学校に行きたい
黄緑家 若葉の部屋。
頭が割れるように痛い。
吐き気がする。
くらくらする。
胸の辺りがむかむかする。
1年生の本入部当日だっていうのに...
なんなんだ
最悪だ!!
後輩ができる重大イベントだっていうのに!!
どうしよう
取りあえず熱...測らなきゃ
そう思って立とうとしたとき
「あ...れ?」
世界がぐにゃっと歪み
私はその場に座り込んだ。
のつもりだったのだが
ドン!!
思いっきり音を立てて倒れた
不思議と痛みはない
自分が倒れたというのに
数秒間気づかなかったくらいだ
私が倒れた音をきいて
綾羽が駆けつけてくれた
「ちょ!?若葉???!!」
熱い
気持ち悪い
なんかどうでもよくなって...きた
県立病院。
気が付けばベッドの上だった。
さっきまでの激しい吐き気と頭痛は消えていた
点滴もされている
ここは?
なんか見覚えがあるような...
あぁ、倒れたんだっけ?
綾羽が来てくれて
...頭痛い
ぶつけたようなこの痛み
きっと倒れたときだろう。
まだ少しぼーっとする
病室のドアの上にある掛け時計は
11時27分を指している。
「学校...いかなきゃ」
そう思ったとき病室のドアが開いた
白衣を着た背の高い男の人と
水色のナース服を着たやさしそうな女の人
綾羽と翔太
「調子はどう?」
ナースさんが私に声をかけてくれた
「だいぶいいです」
優しい声だなぁ
「そう、よかったわね」
ナースさんはにっこり微笑んだ
その後ろでは
親と先生の話し声が聞こえる。
「もう大丈夫だと思います。
あとはしばらく安静にしていてください
何かあったら呼んでくださいね」
「はい、ありがとうございます」
先生とナースさんが病室をあとにすると
ままが
「安静だって。今日は寝なさい。
学校には連絡入れといたから」
寝るだけなんて暇だなぁ
学校行きたいなぁ...
あーぅ
ま、しょうがない...か
楽しみにしていた1年生の本入部当日に
学校に行けない可愛そうな若葉でした(▽`)