鞄
若葉は鞄を取り返しに頑張っただけなのに散々だね(▽`)
黄緑家玄関。
「つ...つかれた...」
靴も脱がず倒れこむ私。鞄?あぁ。空が...
「って、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!!!」
あいつに持ってかれたままだぁ!
玄関の扉を乱暴に開け空の家に向かって走り出す。
走れば5分くらいだろう。
と軽く思っていたのだが...
「...はぁっ...はぁっ...」
体力がほとんどなくなっている私には5分の全力疾走も困難だ。
「...っ!」
空の家のうち前に到着。もう...無理。
脇腹痛い。吐き気がする。頭がガンガンする。
「あら、若葉ちゃんじゃない。どうしたの?」
あ、空のお母さん...えと、瑞希さんだっけか
「空が...空ちゃんが私の鞄持ったまんま帰っちゃったんです。」
あいつにちゃん付けなんてっ!!!
プライドが傷つきながらも、ちゃんと礼儀正しい子を通す。
「あら、もうあの子ったら。あとでお仕置きね。
ブレーンバスター あたりがいいかしら?」
あ、こいつ死んだな。よりによってブレーンバスター か...
え?ブレーンバスター知らないの?ググっとけ。
「空ぁー?若葉ちゃんよ?あんた若葉ちゃんの鞄ちゃんと返しなさい?」
瑞希さんが不気味な笑みを浮かべながら、
でも、声の調子はいつも通りに...
バタッ...ガタガタ...バタン!!...ドタドタ...ドタドタ
すごい音してるなぁ。
バンッ!!
ものすごい音を立てて黄緑家の玄関が開く。
「ん。」
「え?」
え?!やけに素直...?
「いらないの?」
え...
「いや...いる。」
鞄を受け取る。
なんで...こんなに素直なんだ?いつもは...
瑞希さんの方に目をやる。
「?!」
ぎゃぁぁぁああ゛ぁぁぁぁあ゛あぁぁぁぁあぁあ゛!!
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!
危うく声を上げるところだった。
落ち着け、落ち着くんだ。
あれは幻覚だ、幻覚、幻覚、幻覚ぅぅ?!
嘘言え!アレはもう鬼だろ!
凄い剣幕で睨んで...
え?!あれ?
瑞希さんが...消え...た?!
玄関から空のお父さんの隼人さんが
マットを持って走ってくるのを見た。
「え?あ?」
あわてて空の方を見る。
「ぅあ!にゃぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛!!」
空の悲鳴...
隼人さんの担いだ分厚いマットが間に合った(?)
「ちぃっ!!!」
瑞希さんの舌打ち。
って え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!!!
瑞希さんが空にタンを吐きかけ(るマネをして)家に戻る。
隼人さんもその後を分厚いマットを担いで家に戻った。
空は...?
「ってぇなぁ...」
首をゴキゴキならしながら...
「って無事だったのか?!」
「無事で何が悪い?!」
悪い何て言ってないのになぁ。
空の靴が私の顔面にめり込む。結構痛い。
つか、痛い。し、イタイ。
「もう帰れよ!用は済んだだろ?!」
あ、ひどい。
名前:水色 瑞希
性別;♀
年齢;36
職業;看護士 (元プロレスラー)
得意技;基本はプロレス技全部
性格;優しい?
身長;160㌢強
空のお母さんです(▽`)
名前:水色 隼人
性別;♂
年齢;36
職業;大工 (元プロレスラー)
得意技;基本はプロレス技全部
性格;優しい?
身長;170㌢強
空のお父さんです(▽`)