褒め殺し作戦
若葉はちゃんと1年生の面倒は見れるのか?(▽`)
音楽室前廊下。
私は見るも無惨な姿になって横たわっている。
なぜこうなったかというと
ちょっと長くなるかもしれないけどお付き合い願おう。
30分前の音楽室。
もうこーなったら褒めて褒めて褒め倒してやる!!
私はひとりでぶつくさぶつくさ言いながら歩いていた。
音楽室前にはちょろちょろと1年生の姿が見える。
「仮入部の人達??もちょい待っててね」
そう言い残し私は褒め殺し作戦を伝えるべく
音楽室に入った。
皆楽器を出し始めていたので収集をかけなくてもすんだ。
パンパンと手をたたき
「ごめん皆聞いてくださーい」
皆話を止め私に注目する。
この感じいつになっても慣れないよな...
「今日仮入部だって言うのは知ってるよね?
そこで、新入部員を確保すべく
作戦的なのをたててみました
その名も~...『褒め殺し作戦』!!!!!」
皆えっ...って顔してる。
いや、私がたてたわけじゃないし。
「えと、お世辞にも上手ってわけじゃないって子も
いると思うけど、そこをなんとかして褒めてください。」
言い終わったあたりで
はにーとひぃと美雪先生が入ってきた。
「ってことだ、皆よろしくなー」
先生に続きはにーが続ける。
「皆作戦開始です。失敗は許されませんからね。
心得てくださいね。」
相変わらずはにーは怖いな...
「1年生どーぞー」
「どの楽器を見学したいですか?」
希望調査中か。
暇だなーーー。どーせ私のところにこないもんなぁー。
すると、以外にも
「あの...あの先輩が持ってる楽器がいいです」
いた。
「あぁ、若葉ね?あれはオーボエっていう楽器だよ
若葉!この子よろしくね」
「あ...あぁ!」
ちょっと嬉しいかも。
「よろしくお願いします!!」
可愛い可愛すぎる!すごい感激だ!
取り合えず自己紹介だよな。
「名前は??」
「私は紫陽華蝶です」
華蝶ちゃんね
「俺は...いや、私は若葉。黄緑若葉。よろしくね」
「よろしくお願いします」
やっぱり可愛い!
2台目の楽器を出しながら華蝶ちゃんに質問をした。
「華蝶ちゃんは、何か楽器経験してた?」
「いえ、ソプラノリコーダーと鍵盤ハーモニカぐらいです」
いわゆる無経験者ね。
ふ~ん。ピアノとか出来そうな子だけどな~。
私は華蝶ちゃんにリードを渡し説明した。
「これはwリードといってねこれを振るわせて
音を出すんだ。唇を巻いてリードをくわえるんだよ。
やってみて?」
「こ...こう...ですか?」
「そうそう上手い上手い!
そしたら吹き込んでみ?音出ると思うよ」
私はお手本としてピーと鳴らしてみた。
でも、華蝶ちゃんはなかなか音が出なくて
リードと歯をくっつけないように~とか
もちょい巻いてみ~とか
あーだこーだ言って...まぁ10分くらいか?
それくらいたつと華蝶ちゃんも音が出るようになってきて
「ほら出た出た!すごいじゃん!私最初出なかったんだよ!」
楽器本体も渡してこー持つんだよとか教えて
1年もすると私ぐらいにはできるようになるよ~
と音階を吹いてみせたりして
ここまでは何も変わらなかったんだよ。
普通にね。
私のところにきた1年生に言った言葉がまずかったらしい。
「ほら、華蝶ちゃんも吹いてみ?」
バーーー
え...?
「お...お...おぉ。音出たじゃん!すごいよ!
もっかい吹いてみてよ?」
バーーー
「...。」
え、え?
オーボエってこんな音するんだっけ?
で、問題発言。
「すごいよ!こんなひどい音初めて聞いた!」
ごんっ!!!!!
後頭部に強い衝撃。
で、今に至る。と。
あぁーあ。やっちゃったね若葉...
華蝶ちゃんが可愛そうだ...