第136話 聖樹世界編 第3話 神樹の巫女
コルナやモリーネ姫が、初対面で史郎の事を知っていた謎が解けます。
ルルの父親、レガルスさんは、カッコいいのか面白いのかよくわからない人ですね。
エレノアさんは、神樹の巫女について説明を始めた。
「神樹の巫女はね、ある種族で神樹様と会話できる女性が選ばれるの。
なぜか会話できるのが女性だけなので、『神樹の巫女』と呼ばれるようになったの」
エレノアさんは、少し離れて話を聞いていたモリーネ姫を手招きした。
「エルフでは、モリーネ姫が選ばれたの。
まだ小さな頃にね」
「神樹の巫女は、どのくらいの数いるのですか?」
「種族によって違うわ。
狐人には、巫女の素質を備えた者が比較的多く生まれる。
人族は、非常に稀ね。
エルフは、その中間、でも、決して多くはないわ」
彼女は俺の方を見ると、ゆっくりした口調で言葉を続けた。
「神樹様は巫女を通して、いろいろなことを教えてくれるの。
天災がいつ、どこで起こるかとか。
そういう大きな規模の予知が多いわ」
エレノア、モリーネ、コルナが視線を交わす。
「でも、ごく稀に個人についても予言することがあるの。
シロー、あなたが、そのケースよ」
「え!?
俺ですか?」
そういえば、狐人領の神樹様が、俺について含みのあることを言ってたな。
「神樹の巫女である私から生まれたルルが、あなたと近しい関係になったのは偶然ではないかもしれないわね」
何か大きな力が働いているっていうことか。
「あなたが獣人を救い、学園都市世界を変えた事は、これからのポータルズに大きな波を起こすわ。
私たちは自分に出来ることで、あなたのお手伝いをするつもりよ」
コルナもモリーネ姫も、初めて会った時に俺を知っている素振りだった。あれは、そういう事だったのか。
「依頼も受けていますし、まずはモリーネ姫をお城へ連れていくつもりです」
「ああ、意識して行動する必要はないわよ。
あなたが、したいことをすればいいの」
エレノアが微笑んだ。ルルが時々する微笑みにそっくりだ。こういうところを見ると、さすが、親子だと思う。
「じゃ、シロー。
お城までよろしくね」
モリーネ姫が、俺の腕を取る。
「お兄ちゃんを助けるのは、私だから」
コルナが、もう一方の腕を取る。
「シロー……」
お茶のおかわりを持ってきたルルが、固まっている。
「ルル、これは、誤解だから……」
「ふぁふぁふぁー!
ルル、見よ、この男の姿を。
さあ、諦めてパパのところに帰ってきなさい」
気絶から覚めたレガルスさんが、男前らしからぬ変な笑い声を立てる。
「ややこしくなるから、あなたは黙ってて!」
スパパーン!
しかし、あのハリセン棒、どっから出してるんだろう。
いつもお読みいただきありがとうございます。
次回、偉大な存在登場。
こうやって予告するだけでも畏れ多い感じです。
では、明日へつづく。




