだろう。俺は、それなりに美味しかったけどね。

 フェアリスの酒は、かなりのものらしく、リーヴァスさんが絶賛していた。たくさん飲んでいたようだが、酔ったりはしていない。さすがだね。


 点ちゃん、今日は大活躍だったね。ありがとう。


『(*´∀`*) えへへ、今日は、楽しかったなー』


また、明日も活躍してもらうからね。


『(^▽^)/ わーい!』


 点ちゃんとのいつものやり取りが終わると、俺は『土の家』で眠りについた。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

キャロはフェアリスという種族だったんですね。

彼らはダークエルフから逃れるために森に住んでいたということになります。

それでは、史郎達が探しているダークエルフはいったいどこにいるのか?

次回、史郎がダークエルフの謎に挑みます。

 明日へつづく。

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