表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポータルズ ー 最弱魔法を育てよう -  作者: 空知音(旧 孤雲)
第3シーズン 学園都市世界アルカデミア編
105/927

第7話 試験結果と違和感

 史郎の試験結果は?

 どこかおかしい学園都市です。


 受験後、俺が家に帰ると、ポルとテコが少し疲れたような顔をしていた。


 まあ、一日中家の中にいるから、飽きちゃったんだろうね。

 俺は、二人を庭に呼んだ。一目では獣人と気づかれないよう、テコはフード付きローブを羽織っている。

 二人を点ちゃん1号に乗せ、一気に空へ上がる。

 テコは、目を丸くしている。


 学園を探すために上空からこの世界を調べたとき、目をつけておいた場所へ向かう。

 大陸北東の海上に浮かぶ群島だ。

 上空から人がいないのを確認した後、島に降下する。


 目の前には、まっ白な砂浜とコバルトブルーの海が広がっている。


「うわーっ!」

「すごーい!」


 二人は服を脱ぐと、一直線に海へ飛びこんでいった。

 まあ、点を付けてるから、海生の魔獣に襲われても大丈夫だしね。島に大型の魔獣がいないのは、すでに上空から調べてある。

 俺たちは、海で泳いだり、近くにあった古い難破船を調べたり、暗くなるまで遊んだ。


 家に帰ると、コルナがおかんむりだった。


「一体、どこ行ってたの!

 お兄ちゃんとポルはともかく、テコがいなくなったら心配するでしょ!」


 あちゃ~、島で念話しとけばよかったよ。

 ポルが島で泳いだことをミミに話して、余計に叱られている。


「あんたたちだけ遊んでたの!?」


 俺とポルは、ミミとコルナの前に正座させられ、長いことお説教された。


 ◇


 次の日、ギルドから貸しだされている建物に、赤い制服を着た男が、受験で使ったものに似たシートを持ってきた。

 どうやら、地球でいう「郵便配達」のような仕事をしているらしい。男は俺にシートを渡すと、サインを求めてから去っていった。


 シートに触れると、名前と受験番号が表示される。番号をタップすると、ローブを来た老人が画面に現れた。


「シロー君、合格おめでとう!

 私は、学長のターランだ。

 君は特待生として、我が学園に入学することとなった。

 授業料、学費共に免除となる。

 寮に入りたいなら、それも無料だ。

 詳しい説明は、明日学園で行う。

 九時に受付まで来てくれたまえ。

 では、そのときに会おう」


 メッセージが終わると、シートは黒くなった。

 俺はコルナに、学園の調査に向かうことを告げた。


「私たちは私たちで、やることがあるから」


 コルナは、何か心に決めた計画があるらしい。

 俺は彼女にテコの世話を頼むと、次の日に備えて早めに寝た。


 ◇


 次の日、俺は予定の時間、九時ぎりぎりに、学園の受付に到着した。

 そこには、スーツのような服の上から黒いローブを羽織った人が、俺を待っていた。


「シローさんですね?」


 二十台後半だろうか。落ちついた雰囲気の女性だ。

 俺は、黙って頷いた。


「私は、スーシェといいます。

 この学園の教師です。

 今日は、あなたを学長のところまで案内する役を、おおせつかっています」


 教師が、わざわざ一生徒を案内する? 俺は、警戒を高めた。

 早足に歩くスーシェの後をついていく。

 受験会場を越え、どんどん奥へ進むと、彼女が突きあたりの壁に触れる。そこが開くと、中は、いつか見たこの世界のエレベーターになっていた。


 扉の数字が「5」になり、俺たちはエレベーターから外へ出た。端が見えない長い廊下には、赤い絨毯が敷きつめられている。

 降りてすぐ、目の前にある扉の前で、スーシェが呪文を唱える。きっと、ノック代わりだろう。


 扉は音もなく内側に開き、俺は中に入った。



 その部屋は二十畳はあり、壁の三面は書籍で埋まっている。

 残った一面は、外の景色が見渡せた。

 山頂に雪を頂いた、この大陸の中央山脈が見える。

 まさに絶景だ。


 その景色を背に、昨日シートの映像で見た老人が座っていた。

 思っていたより小柄だ。

 うりざね顔をしている。

 前髪が後退したのか、額がやけに広い。

 肌の色は青白く、あまり健康そうには見えない。


「シローさんを、お連れしました」


 そう言うと、スーシェは扉の横まで後ろへ下がった。


「おお!

 君がシロー君か。

 この学園へようこそ」


 ターラン学長はそう言うと、革張りの椅子から立ちあがり、俺の前まで来た。手を差しだしているのは、握手しろということだろう。

 俺は仕方なく、その手を握った。


 しかし、これは明らかに一介の学生への対応ではない。王族としての証明書が利いているのか、黒鉄くろがねの冒険者であることが伝わったのか。

 とにかく、そういったことは相手に任せ、今は情報を引きだすことに集中しよう。


「シローと言います。

 よろしくお願いします」


『(・ω・)ノ ご主人様ー!』


 なんだい、点ちゃん。


『(・ω・) この部屋って、いろんな種類の探知機がいっぱいあるね』


 なるほどね。ただ挨拶してるだけじゃないんだね。


「本来、入試で一番の君が新入生挨拶をすべきなのだが、今回はコーネリアがその役をすると、以前から決まっていてね」


「コーネリア?」


「ああ、今回の入試で二番だった子だよ。

 赤髪の目立つ子だから、見知っているかもしれない」


 ああ、信号機ちゃんか。


『(・ω・)ノ ご主人様ー、それはひどいんじゃない?』


 だって、最後は点ちゃんも、ちょっと怒ってたでしょ。


『(^ω^) でも、ご主人様といっぱい遊べたから』


 そうだね、また遊ぼう。


『(^▽^)/ わーい!』


 俺が点ちゃんと話している間、学長はいろいろ学園について説明してくれていたらしい。

 聞いてませんでした。どうも、すみません。


「……ということなんだ。

 では、よろしくお願いしますよ」


 俺は学長が話した言葉の最後だけ聞いて、なんとか反応した。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


「では、スーシェ先生、シローさんを、待機部屋までご案内してさしあげて」


「はい。

 シローさん、こちらへどうぞ」


 どうも、この世界は居心地悪いな。くつろぎを邪魔する匂いが、プンプンする。


 同じ階の一室に案内される。

 部屋は、学長の部屋と同じくらい広さがあった。

 内装、家具共に学長室より豪華だ。


 な、なんじゃこりゃー!

 

 俺は、心の中で突っこんでおいた。

 これはギルドで、マウシーが案内してくれた部屋と同等以上だ。つまり、生徒なのに、なぜか国賓待遇以上?


「このお部屋は、シローさん専用となります。

 ご自由にお使いください」


 どうなってんのこれ?


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 史郎、合格おめでとう。

 まあ、点ちゃんのおかげだけどね。

 しかし、一体この好待遇にはどういった意味があるのか?

 学園都市の謎ですね。

 さて、学園入学を果たした史郎ですが、果たして勇者加藤を見つけることが出来るのでしょうか?

 次回へつづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ