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ほのぼのまったり成長日記です。
私の名前は、ゲオルグ・フォン・グラーフ
栄光あるグラーフ辺境伯家の4男であり、10歳の子供であると同時に…38歳のおっさんでもある。
そう、私は、「ここではない世界」で、「高橋啓介」として38年間生きてきた記憶がある。
その世界では結婚して、娘が一人いて、普通に市役所に勤めて…ごく普通の幸せな暮らしをしていたはずなのに…はっと、はっと目が覚めたら、私は既に「ゲオルグ」だった。
ゲオルグの記憶は鮮明にある。
でも、高橋時代のことも、確かに覚えている。
自分でも混乱しているし、狂ってしまったのかもしれないと怖くなる。
だが、私は確かにゲオルグであると同時に、高橋であったのだと思う。
その証拠に、ここに日記を書こうと思う。
もちろん、こちらでは誰も読めないであろう「日本語」で、だ。