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「お待たせ。さぁ、行こ?麻友。」亜梨沙は怪しまれないように、愛梨の親友の麻友に言った。

「うん。そうだね。ところで今日、実習の材料持ってきた?」

「あっ!忘れてた。ちょっと待っててね。」亜梨沙は急いで取りに行く。

「愛梨。何持っていけばいいの?」

「うん。あぁ。じゃがいもを五つ持ってって。」愛梨は怠そうだった。

「分かった。じゃがいも五つね。」ビニール袋に急いで入れて別な袋に入れて完了。

「麻友。お待たせ。さぁ、行こう。」

「うん。今日の体育楽しみだね。」麻友は何も気が付いていないように、亜梨沙に話しかける。

「そうだね。えーと。今日は何やるんだっけ?」

「バスケとバトミントンに分かれたはずだよ。」

バスケットボールか。なかなか動くからハードなんだよね。

バトミントンにしよう。バトミントンなら出来るかもしれない。高校時代はこれでもバトミントン部だったから。


それにしても、こんなに恥ずかしいものなのね。

30代真っ只中でセーラー服を着るなんて。

海上自衛隊や海上保安庁の人だったら仕事で恥ずかしくはないけど、娘の代理でこの格好はとても恥ずかしい。

「どうしたの?愛梨。顔を赤らめて。何かあったの?」

麻友はこちらの異変に気づいたようだった。勘の鋭い女だわね。

「いや。ちょっと恥ずかしくなって。」咄嗟にその言葉が出て来た。

「何?エッチな事考えてたの?」麻友はグイグイ突っ込んでくる。

「バ、バカ言わないでよ。そんな理由わけないでしょ。」

その問い掛けに冷静さを欠かされた。ビッチだとは思われたくない。

「じゃあ、女子中学生の身となって青春をもう一度満喫したいって?」麻友はいきなりそんな事を言ってきた。二の句が告げないというか、一旦思考停止した。

「な、何よ。何が言いたいのよ。その、女子中学生になって満喫したいって。」亜梨沙は動揺していた。こいつにバレてしまったのかと。


「気づかないとでも思ったか?亜梨沙。」麻友は知らないはずなのに、私の名前を呼び捨てにした。中学生のくせに生意気だわ。

「一体、何で私の名前を知ったのよ。愛梨から聞いたの?」

「まだ気が付いていないのね。鈍感だな。亜梨沙は。」目の前にいる彼女は馬鹿にしてくる。

「もしかして、凜花りんか?」


凜花は中高と同じ学校で、嘗て、高校時代に生徒会長の座を巡って争った相手だった。結果的に第三者に取られたが。

「そうそう。まぁ、亜梨沙も色々あったんだろ?先生には言わないよ。」彼女は得意げに言う。

「私もよ。凜花の事は何も言わないから。」

「それは助かるな。嘗ての若い頃を思い出すよなぁ。今の授業は苦痛だと思っていたあの頃とは違って楽しいよ。若さを偽る背徳感堪らないわ。興奮する。」


凜花はエロくなっていた。嘗ては淑女な雰囲気を出していたが、今の彼女はエロかった。胸も大きくなっており、誰だか分からなかったのもそのせいということもある。

二人は何事もないように平然と自転車置き場に向かった。




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